早稲田小劇場どらま館では、3月2日(水)〜6日(日)にかけて、劇団献身の奥村徹也さんにご提案いただき、早大演劇サークルOBOGの方々を講師に迎えた5つのワークショップを開催します!
演劇の作り方や演技についてなど、どれも実践的なワークショップです。
皆様のご参加お待ちしています!
開催にあたって
当たり前のことですが、演劇は一人じゃできません。人と人が出会って、初めて劇が生まれます。それなのに、出会うこと自体が難しくなってしまって、もう2年が経とうとしています。
本当はもっと演劇がやりたいのに、という人が沢山いるでしょう。「OBとして何かできることはないか」などと殊勝なことは言いませんが、どらま館の協力も得て、出会う場所を用意してみました。俳優、劇作家、映画監督……。今、様々な業種で第一線で活躍しているOBOGの方々がワークショップをします。興味のあるものだけ参加でもいいですし、全部参加したって構いません。
何かを学ぶには短い時間ですが、出会うには十分な時間です。繋がることが大切なのです。
楽しいワークショップにするつもりです。初心者歓迎。ぜひ、気楽な気持ちで会いに来てください。
奥村徹也
ラインナップ
「演劇の作り方」
3月2日(水) 13:00~16:00 @どらま館
講師:高羽彩さん
予算の組み方、スケジュールの立て方、企画書の書き方、オファーの仕方など、舞台公演の作り方を一から解説します。
「俳優が映像の現場を”攻略”するには」
3月3日(木) 13:00~17:00 @学生会館会議室W406-407
講師:高島優毅さん
同じ演技でも演劇と映像では様々な違いがありますが、特に今回は内面的な演技論ではなく、リアルな映像の現場に臨む際にどのように準備しどのように振舞えばベストなパフォーマンスを発揮できるのか、ということについて実際に短編を撮影しながら考えていきたいと思います。日本の、特に低予算の撮影現場では、マンパワーやスケジュールの問題で、100%のコンディションで撮影に臨めることはほぼありません。その是非はともかく、現実問題としてその世界でのし上がっていくためには、撮影がどのように行われ、その時、監督やスタッフが何を考えているのかを知っておくことは非常に重要です。限られたテイクで最高の演技をし、監督やスタッフに「また一緒に仕事をしたい」と思われるために、俳優としての“攻略法”を探ります。
*このワークショップで撮影した短編作品は、編集して、担当講師のYouTube チャンネルで公開を予定しています。
「台詞を発することだけで「アクション」シーンをつくってみよう」
3月4日(金) 13:00~16:00 @どらま館
講師:中島梓織さん
ひとつひとつの台詞に、相手に働きかける「動詞」を当てはめて、より実感を持って台詞を発することを目指す「アクショニング」という方法があります。最近のわたしは、この方法からヒントを得て、キャラクターから演技をつくるのではなく、演技からキャラクター(そのひとらしさ)をつくること、状態からアクションを起こすのではなく、アクションを起こすことで状態(ほんとうらしさ)をつくること、俳優としてそんな演技ができないか、演出家としてそんな演技を引き出すことができないか、考えたり試したりしています。今回のワークショップも、より観客に想像力を働かせる演技をするためにはどうしたらいいのか、をテーマに行います。教える/教えられるという関係ではなく、演出家と俳優、それぞれの立場から、一緒に考えたり一緒に試したりできる、よい協働の場にできたらと思います。
「演技ってなんぞや」ワークショップ
3月5日(土) 13:00~16:00 @どらま館
講師:納葉さん
演技とは「想像上の世界で真実に生きる能力」と言われます。ワークショップではこの理念のもとに、演技とは何か、俳優という存在は何をしているのかということを、実際に参加者に体感してもらうことを目指します。
演技といえば舞台や映画のワンシーンを想像されると思いますが、今回はより刺激的なワークになるように、漫画のシーンを使います。ディスカッションも踏まえながら、想像上の世界に飛び込むことと真実に言葉を発することを楽しんでください。
*参加者には事前アンケートを用意しています。申込後の自動返信メールとは別に、アンケートフォームをお送りしますのでご確認ください。
「日常と演劇の境界線をなくすワークショップ」
3月6日(日) 13:00~16:00 @どらま館
講師:奥村徹也さんいくつかのグループに分かれて、最近あった「嬉しかったこと」「悲しかったこと」「腹が立ったこと」など過去に生まれた感情について話し合います。
その感情を、少しだけ演劇的手法を交えて、他のグループのみんなに伝えてみましょう。
自分の感情を誰かに伝える、というのはお芝居で最も大切なことです。そしてそれは、実体験を利用すれば、さほど難しいことではありません。
このワークショップを通じて、演劇がもっと身近な存在になることを目指します。
同時に、自分の過去の感情と向き合うことは、自己分析に繋がる、とも。
どうやったらより他者に伝わるのか。日常で生まれた感情を元に、一緒に考えていきましょう。
対象
早大生・早大公認サークル所属生
予約
My Waseda お知らせよりお申し込みいただくか、
早稲田演劇サークルが加入している「早稲田演劇Slack」の予約フォームからお申し込みください。
*ご不明点等ございましたら→[email protected] (担当:宮崎)まで
講師プロフィール
高羽彩
第二文学部 2010年卒
脚本家・演出家・俳優。早稲田大学の学生劇団「てあとろ50’」を経て2004年に個人演劇ユニット『タカハ劇団』を旗揚げ、主宰・脚本・演出を手掛ける。緻密な構成と生々しくチープでありながら何処か叙情的な言語感覚が高い評価を得、近年ではアニメ・実写ドラマ・ゲームシナリオとジャンルを問わず活躍の場を広げている。
高島優毅
文学部 2011年卒業
映像ディレクター、早稲田大学演劇倶楽部出身。新卒でテレビ局に入社。その後ネット動画ベンチャー企業に転職しYouTube用のオリジナルコンテンツ制作を経て2018年からフリーランス。企業のYouTubeチャンネルの運営・制作・監修を主に行い、担当した動画の合計再生回数は7億回を超える。
2017年から短編映画制作を始め、これまで国内外の映画祭で30回以上の受賞・入選を果たす。
中島梓織
文化構想学部 2020年卒業
劇作家・演出家・俳優。早稲田大学演劇倶楽部出身。2016年、俳優の松浦みるととともに「いいへんじ」を結成。以降、全ての作品の作・演出を務める。代表作に『夏眠/過眠』(第7回せんだい短編戯曲賞最終候補)や『薬をもらいにいく薬』(芸劇eyes番外編vol.3参加作品)など。現在は、杉並区・高円寺の銭湯「小杉湯」で働きながら、団体内外で演劇活動を続けている。
納葉
文学部 2017年卒
早稲田大学演劇研究会出身。小・中・高と青春時代の全てをサッカーに捧げる。ポジションは主に左サイドバック。最も憧れた選手は長友佑都。大学入学を機に俳優の道へ進む。大学卒業後、約2年のフリーランス期間を経て劇団献身に所属。現在は俳優事務所ハイエンドにも所属しており、演劇、映像問わず幅広く活動している。
奥村徹也
文化構想学部 2013年卒
脚本家、演出家、俳優。早稲田大学演劇倶楽部出身。卒業後、1年間のサラリーマン生活を経て、2014年に劇団献身を旗揚げ。2015年には7本の新作を上演するなどハイペースに活動し、着実に動員を伸ばす。2017年からはドラマやアニメなどの映像分野でも活動を開始。
2020年、脚本を手がけた映画「アルプススタンドのはしの方」がSNSを中心に話題となり、130館以上で公開。動員も3万人を超えた。