Institute of Comparative Law早稲田大学 比較法研究所

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【開催報告】シンポジウム「映画上映会第3弾 映画「0円キッチン」をみて食品ロス問題を考える」が開催されました

開催報告

比較法研究所映画上映会第3弾

映画「0円キッチン」をみて食品ロス問題を考える

(原題:Wastecooking、2015年オーストリア)

2019年6月20日(木)16:30-19:00 早稲田キャンパス26号館B1多目的講義室
参加者:48人(うち学生41人)

【司会】
中村 民雄  早稲田大学法学学術院教授、比較法研究所所長
【解説】
片貝  敏雄氏 農林水産省バイオマス循環資源課課長
三浦  寛子氏 農林水産省バイオマス循環資源課食品産業環境対策室課長補佐(食品リサイクル班)

当日配付資料はコチラからご覧いただけます。

2019年6月20日(木)に早稲田キャンパスにて、比較法研究所映画上映会(映画「0円キッチン」をみて食品ロス問題を考える)が開催されました。

最初に、中村民雄所長より「国内外で「食品ロス」に対する関心が高まり、取り組みが進められるなかで、本上映会を「食品ロス」を考えるきっかけにしたい。」と、この上映会の趣旨説明がありました。

中村 民雄所長

次いで、映画では、廃油を燃料とする車で、主演者が欧州各地(オーストリア、ドイツ、オランダ、ベルギーなど)を訪れ、各地の「食品ロス」に対する取り組み(家庭の冷蔵庫に残る食材の調理、都会の野草採取、昆虫食、食堂の未調理食材の再利用など)を体験する様子が描かれました。

映画上映に続いて、三浦寛子氏から、次のような「食品ロス」の現状と削減に向けた農林水産省での取り組みが紹介されました。

三浦 寛子氏

  • 2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」(SDGs)にみられるように、「食品ロス」に対する国際的な関心が高まっている。
  • 日本には、食品ロスに関連する法律があり、食品廃棄物等の発生抑制と再生利用の推進がはかられている(「食品ロスの削減の推進に関する法律」、「食品リサイクル法」)。
  • 「食品ロス」の発生要因の一つに、食品製造業、卸売・小売業における商慣習が挙げられる。
  • 農林水産省では今年、恵方巻きシーズンを控えて食品の廃棄を削減するための対応を行った。
  • 東京オリンピック・パラリンピックに向けて「食品ロス」削減対策を進めている。

質疑応答では、学生や教員から次のような質問や意見が出され、「食品ロス」について活発な議論が交わされました。

  • 映画のなかで、商品として不要になった食料品や、ゴミ箱に捨てられた食材を集めようとする場面が描かれていたが、

    片貝 敏雄氏(法学部OB)

    日本で同じように廃棄食材を集めようとした場合、どのような法律上の問題があるのか。

  • 廃棄物の再生利用には費用がかかるが、「食品リサイクル法」や最近は環境面に着目したESG投資などが注目される中で、企業も「食品ロス」に関心を寄せ、環境に配慮した取り組みを進めるようになっている。
  • 事業者は、品切れによって販売機会を失うことがないように、多めに商品を生産する傾向があるが、最近では、株主総会で企業の社会的責任(企業の行動倫理)が問われるようになってきた。
  • 現代のライフスタイルや消費行動を変えるのは、大きな社会実験になる。いつでも食品を購入できる状況下での「食品ロス」は、かつての日本にはなかった。食品製造工程を含めて、企業が利益追求や経済効率を優先する姿勢をどう変えるか、消費者が「食品ロス」(例えば、賞味期限)をどのように考え行動するかが、課題を解決する鍵になるのではないか。
  • 映画で、昆虫を食材として調理する場面があったが、果たして昆虫を食べることは「食品ロス」問題を解決する方策になり得るか。会場の皆さんに聞きたいのだが、昆虫食に抵抗はないか。
  • 私は、昆虫を食べることへの抵抗感は、食習慣との関連から容易に払拭できないと思う。昆虫食の習慣がない地域では、昆虫を食べる行為が社会的な偏見につながるおそれはないか。昆虫食は、すぐには実現できないと思う。
  • 今でも日本各地で、例えばイナゴの佃煮や蜂の子などが食べられている。伝統的な食文化が残っているわけで、私は、昆虫食への抵抗感は事業者の努力により変えられると思う。昆虫をたんぱく源とする食事は、食糧自給率の低い日本の食糧問題を解決する有効な手段になる可能性がある。
  • 木の実などの自然物を有効活用して無駄をなくしていく発想は、「食品ロス」の問題を解決する手段として多少の可能性があるかもしれない。これが、映画「0円キッチン」の示唆の一つではないか。
  • 規格外品の廃棄による「食品ロス」は、日本を含む現代の農業が抱えている重要な課題の一つと考えられる。

上映会の参加者からは、大変に興味深い取り組みで「食品ロス」について考えるきっかけになった、等の意見が複数寄せられ、大好評の映画上映会となりました。

次回、映画上映会は秋学期に開催予定です。

 

 

 

 

 

 

参考
開催案内

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