Drama-Kan Theatre早稲田小劇場
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特集:2021演劇サークル新人公演インタビューVol.2

2021年9月12日(日)から9月25日(土)にかけて、恒例の演劇サークル新人公演が続けて開催されます。
先日公開した「2021演劇サークル新人公演まとめ」記事に続き、今回から二回に分けて、どらま館スタッフによるインタビュー記事をアップします。

第二回は、劇団てあとろ50′劇団木霊早稲田大学演劇倶楽部にお話を伺いました!

1.劇団てあとろ50’ 48期新人試演会『青色のオリーブたち』

劇団てあとろ50′(以下、てあとろ)は1974年に創設され、今年48期となる新人を迎えて新人公演に臨む。稽古の時間をお借りして46期奥山ちひろさん、元木真珠さん、48期新人の花さん、みやたのたさんの4人にインタビューを行った。

今回の新人公演は、てあとろにとって大きな挑戦となる。これまでは旧人が担当していた脚本と演出、その他稽古の全てを新人に任せているのだ。(※注:新人に対して、元々所属していた劇団員を旧人と呼ぶ。)これは、コロナ禍の影響下てあとろでは旧人の人数が少なくなってきていることを受け、新人に稽古をして演劇をつくる楽しさや苦労を早くから知ってもらいたいという思いからだ。一方で、発声や身体づくり、スタッフワークといったテクニックの部分は旧人が手厚くサポートをして公演に向かっている。

新人に任された稽古場を動かしていくのは主に、脚本担当の花さんと演出担当のみやたさんだ。2人がこの役に選ばれたのも、新人同士での話し合いの結果だという。

左から)演出 みやたさん 脚本 花さん

花さんは、高校時代は放送部に所属しドラマの制作などに取り組んでいた。大学での活動を選ぶ中で、てあとろの演劇に出会い、入団を決めた。脚本を書くのは初めてで、その内容は稽古を受けて次々と変わっていったという。

みやたさんは、中高6年間演劇部に所属。高校時代に出会ったてあとろの公演『嵐になるまで待って』を観て、大学での演劇の場所をここに決めた。演劇部時代に経験した演出の面白さに魅せられ、今回の新人公演での演出という役職には並々ならぬ思いがあるようだ。

新人公演で上演する『青色のオリーブたち』の創作は、SNSやマスクなど隔絶した人間関係のことを想いながら始められた。当初は俳優、演出、脚本の間の齟齬に難しさを感じることもあったが、関係が深まっていくうちに次第にそうした齟齬から生まれるものも増え、作品にまとまりが出ていった。

2人がリードする稽古場は、脚本演出の一言に俳優が活発に反応するエネルギッシュな空間だった。その様子を、新人担当の旧人がそっと見守りつつ要所でのアドバイスも行っている。自由に進めながらも十分なフォローが適宜得られるという、新人にとってこれ以上ないような環境だと感じた。

その他俳優として舞台に立つ新人も各々多様なバックボーンを持つ人が集まっており、てあとろでなければ出会わなかったような10人が揃っている。花さんとみやたさんは、コロナ禍にあっても自分たちの演劇を観てくれる観客のことを想いながら、その人々を「後悔させない」、と話してくれた。その新人2人の姿とそれを見つめる旧人2人の姿とを見ると、自由さと信頼がてあとろを強くしているのだな、とわかったような気がした。

『青色のオリーブたち』は4人ずつの2チームに分かれて上演される。それぞれの違いが作品の見どころのひとつになるだろう。そして、今のてあとろが全力で作りあげた作品の、のびのびとした熱もまた見逃せないポイントだ。

(どらま館制作部 中西空立)

日時(生配信)

まるチーム→ 9/17(金)17:30~, 18(土)12:00~
かめチーム→ 9/18(土)17:30~, 19(日)13:00~

予約

https://ticket.corich.jp/apply/113937/

公演詳細

劇団てあとろ50’公式 Twitter

 

