7月14日開催の第3回実証政治学ワークショップでは、チャールズ・クラブツリー先生(ダートマス大学・東京財団)にご登壇いただき、アメリカにおいて人種差別が政治エリートだけではなく、一般人においてもどの程度存在しているのかを、25万人を対象にした大規模調査で明らかにしようとする研究調査についてご報告いただいた。
あるサーベイ調査を行うにあたって、調査協力を呼び掛けるメールの差出人の氏名が白人の博士(研究者)からであるか、黒人の博士(研究者)からであるかをランダマイズした実験で、人種の違いによってサーベイ調査への協力態度が変わるのかが検証された。政治エリートに対して行った実験同様に一般人でも同様の差別傾向がみられ、白人だけではなく非黒人のマイノリティ層においても黒人に対する差別的反応が確認された。
質疑 応答 では、因果メカニズムに関する可能性、検証における倫理的問題、日本における同様の研究の可能性等、活発な議論が繰り広げられた。