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【SGU 実証政治経済学拠点】 コネチカット大学デビッド・サウダー教授セミナーレポート

コネチカット大学(University of Connecticut)より、経営戦略論の分野で優れた業績をもつDavid Souder氏をお招きし、10月18日に研究報告会を開催いたしました。

・10月18日(火)

テーマ:A behavioral understanding of investment horizon and firm performance

主催:早稲田大学SGU実証政治経済学拠点 共催:産業経営研究所 藤田誠 分科会

世話人:商学学術院 山野井順一 准教授

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1991年から2011年の米国の上場企業をサンプルとした、経営者の投資ホライズンが企業業績に与える影響に関する研究が報告されました。David Souder氏のいう投資ホライズンとは、投資がペイすると経営者が期待する期間です。報告によれば、投資ホライズンが長いほど、企業の業績は高まる傾向にあるそうです。ただし、投資ホライズンが過剰に長い場合は業績が下がることも示されました。この研究の最大の貢献は、短期的視野による経営が将来の業績を悪化させるという直感的な予想を実証したことにあります。有形固定資産の減価償却費を投資ホライズンの測定尺度として用いることで、統計的な分析を可能にしました。なお、この論文は経営学領域のトップジャーナルであるOrganization Scienceに掲載予定です。

研究報告会には本学の教員(商学学術院の坂野友昭教授、広田真一教授、永山晋助教ら)や経営学領域を中心に大勢の博士課程の学生が参加しました。また、学外からの参加者もあり、注目度の高さが伺えました。研究内容や研究手法などについて活発な意見交換が行われ、会場は大いに盛り上がりました。ある博士課程の学生は「減価償却費という入手しやすい財務データを投資ホライズンの概念に対応させた点が面白いと思った。持っているデータでどのような概念を測定できるか考えてみたい。また、査読プロセスでのやり取りなどを第一線の研究者から生で聞けたのは大変よかった」と話していました。

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また、研究会とは別途、博士課程の学生を対象とした特別講義も実施されました。

・10月17日(月)

テーマ:Major theories of the firm: rivals or complements?

・10月18日(火)

テーマ:Challenges in empirical strategy research

初日は経営戦略論で用いられる4つの理論(エージェンシー理論、企業の行動理論、資源ベースド・ビュー、取引コスト理論)の解説で、2日目は実証研究特有の困難や研究倫理について米国での最近の動向やDavid氏自身の経験を踏まえた議論でした。博士課程の学生だけではなく、本学や他大学の教員も参加し、インタラクティブな議論が行われました。参加した学生の1人は、「米国を中心とした研究コミュニティの動向を知ることができてよかった」と話していました。教員や学生らが真剣な表情で必死に聞き入る姿が印象的でした。

さらに、希望した学生を対象にDavid Souder氏からの個別指導も実施されました。Strategic Management Journalなどトップジャーナルのエディターも務めるDavid Souder氏からのアドバイスは、学生に新たな視点を持たせる機会になったのではないでしょうか。

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