環境・エネルギー研究科長 小野田 弘士
環境・エネルギー研究科(以下、本研究科)は、2005年度に発足した早稲田大学大学院理工学研究科環境・エネルギー専攻を母体とし、2007年度に開設されました。文理融合・学問領域統合型のアプローチ、現場・現物・現実主義に基づく実践-社会実験場-、4つの市民(産官民学)の共創による展開、大学の主体性・自律性を堅持した社会との協働、社会のための技術・手法の開発・提案・実践の5つを基本コンセプトとした教育・研究活動を展開しています。
環境・エネルギー分野の基本的な特徴として、カバーする学問領域が多岐にわたり、環境と資源・エネルギー間および個別環境項目のコンフリクトが存在すること、長期的な対応を必要とすること、自然環境や経済・社会・生活活動との強い関連があること、国や地域等の地政学的な特徴を考慮しながらアプローチを必要とすること等が挙げられます。
昨今のカーボンニュートラルや循環経済等のキーワードに代表されるように、環境・エネルギー分野は、持続可能な社会システムを構築するうえで、欠かせない重要なキーワードとなっています。さらに、昨今の社会情勢からもわかるように、何が正解かみえない不確実性の時代といえます。こうしたなかで、現場・現物・現実主義に基づき、本質的な問題を読み解く能力が社会的な要請となっています。
本研究科では、こうした社会的な要請に応える人材を輩出することを目的に、さまざまなバックグラウンドを有する教員が学生と有機的な連携を図りながら、教育・研究活動を展開しています。本研究科内にとどまらず、学内外の4つの市民との連携、学内の他学術院・研究科との連携も強化・発展させながら、時代・社会のニーズに即した教育・研究活動を発展させていきます。