School of Human Sciences早稲田大学 人間科学部

About the School

学部について

Educational Policy

教育理念

人間科学部における3つのポリシー

ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与に関する方針)

人間科学部は、創設当初から、早稲田大学の総合性・独創性を活かし、全学的な教育環境と学生生活環境のもとに、現代社会がかかえる諸問題の解決、あるいは持続可能な社会の構築に向けて、総合性および学際性を重視する教育研究を目指してきた。

人間科学部の目標は、人間性尊重の視座から、多様な専門研究領域を横断しつつ、生活世界を探究する複眼的な方法を用いて、社会および現実の理解を多角的・包括的に目指すことにある。また、そこで生じる諸問題を実践を通して解決するために、異職種・異領域間のマネジメントや新しい実践をデザインできる優れた能力を身につけた学生を養成することにある。

取り組むべき問題の対象は、「環境」「健康福祉」「情報」の学科ごとにそれぞれの特色を有する一方で、真摯な人間性追求のもと、よりよい社会を実現していこうとする強い意識を持ち、高度職業人・研究者としての基礎を身につけた人材を社会に送り出すことは共通する使命である。

これらの使命を具体化するために、人間科学部・人間科学研究科では、学生が獲得すべき中核的能力の保証(ディプロマ・ポリシー)として「Aリテラシー」「B方法論・専門性」「C学際性・多様性」「Dデザイン力」「E協働性」「F反省性・倫理観」「G自己教育」の7領域17項目を示している。また、これらの大目標を達成するまでの中目標(資料1)を学年ごとに定めている。各専門領域で定められた大目標・中目標の達成を目指した上で、卒業論文が評価基準・努力目標(表1)を満たしていることを卒業認定・学位授与の条件とする。これらの達成によって、卒業後の活躍の場は、国の内外や業種を問わず多様な領域で拓けていくことになろう。

  • Aリテラシー
    (1)日本語の運用力、外国語の実践力の総合としての「言語力」を身につけている。
    (2)情報・データ等の収集・分析・表現能力の総合として「データ・リテラシー」を身につけている。
  • B方法論・専門性
    (3)科学的・論理的な思考力と専門的知識や方法論を身につけている。
    (4)主観的経験や倫理的問題に対して、解釈学的方法を用いて考察できる。
    (5)具体的な「専門性」のもと、帰納的で検証可能な分析を行うことができる。
  • C学際性・多様性
    (6)社会への開かれた関心と態度を身につけ、その多様性を理解し共感することができる。
    (7)人間的事象を複眼的な視点からとらえ、そこに解決すべき課題を発見することができる。
    (8)多様な専門性を横断する「インターディシプリナリー」な視点から、現実をとらえることができる。
  • Dデザイン力
    (9)課題探究(フィールドや実験)プロジェクトをマネージメントすることができる。
    (10)課題解決のためのアクション・プランをデザインすることができる。
    (11)研究成果や自らの考えを具体物として表現することができる。
  • E協働性
    (12)自分とは異なる意見、価値観、感性、文化、言語を持つ他者と協働することができる。
    (13)様々な専門性をつないで「インタープロフェッション」を推進する知識や技能を身につけている。
  • F反省性・倫理観
    (14)社会的公正を尊重した倫理観を持ち、社会に貢献しようとする態度を身につけている。
    (15)科学の可能性と限界を理解し、現実への批判や反省を行うことができる。
  • G自己教育
    (16)自律性・積極性・協調性を備え、自己教育を行うことができる。
    (17)自らのキャリア・プランをデザインすることができる。

表1 博士学位論文・修士論文・卒業論文の評価基準 ◎は要件 ◦は努力目標

 
内 容 目 標 博士 修士 学士
問題設定 1.研究テーマに即した課題の設定が明確であること。
2.研究テーマに関する先行研究が適切にレビューされていること。
方法 3.研究テーマに即したデータや資料の収集および分析、あるいは解析や開発の方法論が用いられていること。
4.データや資料の分析・解析等の着眼点が明確であること。
結果 5.データや資料の分析・解析等の結果が適切に明示されていること。
考察 6.研究課題がデータや資料の分析・解析の結果に基づいて適切に考察されていること。
全体 7.学術論文としての構成や論理展開が整っていること。
8.文献の引用部分等が明確にされていること。
独自性 9.当該分野の研究の発展に寄与できる可能性がある独自性があること。

