2021年12月2日、早稲田大学スーパーグローバル大学創成支援事業 実証政治経済学拠点では、ブラウン大学のRobert Blair准教授による「Peacekeeping, Policing, and the Rule of Law after Civil War」と題したワークショップを開催しました。
Blair准教授は、ケンブリッジ大学出版会から出版された同氏の著書『Peacekeeping, Policing, and the Rule of Law after Civil War』をもとに、特にリベリアにおける国連平和維持活動の警察支援に着目し、法の支配の提供かつそれを民衆が受け入れる条件について議論した最新の実証研究をご紹介下さいました。
リスト実験や操作変数法といったバイアス除去や因果推論における方法を駆使して多面的にデータの裏付けを得るBlair助教授の研究姿勢は、特に先端的な政治学研究論文を発表していこうとする学生にとってきわめて有益な指針となりました。
発表後には大学院生をはじめとする参加者から多くの質問が寄せられ、活発な質疑応答が行われました。今回のワークショップは、本学の学生にとって国連平和維持活動分野で著名なBlair助教授の指導を直接享受できる大変貴重な機会となりました。
「Robert Blair 先生のワークショップに参加して」
菊池 柾慶 (KIKUCHI, Masanori)
政治学研究科博士後期課程1年
今回のワークショップでは、Robert Blair先生の著書「Peacekeeping, Policing, and the Rule of Law after Civil War」より、PKOの活動が法による支配(Rule of Law)の定着にもたらす効果を論じた研究をご報告いただいた。研究者の間でも意見の分かれているPKOの帰結に関して、様々なデータと計量的手法を組み合わせて頑健なエビデンスを提示する姿勢に非常に感銘を受け、とても学びの多い90分であった。発表頂いたBlair先生と、本ワークショップの企画・運営に携わった先生方・実証政治経済学拠点に感謝申し上げたい。