早稲田大学スーパーグローバル大学創成支援事業 実証政治経済学拠点では、2021年11月から2022年1月にかけて「Waseda-Essex Scientific PoliSci/IR Collaboration and Exchange(WE-SPICE)」と題して6回シリーズのオンラインイベントを実施しました。政治学分野で英国のトップスクールであるエセックス大学と早稲田大学の研究者が互いに刺激を与え合うという趣旨のもと、大学院生から若手教員、そして大規模プロジェクトを率いる教授クラスの参加者までもが、まだ刊行されていない論文を持ち寄って、各回のテーマについて討論し合う場となりました。
具体的には、世論研究におけるフェイクニュースへの反応や、いわゆる右傾化の研究につながる論点、テロリズムをめぐるフィールド実験、国際政治経済学分野の銀行規制と為替の問題、ひいてはオーケストラの演目に着目した広報外交といったように、政治行動論、比較政治学、政治経済学、国際関係論など幅広いテーマについて熱心なディスカッションが行われ、大変有意義なイベントになりました。
エセックス大学側の世話役を務めたHan Dorussen教授は、「こういったイベントが2018年のように対面で実施できないことは残念であったが、とても濃密な60分×6回のワークショップになった」との感想を最終回で述べました。このように成功裏に実施できたことを踏まえ、今後も継続していくことで双方の意見が一致しており、WE-SPICE2022、さらには同2023といった形でシリーズ化されていくことが期待されています。
WE-SPICE 2021

コーディネーター:Han Dorussen教授(エセックス大学)、多湖 淳 教授(早稲田大学)
第1回:Nov. 30, 2021
“Peacekeeping, aid and violence: the integrated effect of humanitarian aid and UN peacekeeping”
第2回:Dec. 7, 2021
“How populist attitude scales fail to capture support for populists in power”
第3回:Dec.14, 2021
“Extremist Militant Groups and the Provision of Justice: Experimental Evidence from South Central Somalia”
第4回:Jan. 11, 2022
“How does war affect cultural tolerance? Evidence from concert programs, 1900–1960”
第5回:Jan. 18, 2022
“A Third-Generation Framework: Reconsidering the Relationship between Central Bank Independence and Fixed Exchange Rates”
第6回:Jan. 25, 2022
“Inside a Black Box: The Political Economy of Central Banking in Autocracies”
参加学生の声
「世界の第一線で活躍されている政治学者の最新の研究を知ることができて、勉強になりました」
「早稲田とEssexの一流の政治学者が揃い、穏やかな雰囲気ながらも活発な議論がかわされていて、とても楽しく聴講させていただきました」
「フロアからの質問も多く上がるアットホームな雰囲気で毎回楽しみでした」
「Essex大学と提携している早稲田の凄みを実感しました」
「大学、国を越えた学者同士が最新の研究について議論できるとても貴重な機会でした」
「理論や実証研究で使用するモデルについての意見など、研究動向を踏まえた活発な議論があり、大変勉強になりました」
「大学を越えたネットワークの強さを実感しました」