卒業論文の評価基準は、8の条件を除き、全て努力目標である。ただし、卒業論文提出にあたっては、主たる指導教員や関連教員から指導を受けるなかで、当該分野、学際的研究分野での具体的な基準を確認しなければならない。

 

カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成・実施の方針)

ディプロマ・ポリシーで定められた目標を達成すべく、人間科学部では少人数での学びの場を1年次から設定している。人間科学部では少人数での学びの場を1年次から設定している。 人間理解の基盤を形成する科目群である「人間科学基礎科目」では、「基礎ゼミI、II」「スタディスキル」「学生生活とセルフマネジメント」等の特色ある基礎教育によって、大学生活で必要な思考力や方法論、また自己教育のスキルを習得する。人間科学とは何かを問う「人間科学概論」、学科別に開講される「人間環境科学概論」「健康福祉科学概論」「人間情報科学概論」では、それぞれの視点から人間科学の実践性・複眼性を探求する。

課題探求の基盤となるスキルを育成する「リテラシー科目」は、データリテラシー、日本語、外国語など の科目から構成される。「データリテラシーI、II、III」では、データ分析の際に必要な技能の習得、統計学の基礎や数量的な捉え方を実践的に学ぶ。日本語では、「学術的文章の作成」「日本語と日本文化」などの科目を通して文章作成の技能に加え、日本語の多様性や関連する日本文化を学習する。外国語では、英語をはじめ5ヶ国語(英語、ドイツ語、フランス語、中国語、スペイン語)の外国語科目を設置し、それらの外国語科目から2ヶ国語を選択必修としている。語学のみならず言語の背景にある文化・歴史などの分野を深く学び、国際舞台で 活躍するための基礎力を養う。

「人間科学教養科目」では、単なる一般教養的知識ではなく、人間科学として「人間」を広く深く理解し、 また狭い専門性に閉じることのない多様かつ領域横断的な視点の涵養を目指す。「A. 人間学」「B. 科学論」 「C. 論理的・数理的思考」「D. 言語」「E. システム」「F. デザイン」「G. 倫理と共生」の7カテゴリーから選択する。

専門科目は3つの領域に分けられる。実験・調査研究の方法論や背景にある基礎的な理論を、学内外のフィールド活動なども含めて実践的に学ぶ専門科目I群(実験調査研究法)、専門性を発展させていく上での基盤となる専門科目II-A群(基盤科目)、さらなる専門性を磨く専門科目II-B群(発展科目)が段階的に設置されている。さらに大学院合併科目(専門科目Ⅲ群)や、大学院科目の先取り履修などの制度を設け、人間科学研究科修士2年制への進学を視野に入れたカリキュラムが組まれている。専門科目はいずれも、社会科学、人文科学、自然科学などで伝統的に用いられてきた「文系」「理系」の枠を越えて、多様な専門性を横断しながら受講することができる。各人の興味やキャリアに応じて、 専門科目を有機的に関連づけながら、自身で目標を設定し達成を図ることが期待される。

3年次からは全員が少人数制の専門ゼミに所属する。専門ゼミ選択にあたっては「指定科目」「推奨科目」の制度が設けられている、専門ゼミ選択において必要な科目履修の道筋が示されている。専門ゼミと4年次の卒業研究ゼミは一体であり、指導教員の下で2年間にわたり、専門領域別の研究方略と、自ら計画して行動する特別の学修としての研究の推進を目指す。

アドミッション・ポリシー(入学者受入方針)

【使命と教育理念】

人間科学部は、現代の人間が直面する複雑かつ多様な問題に対し、諸学問の融合をもって解決に取り組む「人間科学」の高い理想を掲げて教育・研究を行っている。真摯に人間性を追求しながら、よりよい社会を実現していこうとする強い意識を持ち、高度職業人・研究者としての基礎を身につけた人材を社会に送り出すことを使命としている。

