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交換留学レポート:ルーヴァン・カトリック大学(ベルギー)【第1回】

2019年10月18日~2019年11月18日, スポーツ科学研究科博士後期課程の藤平 杏子さんがスーパーグローバル大学創成支援事業による支援を受け、ルーヴァン・カトリック大学に留学し、筋生物学を専門とするKatrien Koppo教授を訪問し、実験に参加しました。

以下は藤平さんによるレポートです。

2019 Top Global University Project
Health Promotion: The Joy of Sports and Exercise
Graduate Students Academic Travel Support

帰国報告書

早稲田大学 スポーツ科学研究科
博士後期課程 藤平 杏子
渡航先: ルーヴァン・カトリック大学,ベルギー
渡航先での指導教員: Katrien Koppo教授

Ⅰ. 海外派遣制度について

渡航大学および学会開催地

私は、2019年10月18日から2019年11月18日まで、スーパーグローバル大学プログラムを通じ、交換留学生としてルーヴァン・カトリック大学のKatrien Koppo教授の研究室を訪問した。その後、2019年10月19日から英国のレスターで行われた英国最大のスポーツ科学学会であるBritish Association of Sports and Exercise Sciences Conference 2019に参加し、研究成果を発表した。この帰国報告書でベルギーおよび英国で過ごした1ヶ月の渡航について述べたいと思う。

Ⅱ. ルーヴァン・カトリック大学について

ルーヴァン・カトリック大学は、ベルギーの首都であるブリュッセルから電車で20分の、ルーヴァンという都市に位置し、ヨーロッパでもっとも古い大学の一つである。2019年のQSランキングでは、スポーツ関連科目において11位を獲得しており、運動と健康、リハビリテーション、理学療法、体育、スポーツ、パフォーマンスの分野で世界を牽引している。ルーヴァン大学には、スポーツホールや屋内陸上競技場などのトップレベルのアスリートやスポーツチームのための施設が揃っている。Department of Movement Sciencesのオフィスは、ルーヴァンの中心地から自転車で10分ほどのTervuursevestという地域に位置している。

Ⅲ. ルーヴァン・カトリック大学の研究

抗原抗体反応を用いたタンパクの測定

私はルーヴァン・カトリック大学において、筋生物学を専門とするKatrien Koppo教授の研究室を訪問し、実験に参加した。実験では博士課程の学生であるSebastiaanの協力を得て、抗原抗体反応を用いたタンパクの測定や、電気泳動法を用いた筋肉サンプルのタンパク測定、コハク酸脱水素酵素を用いた筋肉サンプル内のミトコンドリア測定に参加した。Katrien Koppo教授の研究室では、日本のスポーツ科学の分野では珍しい、筋細胞の生体組織採取を行っており、ヒトの筋組織を用いた電気泳動法およびミトコンドリア測定を初めて経験することができた。電気泳動法試験は通常、測定項目を一つずつ測定する抗原抗体反応試験と異なり、複数の測定項目を一度に測定できるという利点を持つ。一方、一回の測定には準備を含めて3日ほどかかる根気のいる実験である。またミトコンドリア測定では、被験者から採取した筋組織を裁断し、コハク酸脱水素酵素を用いて染色したものを、電子顕微鏡を用いて測定することで、実験の介入によって、どれだけミトコンドリアが増加したかを測定することができる。

また、11月初旬には研究ミーティングとして、自身が博士課程で実施した研究の紹介をさせて頂いた。研究の内容は「運動後の食欲を増加させる飲料温度の検討」である。研究室のメンバーからは、コントロール試行をおいた意義や、食欲が増加したメカニズムについて意見を頂いた。当時、私は約1か月後に博士論文の公開審査を控えており、この研究ミーティングにおいて頂いた意見は、公開審査への準備として大変役立つものであった。

Ⅳ. ベルギーの生活

ベルギーでは、大学から自転車で15分のゲストハウスに滞在した。ルーヴァンは中世の名残で直径2 kmほどの円形の都市である。ルーヴァン・カトリック大学の学生の約半数が留学生であることから、街には国際色豊かなレストランや食料品店がそろっており、とても生活しやすい環境であった。ルーヴァンの中心地には飲食店が立ち並んでおり、毎週木曜日の夜には多くの学生で賑わっていた。渡航中はルーヴァン大学の友人たちと食事やベルギービールを楽しみ、国際交流の良い機会となった。また、ベルギーは隣国のオランダと同様に自転車の普及率が高く、ルーヴァンの都市にも、広範囲に自転車道が整備されていた。学生の自転車利用率も高く、乗じて身体活動量が高いように感じた。大学にはスポーツホールと呼ばれる、学生や地域の方が使えるスポーツ施設があり日中から夜間まで運動を行う方で賑わっていた。ルーヴァンでは、運動を実施することが、いかに人々の日常生活に習慣づいているかを目の当たりにした。

 

Ⅴ. British Association of Sports and Exercise Sciences Conference 2019への参加

ポスター発表の様子

 2019年11月19日からは、英国最大のスポーツ科学学会であるBritish Association of Sports and Exercise Sciences Conference 2019 (BASES 2019)に参加させていただいた。BASES2019では、博士課程における研究をポスターセッションにおいて発表した。発表内容は「運動後の飲料摂取が胃運動と食欲に与える影響」である。ちょうど、2020年の東京オリンピックを控えていることもあり、脱水対策としての飲料摂取の意義や食欲への影響について、多くの質問を頂くことができた。また、BASES2019は日本で行われたラグビーワールドカップが終了した時期に開催されたこともあり、シンポジウムの中には、ラグビーチームが日本で実施された試合で気を付けた点や、反省点などを発表するセッションもあった。興味深かった内容として、海外のチームの食事管理としてコンビニが利用されている点であった。コンビニには、鶏むね肉の加工品や小分けのサラダなどが豊富にあり、食事の選択肢が豊富であることが好意的にとらえられていた点である。一方、夏季の日本の暑さには警鐘が鳴らされており、アイスバスや飲料摂取など、暑熱対策の必要性について再確認することができた。学会後は、昨年のTop Global University Projectで渡航させていただいた、英国のLoughborough大学のDavid Stensel教授と共に大学を訪れ、昨年参加させていただいた研究の進捗状況について打ち合わせを行った。

Ⅵ. 最後に

ルーヴァン・カトリック大学では、Katrien Koppo教授を初め、多くの方々の支援をうけて素晴らしい1ヶ月間を過ごさせていただいた。私の指導教員を引き受けて下さったKatrien Koppo教授と博士課程の学生のSebastiaanにお礼を申し上げる。Katrien Koppo教授は学生との信頼関係が厚く、忙しい中でも学生との会話の時間を大事にしており、大学教員としてあるべき姿勢を学ばせていただいた。またSebastiaanは博士課程の研究が忙しい中、一から実験を教えてくださり、心より感謝申し上げる。また、渡航にあたり、ルーヴァン・カトリック大学のBavo Meert氏に多大な尽力を頂いた。渡航中は、何度も研究室に様子を見に訪れてくれるなど、とても温かく私たちを迎えてくれた。またイギリスへの渡航では、Loughborough大学のDavid Stensel教授にお世話になった。この場を借りて御礼申し上げる。
最後にKatrien Koppo教授、Sebastiaan、Bavo Meert研究室のメンバー、ルーヴァン・カトリック大学の素晴らしい友人たち、そして渡航においてご尽力を頂いた宮下政司准教授を初め、早稲田大学の多くのスタッフの方々に感謝申し上げたい。

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