はじめに 自己紹介
伊藤鴎
どらま館談話室の企画を担当します、どらま館制作部の伊藤鴎です。よろしくお願いします。
高本彩恵
高本彩恵です。お願いします。
伊藤鴎
じゃあ、どらま館談話室をやろうということで、やる側の人のことがわかるように、担当のふたりでなんで談話室をやろうと思ったか話していこうと思うんですが、
高本彩恵
はい。
どらま館談話室を企画した経緯
伊藤鴎
現在、大学の授業はオンラインでおこなわれてて、サークル活動もできない状況がずっと続いてまして、大学入学を機に新しい土地に引っ越してきた新入生や、あるいは、今年度からなにか新しいことにチャレンジしようと思ってた上級生のみなさんにとってはなかなか寂しい生活の最中ですよね、きっと。
高本彩恵
そうですね。私も全然、大学も行ってないし、人とも会う機会がないので。でも特に、新入生は大変だろうなと思います。
伊藤鴎
なんか、大学ってもちろん勉強する場所ではあると思うんですけど、実際の授業なら授業で、その時間で学ぶものプラスアルファの、たわいもない先生との雑談とか、友達とプリント貸しあったりとか、そういう些細なやりとりっていうのが、結構、新入生入学したての頃って特に孤独を埋めてくれると思うんですけど、高本さんが新入生として入学してきたときはどうでしたか。
高本彩恵
そうですね。私は、クラスとかいうのがあんまりなくて、週2回くらいしかなかったんですけど、でも授業で、特に英語とかわけがわかんなくて、その時に隣の人に相談したりとか、課題のこと聞いたりとかしてたし、
伊藤鴎
うんうん。
高本彩恵
それこそ授業だけじゃなくて、サークルのこととか、体験に行った時に知り合った子と他のとこも回ってみて相談したりとか、みたいなことはあったから、入学して、なにもわかんない状態で、土地も違うところに来て、っていう時にはそれがやっぱり大きかったなって思います。
伊藤鴎
新歓の時期にしか友達じゃなかった友達とか、最初ライン交換して今は連絡とってないけど、でも当時はすごくその子の存在が救いだったみたいな人とか、今思い返すといるなあと。
高本彩恵
うんうん。
伊藤鴎
だから、そういうものに、そっくり代わるってわけではないですけど、普段の授業とか、サークルも今オンラインとかで活動してるところもあるとは思うんですけど、ほんとに必要な情報を必要な時間にっていう側面が強くて、ただ雑談ができる居場所みたいなものって、意外と作るの、出会うの、難しいんじゃないかなっていうことで、
高本彩恵
うん。
伊藤鴎
早稲田で演劇をやりたい、サークルに入りたいって思ってる新入生、上級生の方もですけど、今年度から始めようと思ってたみなさん、もしくは早稲田大学で演劇の勉強、演劇映像とか、表象メディアとかで演劇を勉強したいなと思ってる人たちにとって、そういう、たわいもないお話ができる「居場所」が作れたら嬉しいなということで、談話室というものをやっていきたいと思ってるところですよね。
高本彩恵
そうですね。やっぱりなんかオンラインとかでサークルのとかに急に入るのってすごい勇気がいると思うんですよ。
伊藤鴎
そうなんですよね。
高本彩恵
なんかその前にやっぱり仲間というか、ある程度関係ができてて、話ができる人とかがいて入らないと、急に一人で飛び込むのってちょっと怖いなって思って。
伊藤鴎
対面でも、新歓の時期の、先輩にサークルの新歓ブースに連れてかれて、見ず知らずの人から「うちのサークルどう?」って言われて、怖いなあ、みたいなのってただでさえあったと思うんですよ。それがオンラインってなったら、より匿名性にフィルターがかかるというか、レイヤーが増える感じがあって、すごい、今の新入生の人は、たいそう、たいそう頑張ってらっしゃるな色々、っていう、印象ですね。
高本彩恵
笑
新歓時期のこと、サークル選びについて
伊藤鴎
サークルは最初どこか入ったりしました?
