Graduate School of Letters, Arts and Sciences早稲田大学 大学院文学研究科

その他

修士時代のすべてが役に立っています(英文学コース:㓛刀匠さん)

私が英文学コースを志望した理由

当時、自分は将来教授になるものだ、と信じて疑わなかったので、ろくに就職活動もしないで大学院に進みました。高校生のころから、英語圏の小説にかかわる仕事、特に翻訳をするんだ、という気持ちでいたので、進路について悩むことはほとんどなかったです。大人になったら、趣味に没頭しながら、好きな本の翻訳をして、その印税で買った大きな家でゆったり生活、そして取材と称して海外旅行……なんて考えていましたが、現実はそううまくはいかないものですね。

英文学コースの雰囲気、教員・学生などとの交流

当時、同期をはじめ先輩、後輩も、やはり大学院となると学部のころとは本気度が違うというか、みんなすごく優秀だなというのが第一印象でした。でも、「研究者として生きていくのは厳しいかも」と早々に気づいてしまった私を異物扱いするわけでもなく、「そういう人もいるよね」という感じでフラットに接していただけた気がします。英文学コースのほかに、表象・メディア論コースのメンバーともかなり交流がありました。そのおかげで、在籍中は途中で諦めることなくかなり刺激的な勉強ができ、そのとき知り合った方々とは、今でも仕事などで付き合いがあります。

研究にかけた思い

研究自体は、ものすごく楽しんですることができました。修士論文ではワイルドの『サロメ』を中心に扱ったのですが、好きなことについて語るのは得意だし、その好きな部分を、どう文章として論文にするか、という変換作業が面白かったので(あまり正統なやり方ではありませんが)、研究で「つらい、もうやめたい」となった記憶は、特にないです。文学に関わるあれこれが好きで、それをどう形にすればいいんだろう、ということを考え続けた期間でもあるので、振り返ってみると、あの研究はいまの仕事に確実につながっています。

修了後、修士課程での生活を振り返って

いまは、編集者として様々な本を企画・編集しています。激務のイメージがあったので、就職するときも正直不安だったのですが、修士課程を2年間やり抜いたせいか、適性があったのか、特に苦労なく仕事ができています。もちろん「売れる」ものを作るのが大前提の仕事ですが、修士課程のあいだ自分のなかに取り込んだものを、本としてどう出すかを考えるのはかなり面白いです。在学中お世話になった先生の著書を作ったり、著者を紹介してもらったり、原稿を書いてもらったりと、当時の人脈をこれでもかというくらい使って働いています。高校生のとき妄想していた優雅な印税生活とは確かに違いますが、今の楽しい仕事は、修士に進んだからできるものだと、自信を持って言えます。

プロフィール

東京都生まれ。早稲田大学第一文学部英文学専修卒業後、早稲田大学大学院文学研究科英文学コースに進学。在学中はオスカー・ワイルドをテーマに研究。現在は出版レーベル・立東舎に編集者として勤務。

(2020年11月作成)

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