人間科学部のカリキュラムは、学生による主体的な探求と、理論に裏付けられた実践的な活動を重視している。調査・実験・フィールドワークなどへの参加を通じて問題発見・分析・解決力を育成するよう、体系的かつ段階的に構成されている。授業やゼミにおいては、自身の興味関心や獲得したい専門性に応じて、時に高等学校および中等教育学校における文理の枠組みを超えながら、学際的な探究を行う。

【期待する学生像】

このような学部教育に対応できるよう、人間科学部が入学者に特に期待する資質・能力は次の通りである。

A リテラシー:言語・数量・自然科学および社会科学に関する知識を用いて問題解決ができる。

B 方法論・専門性:論理的思考力に基づき、事象を客観的・批判的に捉えることができる。

C 学際性・多様性:多様な学問分野や、自然・人間・社会の複雑なありようを、複数の視点から捉えることができる。

D デザイン力:問題解決の手段を考案し、他者が理解できるように表現することができる。

E 協働性:自他の個性を認め、多様な他者と協働しながら学ぶことができる。

F 反省性・倫理観・自己教育:知的好奇心と進取の精神を持って、新しい分野にチャレンジできる。

【入学者選抜の方法】

以上の方針に基づき、多様な学生を確保するために、一般選抜、大学入学共通テスト利用入学試験(共通テストのみ方式)、一般選抜(共通テスト+数学選抜方式)、総合型選抜(FACT選抜)、指定校推薦入学試験の5つを核とする入学試験を実施する。

一般選抜

高い基礎学力を持ち、かつ、本学部の多様性の促進に寄与し、学生間の学際的な交流を活発化する潜在性を有する者を選抜する。高等学校および中等教育学校に選択した科目の異なる学生がバランスよく在籍していることが学際的な交流を活性化させるという考えのもと、文系方式と理系方式の試験を実施する。文系方式では英語・国語・社会または数学について、理系方式では英語・数学・理科について、高等学校および中等教育学校の教科科目に関する基礎学力を、学部独自試験により評価する。英語では、どのような学問分野でも専門的な学習を進めていく上で必須となり、国際的な活動を支えるものとなる外国語能力を評価する。文系方式では国語について、理系方式では数学について、論理性、思考力、言語・数量を活用する力を評価する。人間科学部における学びの多様性をふまえ、文系方式では日本史、世界史、数学を、理系方式では物理、化学、生物を選択科目として設定し、その基礎学力を評価する。

大学入学共通テスト利用入学試験(共通テストのみ方式)

幅広い知識と優れた技能を持った学生を選抜するため、大学入学共通テストにより、外国語、国語、地歴・公民から1科目、数学、理科から1ないし2科目、合計5教科6科目という幅広い教科科目に関する知識と技能を総合的に評価する。

一般選抜(共通テスト+数学選抜方式)

幅広い知識を持ちつつ、特に数学的な論理性、思考力、発想力を特に重視した選抜をおこなう。大学入学共通テストにより、外国語、国語、地歴・公民から1科目、数学、理科から1ないし2科目、合計5教科6科目という幅広い教科科目に関する知識と技能を総合的に評価するとともに、二次試験として数学に関する高いレベルの知識と技能を学部独自入試により評価する。

総合型選抜(FACT選抜)

高等学校および中等教育学校における全教科の評定平均値をバランスよく評価するとともに、科学への関心と思考力、論理性、論述力、表現力を重視する観点から、理科・国語の2教科の評定平均値を特に重視する。高等学校および中等教育学校での活動状況、人間科学部への志望動機と学習への意欲、大学での学習目標と自身の将来像の具体性、およびそれらが志望する学科と適合しているかについて、提出書類および面接等で評価する。大学入学後に世界の学問的知見に触れ、また異なる文化、異なる価値観と接するために、高校生としての基礎的な外国語能力を、第三者機関が実施する語学能力試験等により評価する。論述課題では、データを客観的・批判的に読み取り要約する分析力、得られた洞察の合理性を自ら確認し、また展開する論理性や省察性、示すべき事柄を必要に応じて図や表を併用しながら他者にわかりやすく伝える表現力を評価する。分析力・思考力・判断力・論理性・省察性・表現力については、面接における対面でのやりとりを通じて総合的に評価する。

