企画について
近頃「ハラスメント」という言葉を、演劇の創作現場でよく耳にするようになりました。その流れは、学生演劇の稽古場にも表れています。
これ言っていいのかな?これはハラスメントじゃないかな?空気を崩しそうで上手く言えない…みんなは気にしていないけど、私が目撃した、あの行動は傷ついてる人がいたんじゃないか?本番間近で時間がなくて、役者に怒鳴ってしまった。ハラスメントかもと気になるけど、確認してる時間がないよ…
「ハラスメント」という言葉だけが一人歩きして、生まれている不安や心配、逆に「ハラスメント」かもと気になっているのに確認できないモヤモヤを抱えてはいませんか?
学生演劇の場では、大人のようにお金をかけて外部の仕組みを創作に組み込むことも、見ず知らずの専門家に相談することも、難しいかと思います。
そんな不安や心配、モヤモヤ、気になりを抱えている人のために、どらま館ではこの度「風通しの良い稽古場のためのハラスメント防止研修」を開催します。
当日は、合同会社syuz’genの植松侑子さんをお招きして、講習を行っていただきます。稽古場などでどういった問題が起こっているか/起こりそうか、それをどう防いだらいいか、この機会を通じて一緒に考えて学んでいければと思います。
どんなお悩みや相談でも結構です。自分の持つ知識や価値観をアップデートしたい方、気になることや相談したいことがある方、何から気にしたらいいのか学びたい方、ぜひご参加ください。
サークルで演劇を作る上で、避けて通れない話題かと思います。私には関係ない、そう思っている方にこそ、もしかしたら明日、「ハラスメント」の加害者や被害者、傍観者として、事態に巻き込まれるかもしれません。
脚本、演出、俳優、技術スタッフなど役割を問わず、ぜひ多くの方にご参加いただきたいと思っています。
どらま館制作部・小島
企画概要
主催
早稲田小劇場どらま館
日時
2024/7/7(日) 13:00-17:00
会場
早稲田大学構内(応募者に追ってご連絡します)
対象
現在、早稲田大学の演劇サークルに所属している方(他大生も含む)
または企画内容に関心のある早大生の方
定員
30名程度(先着順)
参加における注意点
本イベントは以下のグランドルールに従って運営します。参加の前にご一読ください。
https://drive.google.com/file/d/10_0aCfteIVBIs2W_6YIcYqglhNMzlHa-/view?usp=share_link
参加申し込み
グーグルフォーム https://forms.gle/W7Q5doPu2VUU2nYF9
本イベントは終了いたしました。
講師
植松侑子(合同会社syuz’gen/上級ハラスメント対策アドバイザー)
お茶の水女子大学 文教育学部 芸術・表現行動学科舞踊教育学コース卒業。在学中より複数のダンス公演に制作アシスタントとして参加。卒業後はダンスカンパニー制作、一般企業での勤務、海外放浪を経て、2008年からフェスティバル/トーキョー制作。2012年からは1年間韓国・ソウルに留学。帰国後はフリーランスの制作としてさまざまな劇場・組織・劇団と協働。2015年6月~舞台芸術のアートマネジメント専門職に向けた人材育成と雇用環境整備のための中間支援組織「特定非営利活動法人Explat」理事長。2016年7月~合同会社syuz’gen代表社員。
開催当日の様子
約3時間の研修は大きく分けて、①各種ハラスメントの理解②各種ハラスメントの防ぎ方③参加者同士のディスカッションの3部構成で進められました。
まず冒頭で、ハラスメントによる負の効果やハラスメント研修の意義を確認し、続けてハラスメント(パワハラ・セクハラ・モラハラ・SOGIハラ)の判断基準を学びました。
休憩のあと、「心理的安全性」「双方向のコミュニケーション」などハラスメントを防ぐうえで重要な諸概念を、ひとつひとつ確認していきました。
最後に、「ハラスメントを恐れ何もやらない」という稽古場での事案を想像しながら、演出家/俳優/その場にいる第三者のそれぞれの視点で何ができるか、ここまでに学んだことを踏まえながら参加者同士でディスカッションを行いました。
開催直前の会場にはやや緊張した雰囲気もありましたが、講師の植松さんの巧みな雰囲気づくりもあり、次第にほぐれていきました。全体として、参加者の皆さんが強く関心を持って内容を掴もうとしている様子が印象的でした。
ご参加いただいた37名の方と、講師の植松さんへ、改めて感謝を申し上げます。ありがとうございました!
(どらま館制作部:中西)