ここは、純粋な人間たちを保護する施設。
何もできないまま、院長に、大人たちに愛され続けている人間たちの居場所。
ほら、外の世界は怖いから、耳を塞いで目を閉じて。何にも知らなくて良いんだよ。
公演詳細
チラシ
期間
2022/2/9(水)~2022/2/13(日)
劇場
作・演出
それでもかわらだ
出演
田中豪、吉本琉奈、中孝太、田中優笑、はる香、大熊望友、稲葉捺月、能見千秋、桝屋大河、川合凜
料金
[当日精算のみ] 一般:1000円 学生:700円
予約
タイムテーブル
2022年2月 | ||
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9日(水) | 17:30 | |
10日(木) | 17:30 | |
11日(金) | 13:00 | 17:30 |
12日(土) | 13:00 | 17:30 |
13日(日) | 13:00 | 17:30 |
スタッフ
- 演出補佐:中孝太、田中優笑、桝屋大河
- 舞台監督:奥泉
- 舞台監督補佐:岡野屋丈
- 照明:佐久間喜望
- 照明補佐:神庭春香
- 音響:鈴木千佳
- 音響補佐:樋口立樹
- 舞台美術:奥泉
- 舞台美術補佐:稲葉捺月
- 衣装:はる香
- 小道具:能見千秋
- 映像演出:しょーろんぽー。、それでもかわらだ
- 映像操作:古賀結夢
- スチール:笠羽流雨
- ビジュアル撮影:Tetsuji Noguchi
- 配信映像撮影:安田杏、朋佳、鈴木帆奈、日隈友理
- 配信映像担当:中孝太
- 宣伝美術:それでもかわらだ
- アートワーク:内田果恋
- 音楽:清水遊
- 制作:田中優笑・時吉海希
- 制作補佐:川合凜・横山智咲
- 当日運営:時吉海希
- 当日運営補佐:横山智咲
- 当日運営補助:齊藤真菜香、谷川大吾、土井実
稽古場インタビュー
早稲田大学演劇研究会『幸福の標本』は、今年度初めての有観客公演となる。約2年ぶりとなる劇研アトリエでの公演について、脚本・演出のそれでもかわらださん(以下、かわらださん)にお話を伺った。
『幸福の標本』はもともと、2021年6月に上演を予定していたが、緊急事態宣言を受け、やむなく中止となった作品である。どうしても同じ座組みでこの作品を上演したい、というかわらださんの強い思いから今回の公演では、当時の座組みをできる限り集めたそうだ。
しかしながら、全員のスケジュールが揃うことは難しく、変わらざるを得なかったメンバーも少なくない。最初の脚本を当て書きで書いていたため、キャストの変更に合わせて脚本も変える必要が出てきたという。
「それぞれの演技の癖を活かしたいけれど、そこを重視しすぎるとまとまりが悪くなってしまったりもしてしまって。粘土を捏ね続けているようで大変です」と話すかわらださんの口調からは、制作が難航していることが窺える。半年以上の間、メンバーがそれぞれに活動してきたことで、2021年5月当時とは違った足並みの揃え方を迫られていることも、その要因であるようだ。
一方で、その個々の活動があったからこそ生まれているものもあるという。早稲田演劇サークルにおける多くの劇団員は、所属サークルの公演だけでなく、他サークルの公演にも多く参加する。加えて劇研は2021年10月に配信された新人公演以降、毎月コンスタントに作品を発表してもいるほか、学外での活動も少なくないため、各々が多様な公演を経験してきているのは確かだろう。そうした異なる場所でそれぞれが成長してきたからこそ、作品についての意見を言い合える場面が増えたそうだ。
実際、インタビュー当日に見学させていただいた稽古では、役が置かれている状況や、心境が動作とどう結びついているかなどについて、かわらださんから俳優に問いかけがあり、そこからやりとりが始まっていく様子が多く見られた。そうして互いのイメージを擦り合わせ、模索しながら、一つのシーンや動作を何度も繰り返していく。お互いが時間を経て成長したから共有できることの幅が広がったという。

(脚本・演出のそれでもかわらださん)
架空の世界の物語だけれど生々しさが感じられるような舞台を目指している、という『幸福の標本』。意気込みをお聞きすると、「観客の拍手をいい気持ちで迎えられるようにしたいです」とのことだった。
8ヶ月あまりの時間と紆余曲折を経て、ついに観客の前で上演される今作が、どのような物語を見せてくれるのか。ぜひアトリエに足を運んでいただきたい。
(どらま館制作部 冨田粥)