2019年2月5日、早稲田大学スーパーグローバル大学創成支援事業実証政治経済学拠点はGerman Institute of Global And Area StudiesのResearch FellowであるJaemin Shim氏をお迎えし、「Mind the Gap! Mass-Elite Discrepancies in Old and New Democracies」と題するセミナーを開催しました。
Shim氏の専門は比較政治で、特に東アジアの福祉国家やジェンダー政治について研究をしているのと同時に、現在ではEuropean Consortium for Political Researchにおいて”Convergence versus Divergence of Mass-Elite Political Cleavages: Conceptual, Methodological, and Theoretical Innovations”という比較政党政治のワークショップを主催しています。
- Opening remarks by Prof. Masahisa Endo
本セミナーでは、上述の比較政党政治のプロジェクトについてその問題意識と研究デザイン、現在作成中のデータベースについて発表いただきました。有権者とエリートの間のpolicy congruenceについての先行研究が西欧諸国を事例としたものに偏っており、さらに政策立場の一致の「程度」のみを取り扱っているという限界がまず指摘されました。そのうえで、新興民主主義諸国も含めて、他の地域の諸国家の政党政治のあり方についてカバーして分析を行う必要性が指摘され、同時に、Shim氏が現在作成している100ヶ国以上に及ぶ各国の政治対立に関するデータベースの例として台湾の事例が紹介されました。質疑応答では、discrepancy、cleavage、political divisionといった概念について、それぞれをどのように捉えたうえでこのプロジェクトを位置づけるかについて活発に議論がなされました。