国際日本学拠点の主催によって、2024年1月12・13日に日仏シンポジウム「病とその表象」を対面で開催しました。これは、本学の協定校であるストラスブール大学との学術交流の一環として、ストラスブール大学から4名の研究者を早稲田に招き、さらにリモートで登壇した2名の参加を得て、実施されたものです。早稲田側からは教員・大学院生合わせて11名が登壇しました。登壇者のほかにのべ34名の方から聴講の申し込みを頂きました。
当初は2020年度に予定されていたものの、コロナ禍によって延期に次ぐ延期を強いられていたのが、3年遅れでようやく実現に漕ぎ着けることができました。開催にあたって協力・支援を賜った関係各位、とりわけ助成を頂いた笹川日仏財団、そして登壇者・聴衆の皆さんにお礼申し上げます。
1月12日は午前中に分科会I「演劇・舞踊」(座長:藤井慎太郎)、午後に竹本幹夫本学名誉教授による基調講演「能と病」、続いて分科会II「文化」(座長:竹本幹夫)、分科会III「文学・アニメーション映画」、1月13日は午前中に分科会IV「歌舞伎」(座長:児玉竜一)、午後に分科会V「フランス文学・文化」(座長:オディール・デュスッド)、分科会VI「フランス演劇」(座長:藤井慎太郎)を開催しました。
本シンポジウムは、フラットな議論を重視したワークショップに近いものとして企画されました。報告者によるプレゼンテーションに続いて、活発な質疑応答・議論が交わされ、両日とも予定終了時刻を1時間ほどオーバーするほど熱のこもった議論が交わされました。会場の26号館地下多目的講義室が、80名収容ながら密度の濃い議論に適していたことも幸いしました。日本語・フランス語・英語を使用言語とした点でもユニークな催しでしたが、逐次通訳(パトリック・ドゥ・ヴォス東京大学名誉教授、渡辺響子明治大学教授、および不肖藤井慎太郎)を日仏語間に限ったこともあって、効率的な時間の活用が可能になったように思われます。また、クラウド経由で資料を配布することで、チラシやレジュメなどの紙の印刷物を廃止できたことも誇れる点です。参加者の満足度も高く、シンポジウム終了後に盃を交わしながら、再会を誓ってお別れしました。
なお、日仏英三言語の報告集をこれから年度末までに刊行する予定です。
(文責:藤井慎太郎)
開催詳細
日時: 2024年1月12日(金)10:00-18:30・13日(土)10:00-18:00
各日プログラムはこちらをご覧ください。
会場: 早稲田大学 早稲田(本部)キャンパス 26号館地下1階 多目的講義室
対象: 学生・教員・一般
参加費: 無料
使用言語: 日本語、フランス語、英語(通訳あり)
主催:スーパーグローバル大学創成支援事業 早稲田大学国際日本学拠点
共催:早稲田大学演劇博物館 演劇映像学連携研究拠点、ストラスブール大学
助成:笹川日仏財団