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アカデミックリーダーセミナー報告

アカデミックリーダーセミナー報告

早稲田大学スーパーグローバル大学創成支援事業実証政治経済学拠点では、2019年10月17日(木)に、山本鉄平先生(マサチューセッツ工科大学政治学部准教授)をお招きし、公開セミナー「Causal Explanations in the Social Sciences」を開催しました。

山本先生は、政治学方法論の分野で数々の重要な貢献をされるなど、国際的に卓越した業績をお持ちです。今回の招聘は、国際的に優れた業績を持ち指導的立場にある研究者を早稲田大学へ招聘し、教育研究活動の発展を目指す「アカデミックリーダー招聘プログラム」によるものです。早稲田大学に滞在期間中、山本先生には統計的因果推論についての集中講義をしていただくとともに、一般公開セミナーでは、因果推論に関する最新の研究成果をご報告いただきました。


公開セミナーでは、冒頭に田中愛治総長から開会の挨拶と山本先生の功績の紹介がなされた後、近年、社会科学分野の研究で重要性が高まっている因果推論について、その方法論的重要性と課題を中心に、山本先生による講演が行われました。講演では、2000年代以降、実証政治学研究における実験・準実験手法の適用が広まる中、「因果推論革命」とも称されるパラダイム転換が見られたが、理論的示唆よりも実証的知見が重視される傾向、説明対象となる事象が生じる文脈を重視する外的妥当性よりも内的妥当性を重視、反実仮想にもとづく因果推論の目的(説明か、予測か)について、賛否両論の立場から活発に議論が展開されてきたことが説明されました。そして、因果推論パラダイムに対する批判へ応えるためには、単に平均処置効果(average treatment effects, ATE)を測定するという基本的理解を超えて、より精緻な因果的説明(causal explanations)を可能とする因果推論を確立する試みが紹介されました。具体的に、因果メカニズムの解明を目指す因果媒介分析(causal mediation analysis)、平均処置効果を分解して各要素(components)の処置効果を測る試みであるコンジョイント分析(conjoint analysis)、媒介(mediation)と調整(moderation)の視点を統合する分析枠組みについて、自身の研究成果を踏まえつつご説明いただきました。最後に、実験から得られた結果が、実社会における現象を、本当に説明しているのかどうかについて考察が行われた後、因果識別偏重の傾向は、理論から導かれるリサーチ・クエスチョンを探求する試みを不可能にしているように見えるが、理論と実証の溝を埋めるためにさらなる方法論上の進展が必要であることが強調されました。

セミナーには、学内外から、100名を超える多数の学生、教員、研究者が参加し、講演の内容について活発な質疑応答が繰り広げられました。調整変数はどのように識別することができるのか、スイッチ(switch)を介してノンパラメトリックに識別される平均要素交互作用効果(average component interaction effect, ACIE)は伝統的な平均処置効果とどのように異なるのか、再現可能性を担保するために処置後の媒介変数(post-treatment mediation)についても研究の事前登録の段階で述べる必要があるか等、経済学、政治学研究において重要な論点について有意義な議論が交されました。

このように、本セミナーにおいて、山本先生から、因果推論研究の最先端について深く学ぶ貴重な機会が提供されたことを通じて、日本において因果推論研究を普及させるための大きな教育研究効果がもたらされたといえます。

Dates
  • 1017

    THU
    2019

Place

早稲田大学 3号館5階501

Tags
Posted

Tue, 19 Nov 2019

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