Graduate School of Letters, Arts and Sciences早稲田大学 大学院文学研究科

その他

早稲田と日本史と私(日本史学コース:阿部友博さん)

私が日本史学コースを志望した理由

もともと小学生の頃より日本史に興味・関心があり、大学に進学したのちも当然のごとく文学部で日本史を専攻していましたが、勉強を進めていくうち、より専門的に学びを深めたいと思い、まずは大学院への進学を希望しました。当時慶應義塾大学に通っていた私は、専門の教員が不在になる事情により、他大学の院への進学を視野に入れることになり、早稲田大学大学院文学研究科を進学先として選択しました。

日本史学コースを志望した主な理由としては、①関東の私大のなかでは最大級の規模であり、日本史について幅広い分野・視点から学べること、②学部時代の先輩が何人か同様の経緯ですでに早稲田に進学し、ルートができていたこと、の2点が挙げられます。その結果、端から見ると極めて特異な経歴を持つことになりました。余談ですが、ひとり早慶戦のようなこの経歴は目を引くようで、自己紹介をする際にはひと笑いとることができるので感謝しています。もちろん早稲田推しです。

日本史学コースの雰囲気、教員・学生などとの交流

基本的に、日本史という学問分野は、おおむね古代・中世・近世・近現代と時代ごとに区分されていて、日本史学コースにおいても、それぞれ時代ごとにまとまりながら活動しています。私の場合、古代史ゼミに参加していましたが、他の時代を専攻している院生との交流もよくあり、勉強するために訪れたコース室で顔を合わせて和気藹藹と過ごす、といった空気感が流れていました。先生への質問も気軽にできます。

また、それぞれの時代ごとに、三者協という勉強会(教員・院生・学部生の三者が集うのでこのネーミング)が催されていて、院生が主体となり、これから大学院への進学をめざす学部生(早稲田以外の学生でも参加OK!)・教員を交え、熱心に議論が繰り広げられています。加えて、コース全体の院生有志が参加している民衆史研究会もあります。早稲田が誇る伝統ある会で、シンポジウム開催・会誌の発行を続けています。

以上が日本史学コースの簡単な紹介ですが、院生同士、院生と教員との交流の機会は十分にあり、学び合える環境が備わっています。他大学出身の私でも関係なく馴染める風土で、気づけば、自分の慶應らしさをどこかに置いてきていました。

研究にかけた思い

大学院に進学した段階では、その先の進路をぼんやりとしか考えていませんでしたが、修士課程を出たら就職をするという決断に至ってからは、研究への向き合い方も変化してきました。就職すれば、院生の頃と同じように時間を確保して研究を進めることなどかなわないので、今のうちに思う存分勉強して、自分なりの研究成果をあげたいという気持ちが芽生えたのです。

最後は修士論文の完成に向けて学びを深めていました。その際、指導教員からの教えとして、「何かひとつ自分の論文の核となる史料を見つけて、それに対して自分独自の解釈・見解を示せるように」というものがありましたが、私はその「ひとつ」を見つけるまでに苦労し、時間がかかりました。なんとかしてそれにあたる史料を思いつき、指導教員まで報告しに行った時、指導教員に喜んでいただいたことを今でも覚えています。

修了後、修士課程での生活を振り返って

大学院での生活は、楽しかったのひとことに尽きます。好きなことを高度なレベルで専門的に勉強し、研究活動を行う際の基礎を学べました。幸運にも学術研究や早稲田大学とも縁の切れない職場、日本学術振興会に就職することがかない、現在でも学んできた知識を多少は無駄にせず済んでいます。日本学術振興会で、今度は科研費の歴史を勉強したいというのが、これまで歴史学を学んできた私のささやかな願望です。

また、修了後も引き続き指導教員からは厚かましくも指導を受け、修士論文をもとに論文・研究ノート各1本を学術雑誌に公表できました。今後も研究活動を可能な限り続けていきたいです。たとえ博士課程に進学しなくとも、修士課程のうちに基礎を身につけられれば、いかなる環境でも研究活動を続けられるというのが日本史、ひいては人文学という学問の強みではないでしょうか。私のこのような経験が何らかのご参考になれば幸いです。

自分の論文・研究ノートが掲載された学術雑誌

プロフィール

1994年、群馬県生まれ。2017年、慶應義塾大学文学部日本史学専攻を卒業後、早稲田大学大学院文学研究科修士課程日本史学コースに進学。在学中は日本古代史(摂関期~院政期)をテーマに研究。修士論文の題目は「後三条期の特質―儀式を中心に―」。2019年、同文学研究科修士課程修了。現在は日本学術振興会研究助成第一課に勤務し、科研費関連の業務を担当中。

(2021年2月作成)

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