School of Human Sciences早稲田大学 人間科学部

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学部長挨拶


人間科学学術院長・人間科学部長 三嶋 博之

早稲田大学創立100周年事業の一環として、5年後の1987年に新たに所沢キャンパスを開設し、同時に当時本学の第9番目の学部として人間科学部が設立されました。人間科学とは1960年代に欧州で提唱された比較的歴史の浅い複合的学問領域であり、例えばオックスフォード大学では1969年に生物学、社会学、文化人類学などを基盤にしたコースが創設されています。人間科学とはこのように学際的な取り組みを目指した比較的新しい学問領域ですが、本学部ではさらに幅広く多様な領域の教員が集まって、人間を取り巻く様々なレベルの諸課題に複合的に向き合い、学際的に人間科学という新たな学問のありようを実践を通じて追求しています。

さて、人間科学とは一体どういう学問なのか、人間科学部では何が学べるのかという問いかけをよく受けます。既に体系化されている旧来からの学問の有りようと異なり、これが人間科学であると言えるような明快な学問体系が必ずしもでき上がっているわけではないと考えています。汲めども尽きぬ深遠な存在である人間を学部の名称に掲げていることからも分かりますように、さまざまな切り口から対象にアプローチできるため、本人間科学部も様々な学問領域の専門とする教員によって構成されています。しかし各教員がそのようなそれぞれの狭い専門にもしも固執する組織ならば、教員達がただ同じ学部に籍を置いているというだけの単なる寄せ集めに過ぎず、逆にまとまりを欠く学部でしかないでしょう。人間科学部は、学際性を積極的に強みとして掲げており、関連する多様な領域が連携して学びや研究を推進することにも価値を見いだし、それを志向する教員たちの姿勢にも大きなアドバンテージがあるのだろうと考えています。

学生諸君に強く望みたいことは、世の中ではむしろ一般的と言える縦割りの所謂専門領域という限定的な狭い世界に安住するのでは無く、是非総合的に複眼的に問題を見据え、更なる高みを常に目指して向上していく姿勢を身に付けて欲しいと言うことです。自分が目指す対象の深さや広さに対して怯むことなく、狭い専門性だけでは欠けていることや足りていないことにまず気づく知恵と勇気を持って欲しいと願います。そして関連する様々な領域の考え方や方法論を常に模索して、自分の問題と関係付けて新たに取り込むことで自分自身が変容し続ける態度を身に付けて欲しい。そのような有りようが、学際性を標榜する人間科学部の大きな強みであると考えています。学生諸君にもこのダイナミズムを是非体験して面白さを実感し、一人一人がフロンティアとして自分の世界を拡大していってもらいたいと願います。

人間科学部は、このような理念を人間科学部の教育カリキュラムにどのようにして反映させ、組み込んでいくのかという責任を負っています。2013年度からカリキュラムを大きく改変しましたが、現在も常によりよき有りように向けて継続して検討を重ねています。

最後に人間科学部の学科についても触れておきます。人間科学部を構成する3学科の名称には、それぞれ「環境」、「健康福祉」、「情報」という、まさに現代社会の喫緊の課題を表すキーワードが使われています。これらのどの言葉を一つ取っても、狭い限定的な専門領域からのアプローチだけでは本当に解決できるはずがないことは明らかです。それぞれの学科においてもそれぞれ多様で複合的なアプローチを学べますが、さらに加えて人間科学部全体としても学科の垣根を軽々と越える問題設定や問題解決方法の自由さを提供しています。このような人間科学部の取り組みに共感してくれる次代を担う若い人たちを大いに歓迎いたします。

(2022年9月21日)

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