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News through 2023

2023年度までのニュース

開催報告:「組織経済学コンファレンス」

実証政治経済学拠点および早稲田大学組織経済実証研究所は、 7 月 15 日(土)にコロンビア大学の Wouter Dessein 教授を基調講演者として早稲田大学にお迎えし、組織経済学コンファレンスを開催致しました。 受講生のレポートを紹介いたします。

金山隼人(Hayato Kanayama)経済学研究科(政治経済学術院教授 大湾秀雄研究室)

総勢約 50 名(うち 22 名が大学院生)の参加者が集い、 午前のワークショップでは理論研究に関する発表、午後の講演会では実証研究に関する 講演が行われました。 理論実証共に、中間管理職の様々な役割やその評価選抜に関わる研究の報告が多かったのが、 今回のコンファレンスの特徴です。

発表テーマ

「なぜ中間管理職は存在するのか」

「中間管理職の対人マネジメントスキルはどの程度重要か」

「中間管理職が部下の健康にどのような影響を与えるか」

「知識集約業務チーム内での労働分配がチーム生産性に与える影響はどの程度か」

「知識集約業務におけるリーダーの事前コーディネーションはどの程度重要か」

「専門家と意思決定者の間でどのように情報提供や金銭授与が決定されるか」

「国際サプライチェーンの中で国際間で労働者の間に補完性や代替性が存在する際、どのような国際分業パターンが現れるか」

 Dessein 教授が各発表について、モデルの設定やモデルで想定されている ストーリーに関する 質問に対してフィードバックをくださったおかげで、 出席した多くの大学院生が理解を深める ことが出来ました。 また、先行研究で触れられていて、今回の発表では考慮されていない部分にも注目し、 予測される帰結まで含めて有 益なアドバイスをいただき 、発表者のみならず、参加者も多くのことを学べる 機会となりました。 

基調講演では、 Dessein 教授がシカゴ大学の Luis Garicano 教授と共同で研究されている ”Loyalty in Tournaments”について、発表してくださいました。 この研究では、部下と上司が一つのチームとなり 、勝利者に与えられる報酬を求めて他のチームと競争する という設定のモデルで、 どのような部下を選択することが上司にとって最適であるかについて、検討を行っています。 部下となる人材は、優秀さと忠誠心の二軸において異なります。 能力が高い部下とチームとなった場合、 負けの可能性が出てきた時、 部下は上司を見捨てる 誘引が存在するために、 一定の状況のもとでは能力は低いかもしれないが、忠誠心の高い部下を選ぶほうが上司にとって好ましい場合があることを示しました。 政党における リーダーとメンバーの関係を、 高山登山で安全を確保する ために一本の縄でお互いを縛ったチーム(スペイン語の”La tira”と 呼ぶ) に例えて、 忠誠心と能力の間のトレードオフ関係を説明していたのが印象的でした。

Dessein 教授と参加者の間の議論を通じて、 実証分析であっても、背後にある理論や前提について深く考察した上で、データ分析結果を議論する ことの重要性を理解出来ました。 全体を通じて、発表者および参加者は、国際的に第一線で活躍する外国人研究者から直接、詳細なフィードバックを得る機会に接し、今後研究を遂行するのに有用な考え方を学ぶことができました。

Dessein 教授と発表者

 

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