第9回環太平洋ゲーム理論カンファレンスを、早稲田大学SGU実証政治経済学拠点にて10月7日・8日の2日間にわたり開催しました。欧米諸国から第一級のゲーム理論研究者が参加し、最先端の研究成果を発表、議論しました。
本カンファレンスは、欧米諸国の研究者とアジア諸国の研究者の対話・議論を活発化させるために、アジアを開催拠点として隔年で行われてきました。発表数を絞り、各発表の時間を長く設定しているため、研究内容に深く踏み込んだ議論や質疑応答が可能なカンファレンスです。今回も、学生にとっては研究者から最先端の研究成果を説明していただける貴重な機会となりました。
招待講演者として、米国ニューヨーク州立大学ゲーム理論センターのPradeep Dubey教授を招聘しました。Dubey 教授はゲーム理論や経済取引の基礎研究を続け、現在でも最前線にいる研究者です。今回の招待講演でも、Money as Minimal Complexityというタイトルで、経済取引が円滑に行われるための制度設計に関する成果の報告をしました。
また、オランダErasmus大学経済研究所のPeter Wakker教授による期待効用理論の再検討に関する発表、米国Iowa 大学経営学部のRabah Amier教授による独占的競争に関する需要法則に関する発表など、興味深い発表を分かりやすく行っていただきました。
全プログラム終了後、10月8日にレセプションが開催されました。レセプションでは、研究内容だけでなく、研究の進め方や研究上の注意など気軽に聞ける雰囲気で行われました。レセプションの最後に、Wakker教授からカンファレンス全体に関して、「研究集会は、あまりに狭い分野で集まっても、広すぎる分野で集まっても有益にはならず、そのバランスが重要です。今回のカンファレンスはその意味でバランスのとれた、全ての参加者にとって有益なものでした。」との感想をいただきました。