―正しく堕ちろ、幸せを見つけたいなら
公演詳細
チラシ
期間
2022/1/23(日)~2022/2/20(日)
形態
BOOTHにて映像販売
主宰
能見千秋
作・演出
柃アマネ
出演
時吉海希、齊藤真菜香、峰岸航生、吉本琉奈、鈴木千佳、古賀結夢、鳥塚隼人、岡野屋丈、平野樺香
料金
511円
販売
・本作品は前編と後編の2つのファイルをダウンロードしてご視聴いただく形となります。
・視聴時間は前後編合わせて約80分となります。
スタッフ
- 演出補佐:航生ロードショー
- 舞台監督:能見千秋
- 舞台監督補佐:佐藤祥伍
- 照明:及川晶
- 照明補佐:横山智咲、佐久間喜望
- 音響:平野樺香
- 音響補佐:小林未和、鳥塚隼人、相本レオ
- 舞台美術:能見千秋
- 舞台美術補佐:稲葉捺月
- 衣装:神庭春香
- 小道具:能見千秋、齊藤真菜香
- 楽曲:エンドウヒロト、Itsuki Miyamura
- スチール・ビジュアル撮影:土井実
- 宣伝美術:小林未和
- 映像撮影・編集:早稲田大学映画研究会
- 制作:池森香乃
- 制作補佐:小林未和、時吉海希、川元優輝
- 主催:早稲田大学演劇研究会
お問い合せ
Mail:[email protected]
稽古場インタビュー
早稲田大学演劇研究会(以下、劇研)のアトリエで行われている稽古にお邪魔し、脚本と演出を務める柃アマネさんにお話をうかがった。
柃さんは中学生頃から小説などを書き始め、脚本に挑戦したのは高校3年生の文化祭が最初。その経験から芽生えた、自分の書きたいものを書くだけではなく人を楽しませるにはどうするか、という挑戦のために昨年劇研へ入会した。

(インタビューに応じてくれた柃アマネさん。明朗な言葉選びで答えてくださった)
インタビュー当日、アトリエの扉を開けて中に入ると、劇研アトリエらしい、高さのある舞台が組み上げられており、思わず圧倒される。
稽古の進め方は非常にスマートだ。シーンを細かく切り、タイミングや間を作るプロセス、動きと合わせるプロセス、とスモールステップで着実に進み、それでいて新しいアイデアを逃さす試していく。換気休憩でさえ、蛍光灯の点灯や扉の開閉を俳優が分担し、無駄がない。
その驚きを柃さんに伝えると、持ってきた脚本に俳優が応えてくれる信頼がある、という話をしてくれた。台詞やキャラクターへの理解を俳優がしっかり持っているからこそ、演出家としての要求も細かく伝えることができるし、トライ&エラーがスムーズに進んでいく。

(インタビュー当日のアトリエ稽古の様子。完成前の舞台美術だがかなりの存在感)
インタビューでは脚本についてもうかがった。何を書くにも正しさより人への優しさを大切に書き進めるという姿勢をベースに、SFとSMを掛け合わせるという着想を走らせ、『堕落論』をはじめとする坂口安吾の思念の力も借りながら、作り上げたそうだ。舞台となるのは、試験によって能力の高低が全てあらかじめ明らかにされ、人々が「上」「下」に差別される世界。異なる階層に身を置く者たち同士の邂逅が物語を動かしていく。
最後に観客への思いを柃さんにうかがうと、「作品を100%好きになってくれるとは正直思ってなくて」と言いつつも「私達から受け取ったモヤモヤを抱え続けてほしい」、そして「モヤモヤの結果明日生きやすくなればいいな」と答えてくれた。
劇研ではスタッフ業も劇団員が担う。出演者以外の劇団員は、各々のセクションで動きながら公演を支えていく。柃さんはインタビュー中、自分だけでは及ばないスタッフワークへの感謝も熱く語ってくれた。
劇研全体の力で作り上げる映像公演、配信がとても楽しみだ。
(どらま館制作部 中西空立)