場所:戸山図書館
期間:2019/1/18~2019/2/9(予定)
※展示資料、入れ替えました。(2019/1/30)
冬休みが終わりましたが、みなさん、お正月はゆっくり過ごせましたでしょうか。
少し前までお正月遊びの定番と言えば、凧揚げ、羽根つき、福笑い、そして双六でした。雑誌の年末の付録が双六だった、という記憶のある人もいるでしょう。近頃ではすっかり見かけなくなった双六、もともとは「盤双六」と呼ばれる、現在、バックギャモンとして知られている遊びでした。正倉院宝物にも遺されており、『日本書紀』に「禁断双六」の記事があるほど古くに伝来し、また盛んに行われていましたが、徐々に廃れてゆき19世紀初め頃にはほとんど行われなくなったと言われています。
今日、よく知られている、大きめの紙に様々な絵が描き込まれた双六は「絵双六」と呼ばれ、江戸時代に発達したものです。サイコロを振って、「振り出し」から「上がり」まで先に辿り着いた人が勝ち、決まった道順に従って進む「回り双六」だけでなく、出た目によってコマからコマに飛ぶ「飛び双六」も登場しました。お正月の遊びとして定着したのも、この時代です。
絵双六は仏法の教えを伝える「浄土双六」からはじまったと言われますが、その後、歌舞伎役者を描いた「芝居双六」、官職の出世事情を捉えた「官位双六」などが登場します。東海道五十三次を題材にした「道中双六」も人気でした。近代に入り、鮮やかな錦絵の双六や時代を風刺した内容のものまで多様な作品が登場します。そして昭和という時代を通じて、その時々の流行や文化を象徴するような作品が子どもたちを中心に楽しませました。
今回は、戸山図書館が所蔵する絵双六を展示します。展示ケースだけでなく、額装して、各階の踊り場にもかけました。子どもの遊びとは言え―或いはだからこそ―いずれの資料も時代の雰囲気を色濃く映し出しています。平成が終わる年の初め、過去に何が「上がり」とされてきたのか、ぜひ感じてください。
戸山図書館
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