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比研共催講演会:「台湾法史から考える森林と監獄の統治」2026年1月9日開催されました

比研共催講演会:「台湾法史から考える森林と監獄の統治」2026年1月9日開催されました

0109

FRI 2026
Place
早稲田キャンパス8号館217教室
Time
15:00-17:00
Posted
Wed, 10 Dec 2025

比研共催講演会:「台湾法史から考える森林と監獄の統治」

講演1.李明芝「台湾における原住民族の森林ガバナンスの動向と課題」
講演2.林政佑「帝国日本の監獄行政ー植民地台湾と朝鮮」
【主催名】科研費研究・基盤A「所有権の不明瞭化と立木取引慣行の変容」(代表・高村学人)
【共催名】早稲田大学比較法研究所、早稲田大学法学部・法学研究科
【講演者】李明芝・国立政治大学地政学部・助理教授
林政佑・中央研究院台湾史研究所助研究員
【開催日時】2026年1月9日15時〜17時
【開催会場名】早稲田キャンパス8号館217教室
【使用言語】日本語
【企画責任者名】高村学人(早稲田大学法学学術院教授)
【公開対象者】学生、一般、教職員
【参加者申請方法】事前登録不要(直接会場へ)

【開催報告】

参加者:10名(うち学生2名)

2026年1月9日(金)、早稲田大学にて講演会「台湾法史から考える森林と監獄の統治」が開催されました。2人の講演者が登壇されました。李明芝氏(国立政治大学地政学部・助理教授)は「台湾における原住民族の森林ガバナンスの動向と課題」、林政佑氏(中央研究院台湾史研究所助研究員)は「帝国日本の監獄行政ー植民地台湾と朝鮮」のご講演を行いました。

李氏は、台湾の原住民族が自然動物と森林に対して自主的なガバナンスを行うにあたって直面している課題や今後についてご講演されました。

台湾の原住民族の自然資源に対する集団的権利は、憲法解釈及び判決と原住民族基本法によって保障されていると紹介されました。原住民族基本法は、原住民族が伝統文化、祭儀、非営利な自己使用のために野生の動植物を取ることを認めていますが、実際にはその実現が不十分であると指摘されました。野生動物保護法と原住民族狩猟弁法は、原住民族の狩猟活動に厳しい制限(事前申請と許可)を課していましたが、野生動物保護法は2021年の憲法解釈を受けて2025年に改正され、これらの制限は一部緩和されと説明されました。先住民族の森林産物の利用についても、森林法や森林産物規則によって規定が設けられていますが、原住民族が森林を管理する上での自主性確保の在り方等は今後も検討が必要であると述べられました。

林氏は、ご自身の著書『帝国日本の監獄行政 植民地台湾と朝鮮を中心に』(京都大学学術出版会、2025年)に基づきご講演されました。

まず、研究の目的について、日本帝国の植民地(朝鮮、台湾)での監獄制度とそれが植民地の人々にどのように受け止められていたかを明らかにすることにあると説明されました。法社会史、帝国史、比較の多角的視点を採用し、これまで研究が十分にされてこなかった監獄と社会の関係性や植民地に着目していると述べました。日本人僧侶が教誨師を務める監獄教誨制度、新しい累進処遇制度の導入、台湾と朝鮮の監獄作業や看守介護制度の相違点、釈放者保護制度の戦前から戦時中までの歴史等が紹介されました。そして、台湾と朝鮮の制度はどちらも日本の制度を基礎としながらも、それぞれ独自の発展を遂げたことが強調されました。

質疑応答では、台湾の野生動物保護法と森林法の今後の改正や刑務所の設計と教育目的等について多くの質問が寄せられ、盛況のうちに終了しました。

(文:ドイル彩佳 比較法研究所助手)