高本彩恵
サークルは考えてて、色々演劇は見に行ったり、説明会とかもいくつか行ったりとかしてたんですけど、やっぱりなんか結構大変そうというか、なんか早稲田の演劇すごい!みたいな、すごいガチみたいな印象あったから、それに怯えて踏み切れなかったみたいな感じで。
伊藤鴎
みんな堺雅人になりたくて来る、みたいな笑
高本彩恵
笑 でもなんかそんな感じに見えたというか、新人訓練とかもあって、わたし絶対夏休みとか地元帰りたいと思ってたから笑。じゃあ大学生活の方優先で、サークルはとりあえずまあいいか……って思って入らなかったんですけど。
伊藤鴎
わたしはサークル入ったのが大学2年生から、まあ演劇を始めたのが2年生からで、大学1年の時は大学生活慣れるのに精一杯で、しかもちょっと安定した将来を歩みたいと思って、今演劇とかやったら……って思って我慢してたんですけど、1年生の間は。
高本彩恵
うんうん。
伊藤鴎
でも、大学2年の時に、まあ、ちょっとやってみて、辞めるとかだったらぎりぎり今かな、みたいなノリで始めたら、結局今まで続いてしまっているんですけど…笑
高本彩恵
笑
伊藤鴎
でも、それくらい大学1年生の時って、履修登録とか、初めて住む家で色々手続きと関係か、冷蔵庫まだ届かないとか笑、そういう生活だけでも精一杯で、サークルっていうところまで、わたしはちょっと考えられなかったから。
高本彩恵
わかります。わたしもそういう感じでした。やっぱり1年の時余裕なさすぎてサークル入るところまで踏み込めなかったのにはやっぱりそういう理由もあったから。ちょっと準備できなくて。
伊藤鴎
うんうん。
高本彩恵
私は、演劇はちっちゃいころから地元でやってたんですけど、大学入って色々サークル見た上で、授業で演劇にふれる機会も色々あるから、とりあえず座学にの方に専念して、あんまり演劇の活動の方にはのめり込まない方がいいかもしれないな、と思って。でも、2年になったらやりたくなってきちゃって、で、今結局のめりこんじゃってるよなあって感じになってます。
伊藤と高本の演劇活動
伊藤鴎
高本さんは劇団あはひっていうところで演劇の活動をしてると思うんですけど、どういった形で組まれたんですか。
高本彩恵
最初はTwitter見て、大学の同級生が劇団立ち上げたって知って。そしたら同じキャンパスの人たちだったから、授業とかでもよく顔合わせるようになって。なにかあったら手伝わせてくださいって言ってたら、旗揚げ公演の時にオーディション来たらみたいに言われて、それで参加して、みたいな感じですかね。
伊藤鴎
なるほど。
高本彩恵
旗揚げ公演の時から、運営面とか、みんな手探りだったので、そのときに私が地元で演劇やって学んできたことを思い出して手伝ったりしてたら、運営の方が面白くなってきて、今はそっち(制作)をメインでやってるんですけど。
伊藤鴎
初めて知りました。そんな歴史があったんですね。
高本彩恵
はい。
伊藤鴎
同級生にオーディション来てって言えるのが、素敵な関係性だなって思って。結構ちゃんと演劇やろうと思って、あー、ちょっと思ってたのと違った!みたいな人が来ちゃったら困るから笑
高本彩恵
鴎さんは、サークル入ってそのあと自分で立ち上げてって感じなんですか?