指定校推薦入学試験

高等学校または中等教育学校における学びを優秀な成績で修めた、主体的に学ぶ強い意思を持った者を選抜するため、高等学校および中等教育学校における全教科の評定平均値、課外活動等での活動実績および主体的に多様な人々と協働して学ぶ態度等を調査書により評価する。志望理由書および面接等により本学部で専門性を深め・広げるにあたっての事前の準備状況、また、本学部・志望する学科で学ぶ意欲と明確な志向、対話力、表現力、主体性等を評価する。

人材養成その他の研究上の目的

人間環境科学科

20世紀後半の経済成長は、科学技術の発達に支えられ、資源・エネルギーを未曾有の規模で消費する先進諸国に豊かさをもたらした。その反面、半世紀の間に75億人を超えるまでに急増した世界人口は、人間活動による環境問題を地域から地球規模へと拡大するとともに、地域・民族・国家間の格差や対立を増幅させた。このような問題の解決には、人間の日常生活の場面から、地域社会・国家・地球規模といった様々なスケールで生じている環境の問題を的確に把握し、正しい対処の方策を構想することが必要である。それを実現するためには、なによりも、従来の環境科学の枠を超えて、人間と自然環境、社会・文化的な環境との相互関係を広く理解し、その知見を環境政策にフィードバックできる人材が不可欠である。

このような観点から教育研究を行うのが人間環境科学科であり、座学に留まらず、実験や社会調査やフィールドワークを通しての人間活動の環境影響評価、地域環境・建築環境・社会的環境における人間行動と発達の理解、持続的で内発的な地域創生や共生社会構築のあり方、格差社会や人の移動に伴う地域社会における文化的アイデンティティの維持や変化などを教育研究のテーマとしている。以上を通じて、人間環境に関する総合的な知識と課題解決能力をもつグローバルな人材を育成することを目指している。

 

健康福祉科学科

少子高齢化が急速に進行し、超高齢社会となったわが国社会において、生涯を通じて心身ともに健康で豊かな生活を実現するための課題を明らかにし、解決方法を提案していくことは極めて重要である。この学科では、さまざまな角度から人間の健康福祉を考え、身体的、心理的、社会的に、健やかで、安心して、豊かに暮らしていくための、科学技術、支援の方法、社会システムなどを、総合的、多角的に学び、研究する。医学や健康科学、健康福祉に関する理工学、臨床心理学、社会的な支援を必要とする人たちのための相談援助、医療・福祉のシステムや産業など、幅広い知識の習得が可能である。また、実験や制作、ニーズや効果を測定するための調査、カウンセリングや相談援助の実技など、実践的な教育と、理論の構築能力や科学的合理的な説明能力を高めるための教育の両方が用意されている。それぞれの目標や興味にしたがって特定の分野を選び、そこを中心として、関連する分野も学ぶというように、幅広く重層的な学びを実現することができる。それによって、専門性を持ちながらも、応用範囲の広い知識、能力を身につけることができ、企業、行政などで活躍する途が拓けるとともに、専門職や研究者としても、広い視野を持って活躍することが可能となる。

 

人間情報科学科

人間情報科学は、人が人やモノと関わる際に生まれる接面(インタフェース)を行き来するものを情報として捉え、情報が生まれるプロセスの分析から情報を作り出すシステムのデザインまでを、人とその成長を中心に置きながら科学的に追究する学問分野である。人間情報科学科では、コミュニケーション、教育、心理、認知等の基本的な活動や、ヒューマン・インタフェース、AI(人工知能)、VR(仮想現実)/ AR(拡張現実)やIoT(モノのインターネット)等の先端技術において、人間が利用する情報─人間情報─に焦点をあて、コンピューター科学に限定されることなく、情報科学、認知科学、コミュニケーション学、人間工学、教育工学の視座から学融合的に学び、研究する。現代社会における情報技術の高度化は、生活の利便性を高めただけでなく、人間の認知や学習、行動やコミュニケーションのスタイルにも著しい変化をもたらしつつある。人間と情報の真の共生を可能にする高度な問題解決能力を備え、国際社会に貢献する人材を育成することが、本学科の目的である。

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