2.劇団木霊2021年新人公演『犀臨』

劇団木霊(以下、木霊)は、1953年に設立し、現在でも早稲田大学大隈講堂裏にアトリエを構える。毎年の新人公演は、劇団として行われる公演のうちの一つで(もう一つは5月ごろに行われる本公演)、新人がひと夏の成果を見せる場だ。2021年は、機械と人類が憎みあう世界を描く『犀臨(さいりん)』。そこで暮らす三人(二人と一体)の物語である。稽古が行われているアトリエに伺い、作・演出の藤枝拓磨さんにお話を伺った。

作・演出 藤枝拓磨さん

感染症対策もあり、アーカイヴ無しの生配信公演である今回は、新人に対する演出と映像に対する演出のバランスが難しい、と藤枝さんは語る。できる限り「演劇」に寄せるため、カメラは想定される客席の目線から外れないよう心がけ、劇場での上演体験に近づける工夫を模索する。一方で、だからこそカメラやマイクへの配慮が慎重になされている印象であった。

木霊内での新人公演の位置づけは独特で、作・演出を担当する藤枝さんの意向だけでなく、舞台に立つ新人ができること・やりたいこと、そして劇団として培ってきたもののあいだに成立する。稽古場には演出助手として他の劇団員が意見・提案したり、新人の困りごとを聞いている場面が多く見られた。今回出演する春名高歩さん、ホシダマサオミさん、山口卓さんの三人も、演出助手に声をかけて、早回し(台本をテンポよく読む練習)や演じるうえでの相談をアトリエの外で行っていた。このような環境だと役者をよく見る機会も自然に増え、物語もその都度変更される。「当初想定していた(物語の)終わり方も変わりました」と藤枝さんは言う。

「差別」を軸としたSF的世界の奥で、新人とそれを支える劇団全体がどのような劇を繰り広げているのかを想像するのもまた、新人公演の楽しみ方の一つだろう。

(どらま館制作部 浜田誠太郎)

日時(生配信)

9/17(金)-20(月) 各日17:00~

予約

https://ticket.corich.jp/apply/113917/

公演詳細

劇団木霊公式 Twitter

 

3.早稲田大学演劇倶楽部第36期新人公演『詳しくは明日の××で!』

早稲田大学演劇倶楽部(以下、エンクラ)は1985年設立、劇団として動く公演はほとんどなく、各自が自由に活動する。その中で唯一定例で行われている公演が新人公演だ。夏に基礎を叩き込まれた新人たちが本気をぶつける舞台である。

今年度の第36期新人公演は『詳しくは明日の××で!』。文字化けではなく「××」の中身は隠されている。スキャンダルのあった女優の付き人とそれを追う記者、それぞれを乗せるタクシー運転手が織りなすドタバタ劇である。演出のひとりである瀧口さくらさんにお話を伺った。

主宰・演出 瀧口さくらさん

新人公演のつくられ方は団体により様々だが、一般的なパターンとしては先輩が脚本や演出を担当し、新人は出演者である場合か、作・演出含めすべてを新人が担当する場合が──少なくとも早稲田大学周辺の演劇団体では──多い(もちろん入団した人数や主導する人たちなどの状況によって変化はあるだろうが)。一方でエンクラの上演台本のつくられ方は独特だ。

まずは新人(今回は出演者の一人である中野治香さん)が設定を提案し、それをもとに先輩たちが大まかなプロットを描く。それに出演者である新人が具体的なセリフや動き──これは筋とは必ずしも関係していなくてもよい──を肉付けしていく。そのようにして稽古場に持ち込まれたアイデアを演出が精査し、上演台本に書き直していく。毎稽古、出演者・演出によってさまざまに肉付けが変化するジェットコースターのような稽古場であった。

取材に伺ったタイミングではおおむね上演台本が完成しており、細かな演技・演出の稽古に移りつつあったが、明日にはまた変化しているのかもしれない。様々にもまれて作り上げられた上演のエネルギーを本番では感じていただきたい。

(どらま館制作部 浜田誠太郎)

日時(時間限定配信)

9/25(土)17:00-21:00

9/26(日)12:00-15:00

予約

https://ticket.corich.jp/apply/114093/

詳細

早稲田大学演劇倶楽部公式 Twitter

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