伊藤鴎
そうですね、入る前から、俳優に関心はあったけど、演出家にも憧れはあって、まあ入ってみてどんな感じか、みたいな気持ちで入ってみて。
高本彩恵
うんうん。
伊藤鴎
私は、演劇倶楽部っていうところに入ってるんですけど、演劇倶楽部の新人訓練・新人公演っていうのは俳優の仕事をみんながやるんですよね。そこで俳優としてやってみて、俳優も楽しいけど演出もチャレンジしてみたいな、ってことで、早稲田大学の学生会館で最初公演をうって、それが終わった後に、こういうのもっとやりたいなと思って、自分のユニットを立ち上げたっていう感じですかね。
高本彩恵
すごいなあ。
伊藤鴎
笑
高本彩恵
なんかサークルの人たちっていろんな役割に挑戦できて、そこから自分たちのやりたい方向に進んでるようなイメージがあってそれがいいなあって思って。
伊藤鴎
あーそうですね。演劇倶楽部は、劇団ではないから、割と個人主義で、俳優だけやりたい、演出だけやりたい、スタッフだけやりたい、とか。だから組織として動かすためにセクションを持ってるサークルではないんですよね。
高本彩恵
なるほど。
伊藤鴎
だから、他の「劇団」でやってるサークルは、劇団を運営していかなきゃいけないから、舞台監督とか、美術さん、制作さん、照明さん、音響さんっていう、それぞれの職人スキルを持ってる人が多いんですけど、そういうスタッフも経験しながら俳優もやって、っていう人が揃ってるのはすごいなあって思ったりしてます。
じぶんの興味が湧くものを見つけられる場所に
伊藤鴎
まあこの談話室っていう場所は、そういう雑談とか、たわいもない演劇にまつわる話とか、どういうサークル入りたいかとかどんな演劇が好きなのかっていう話ができる場所としてあれたらいいなあって思うんですけど、
高本彩恵
はい。
伊藤鴎
そこから、一緒に舞台作品・映像作品を鑑賞してみるとか、戯曲を読み合わせてみるとか、そういう、本来この時期にあるはずだった新歓ワークショップとか、それにちょっと代わるような場所としても、談話室がお役に立てたらいいなと思っている次第ですけれども、高本さん的にはそのあたりいかがですか?
高本彩恵
そうですね、前、鴎さんが、みんなで舞台とか映像とか見て話すことで、そのなかで自分の興味がわかっていくんじゃないか、みたいなことを言ってたのが確かにそうだなあと思っていて、人と話してみると、私は違うなとか、自分はこういうのに興味があるんだとか、結構気づくことがあると思います。そういう場所がなかなか今ないから、そういうきっかけなったらいいなあと思います。
伊藤鴎
高本さんは同級生と一緒に今演劇をやっているっていう人ですけど、私の場合は、サークル選びっていうところから、演劇人生的なものがスタートしていて、6個、7個早稲田には演劇サークルがあるので、まずどこに入ろうというところでお試し稽古とかーワクショップとか回ってみて、自分に合う雰囲気のところはあるかっていう、
高本彩恵
うんうん。
伊藤鴎
いろいろ回ってると、この人前にも会ったなっていう人がいたりとか、その日だけとかでも仲良くなった人っていて、その人たちと違うサークルに入っても、そのあと一緒に作品を作ることがすごくあって、自分の劇団の舞台に客演で出てもらうとか、その逆もしかりで、新歓前の友達作りって結構そういうところでも、可能性が広がるなと思って。いま高本さんの話を聞いてて思い出しました。
高本彩恵
いいですね、それは。私は演劇のサークルには入らなかったので、つながりもあまりなかったから、今になってだんだん2年3年4年ってなっていくうちにいろんな演劇サークルの人だったり、同じような興味がある人とかとのつながりも出てきてはいるけど、それが最初のうちにできてたらよかったなあっていうのはちょっとあるかも。
伊藤鴎
まあでも、そこで入らないっていう選択もまた、自分の興味がどういうところにあるのかっていうのをその時点で一回見出すっていうことなので、
高本彩恵
あ、そうですね、確かに。
伊藤鴎
どこに入るかっていうのも自分がその時どういうことをやりたいかとか自分がどういう人なのかっていう見極めだし、一旦サークルに入らないで勉強しようっていうのもその時の自分がやりたいことをちゃんとそのタイミングで自分で見つけるっていうことなので、そういうのがひとつ手助けできる場所になれたらいいですね。
高本彩恵
はい、気軽にやりとりできる、そんな場所にしたいですね。
企画担当者プロフィール
伊藤鴎
所属:早稲田大学演劇倶楽部32期 / 凹o(@Oo0o0u)
主な過去作品:凹o『音楽』(作・演出)
山本伊等『配置された落下』(出演)
高本彩恵
所属:劇団あはひ(@gekidan_awai)
出身:熊本県
大学での研究テーマ:戯曲や上演映像について
趣味:観劇、古本屋巡り