早稲田大学高等学院長
早稲田大学高等学院では、1999年に新制高校としての創立50周年を迎えたのを機に、課題発見・解決型の教育を中心に据え、21世紀を担う人材の育成を目指してきました。
生徒の自主性を重んじる校風や、大学と接続した教育環境を生かし、高校3年次の卒業論文指導や部活動、有志生徒の研究活動においては、生徒を自立したひとりの研究者として接しています。教員・生徒がぶつかり合いながらオープンエンドな課題に取り組むことで、卒業後も異質の集団の中でリーダーシップを発揮することができるようになることを期待しています。
特に2006年からの12年間においては、文部科学省のスーパーサイエンスハイスクールの研究開発指定校として、生徒の研究能力の育成を進めて参りました。指定期間中におけるスーパーサイエンスハイスクール活動へのご指導、ご支援に心より感謝申し上げます。
2017年度経過措置期間終了をもって、12年間にわたるSSH指定は終了いたしました。これまでの研究開発の成果と、賜りました御指導・御助言を踏まえ、高等学院では今後の理数教育を以下のように進め、さらなる発展を目指して参ります。
なお、これまでの活動は、高等学院スーパーサイエンスハイスクールの旧ウェブサイトでご覧いただけます。
高等学院における今後の理数教育の方針
中学・高校の理数系授業にアクティブラーニングの手法や分野融合の方向性を取り入れ、当該分野の基礎的学習を深めると共に、生徒が常に主体的に学ぶことのできる環境づくりを進める。また、課題研究の「動機づけ」「課題の設定」「基礎的スキルの育成」等の段階的な指導を学年に応じて行う。
高校の総合的学習の時間において、卒業論文のテーマ設定、研究計画、研究の実施、論文の作成、ポスター発表の指導、口頭発表の指導を行う。
理数系部活動(高校理科部物理班・化学班・生物班・地学班、コンピュータ研究部、および中学理科部)において、課題研究の取り組みや科学技術コンテストへの挑戦、野外活動への参加を促す。
生徒の自主的な研究を促す「同窓会奨励研究制度」(生徒の研究計画書を審査し、研究費を支給する仕組み)を利用した研究をより活性化させ、科学研究の裾野を広げる。