Institute of Comparative Law早稲田大学 比較法研究所

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【開催報告】「逃げ恥大分析」が開催されました。

「逃げるは恥だが役に立つ」大分析 <ジェンダー・法・社会>

日 時  2018年6月28日(木)16:30~19:00
場 所  早稲田大学9号館5階大会議
主 催  比較法研究所、ジェンダー研究所(総合研究機構)
後 援  早稲田大学法学会、ダイバーシティ推進室
参加者数 138名(内訳:政経1、法97、文構・文1、教育3、社学1、国教1、人・スポ4、院生3、教職員12)
今回の題材:「逃げるは恥だが役に立つ」 2016年に放送され大人気を博したTVドラマ(原作:海野つなみ「逃げるは恥だが役に立つ」講談社)

開会にあたり、中村民雄比較法研究所長の挨拶と、村田晶子ジェンダー研究所長からシンポジウムの進め方の説明があった。はじめにポスターセッション、続いてフォーラムシアターを実施した。

【ポスターセッション】

ポスターセッションは、参加者が下記4チームから1つを選んで発表・質疑応答に参加し、制限時間が来ると別のチームに移動するというローテーションで進められた。

A.学生チーム「ジェンダー問題、逃げるは恥かつ役立たず」

ジェンダー問題、家事・育児に対する男女の意識差、DVなど、幅広い事例を扱った新聞記事から考察した結果を発表した。(国際教養・政経・文化構想・法と、すべて違う学部の1年生4名のチーム)

B.職員チーム「共同経営責任による家族経営-イクメン平匡の未来-」

既婚者・社会人という視点から、平匡とみくりが独身を続けた場合と結婚して家庭を築いた場合の比較、ドラマに登場した各家庭のあり方、イクメンなどについて考察した結果を発表した。(ダイバーシティ推進室、校友課、法学学術院の職員3名のチーム)

C.学生・社会人チーム『逃げ恥』を素材に「大人の学び」

『逃げ恥』を素材とした「子育て団体による男性向け講座」と「公民館の保育付き講座」という2つの企画案と企画案の背景について発表した。(文学研究科院生と社会人のチーム)

D.学生チーム『愛の搾取』無自覚なままでいいのか?

男女間の家事負担の偏りとその問題、人種・民族差別、家族のあり方の多様性、およびそれらを意識していないことへの疑問について考察した結果を発表した。(文学部の学部生2名と文学研究科院生2名のチーム)

各チームの発表では、積極的に意見や質問が飛び交い、活発に議論する光景が見られた。

【フォーラムシアター】

フォーラムシアターでは、「逃げ恥」をもとに出演者が3つのエピソード(リストラとプロポーズ、朝のドタバタ―愛情の搾取·家事の分担、弁当と飲み会)を選んで作ったシナリオで上演した。その後、観客の飛び入りなど展開を変えて上演し、さらに意見を交換した。
(脚本および出演は、教育・文化構想・文学・社会科学の各学部生および法学研究科院生の10名)

中村所長も上司役で飛び入り

 

○リストラとプロポーズ

平匡が上司からリストラを宣告され、その後帰宅した平匡がみくりにプロポーズする場面が最初に上演された。このシーンに対して、「優秀であるのに、なぜ結婚していないことを理由としてリストラされるのか」、「リストラの候補を選ぶ時に、結婚しているかどうかを基準とすることは妥当か」などの意見が出された。

みくりさん、結婚しましょう

 

 ○朝のドタバタ―愛情の搾取·家事の分担

まず最初に母親が家事全般と子どもの面倒をみて、父親が外で働くという「伝統的」な家庭の朝の光景が上演された。このエピソードに対し、父親に家事を分担させる母親や、夫婦で家事の価値を言い合う場面を加えて上演することで、「現代的」な夫婦・家族のあり方を議論した。

「おかあさん、どうして起こしてくれないのー」

飛び入り同士のアドリブも

 

○弁当・飲み会問題 女らしさと男らしさ

「女子は謙虚で料理ができなきゃいけないの?」「僕はお酒飲まないのに、男子だから多めに払わなきゃいけないんだよなー。」という、よくありがちな光景が最初に上演された。次に、このシーンに対して観客が人物設定を変更・追加して演じ、固定観念にとらわれない多様な生き方について議論を深めた。

「女子は2千円、男子は3千円ね。」

 

 

フォーラムシアターでは、ドラマの設定に出演者と観客がさまざまな考察を加えて、結婚、性別(男らしさ、女らしさ)、家族などについて活発な議論を繰り広げ、盛況のうちに終了した。

フォーラムシアター司会の矢内琴江(文学学術院)講師は、実行委員がそれぞれに話し合いながらフォーラムシアターをつくりあげたと述べ、フォーラムシアターを例に様々な実践を通して状況を変える言葉をつくりあげていきたい旨をコメントし、参加者の積極的な取り組みを高く評価した。

 

【閉会挨拶】

閉会にあたり、弓削尚子(法学学術院)教授は、本企画が創立60周年を迎えた比較法研究所と2001年創立で18年目を迎えたジェンダー研究所の主催で、早稲田大学法学会とダイバーシティ推進室の後援による異色の取り組みであると述べた。このような異色の協働は、様々な学部の学生、教員、職員を含む多様な参加者を伴うダイバーシティな参加型の取り組みであり、それゆえに生き方や暮らし方を考える上で非常に意義のある学びの場になったと指摘した。

 

最後に中村所長は、比較法の観点から挨拶し、法学部以外からも積極的にジェンダー関係の法律に触れて欲しいと述べた。また、法律は社会を変えるきっかけで、法律で社会がすぐに変わることはあまりないが、法律を知っているといざというときに自分を守れる場面もある。これをきっかけに、法学に馴染みのない方も法律関係の授業を聴講する機会をつくって欲しいとコメントした。

 

【アンケート】

参加者(学生、大学院生、教員)から回収したアンケートでは、学部生を中心に主に次のような意見や感想が寄せられた。

・ポスターセッションが多様な立場から様々な意見を聞けてとても興味深かった。
・身近で馴染みやすい主題を取り上げておりパートナー間のあり方を考える上でよいきっかけになった。
・参加型で行われたフォーラムシアター(劇)が新鮮で興味深かった。
・結婚や家事のあり方について考えるきっかけになった。

このように、この企画を好意的に評価する声が多く、学生・大学院生・教員にとって有意義な取り組みであったことが示された。

 

 

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