SGU実証政治経済学拠点では渡航制限措置の緩和を受けて海外留学を志す政治経済学分野の大学院学生に対して渡航支援を復活しています。2022年度秋学期にオランダのアムステルダム大学、ティルブルフ大学で学ぶ2名の学生より中間報告が届きましたのでご紹介します。
ティルブルフ大学 経済学研究科修士課程1年 倉田怜於
現在大学院経済学研究科修士課程1年に所属している倉田怜於と申します。2022年8月にSGU拠点の支援を受けてオランダに渡航し、QTEMプログラムを通じた1セメスターの留学をしています。
当プログラムに参加した動機は,数理的スキルの習得と英語力向上です。ティルブルフ大学は、経済学分野で著名な国立大学です。加えてオランダでは英語がかなり通じるということで、目的に適った留学先だと判断しました。
渡航までの準備期間はあまり長くなかったのですが、事務所の方のサポートもあり間に合わせることができました。
出国時,日本はまだまだコロナ禍という雰囲気でしたが、オランダは完全にアフターコロナでした。新歓イベント「TOP Week」では、連日連夜パーティーが開催され、誰もマスクをしておらず、当時の自分にとっては異様な光景でした。

TOP WEEK 新歓イベント

TOP WEEK 筆者右端
授業は5つ履修しています。
・Microeconometrics 3
・Panel Data Analysis of Microec.Decisions
・The Psychology of Economics
・Sem.Eco.&Psych.of Soc.Norms&Strat.Behav.
・Business Analytics and Emerging Trends

大学キャンパス
クラスの規模が平均的に大きく、事前課題が大量にあるのが印象的です。定期的なレポートはグループワークが推奨されることが多く、クラスメイトと協力して取り組んでいます。
MicroeconometricsやPanal Dataの授業ではボリュームの大きい課題が出され大変ですが、TAからの添削も受けられます。(画像1)
The Psychology of Economics ではグループで科学論文をブログ形式にまとめるBlog_postという課題がありました。(画像2)
現地での生活は、シェアハウス・自炊生活・自転車30分通学と個人的に新体験が目白押しです。実は寮に申し込めず、また家不足ということもあり自力で見つけきれませんでした。そこで大学側からオファーされたシェアハウスに住んでいます。ハウスメートは現在3人で、イタリア人とブラジル人です。エリアには他にも約30名の交換留学生が住んでおり、パーティなどを通して交流をしています。食事は基本自炊です。円安が深刻で、物価がヨーロッパ内でも特に高いのでなかなか大変ですが、幸い仲間に恵まれ充実した日々を過ごせています。
アムステルダム大学 経済学研究科修士2年 藤岡孝輔
経済学研究科修士課程の藤岡孝輔です。
学部の頃から語学力を高めるためにも長期留学の必要性を感じていたと共に、QTEM プログラムの実証分析手法に特化したカリキュラムが組まれている点に魅力を感じたため、今回参加を決意しました。
留学先で受け身にならないためにも、英語と統計学•計量経済学の基礎的な部分は渡航前から自身の研究と同時並行で学んでいました。私がプログラムに出願した当初はコロナウイルスの感染状況があまり芳しくありませんでしたが、現在も安全とまでは言い切れないものの、ほぼ不自由なく過ごせています。
私が現在通うアムステルダム大学では、大講義の Lecture と少人数で問題演習やディスカッションなどを行うTutorial の二種類の形式がいずれの授業にも設けられており、きめ細やかな学習機会が提供されています。また、周りの学生も学習意欲が非常に高く日々刺激を受けています。アムステルダム大学は一学期が 3 ブロックに分割されているため、既に期末テストをいくつか受けていますが、いずれも非常に作り込まれた難しいもので、今後も気を緩めずに学ばねばと気を引き締めております。

時々信じられないほど荘厳な場所で講義が行われます。

アムステルダムの景色です。日本とは全然違います。

定期的に寮のみんなでご飯を作ります。
他方で、日常生活においては日々アムステルダムの美しい風景に感銘を受けつつ、概ね快適に過ごせております。オランダは近頃の円安も相まって物価が非常に高く、そのため基本的に外食は控えて自炊をしているのですが、寮の共同キッチンで同じ階の友人とご飯を作るのが一つの楽しみです。
留学は語学力やコミュニケション能力だけでなく、自炊をはじめとする DIY の精神が大切だということを日々実感しています。今後も限られた時間を大切にしながら身のある留学生活を送りたいと思います。