国際日本学拠点では、ウェスタン・ミシガン大学よりジェフリー・アングルス(Jeffrey Angles)教授をお招きし、講演会「言語と言語の間: その不協和の美しさ」を開催いたします。
要旨
世界文学の歴史は、母語の豊かな資源を用いて第二言語で書くことの限界に挑戦した多言語作家の数え切れない事例でみたされています。 実際、言語の境界を越えて活躍するトランスナショナルな作家は、しばしばあらゆる文学の歴史の中でも最も革新的で創発的な人物だからなのです。小説家の多和田葉子は、ドイツ語のエッセイ『Akzentfrei』(アクセントフリー)の中で次のように記しています。「多言語的な詩人にとって、脳内の壁がきつく締め付けられていないことが大きな強みとなる」
本イベントでは、英語と日本語の双方で作品を発表しているアメリカの詩人ジェフリー・アングルスが、二つの言語で生活し、仕事をしてきた経験についてお話しします。自作の詩を朗読しながら、異なる言語の音が交じり合い、無調で不思議な美しさを持つ新しい音楽がそこから生まれることを示してみたいと思います。
概要
- 日時:2023年6月22日(木)15:00-16:30 (JST)
- 会場:早稲田大学 戸山キャンパス33号館16階、第10会議室
- 開催方式:対面・Zoomウェビナー
※対面参加人数制限あり - 参加:学生、教員、一般
- 使用言語:日本語・英語
- 参加費:無料
- 主催:スーパーグローバル大学創成支援事業 早稲田大学国際日本学拠点
- 共催:早稲田大学文学学術院
- スケジュール
15:00-15:10 講師の紹介 坪井 秀人 (早稲田大学教授)
15:10-16:10 講演 ジェフリー・アングルス (ウェスタン・ミシガン大学教授)
16:10-16:30 質疑応答 - 事前登録制
参加希望の方は、こちらもしくは右のQRコードよりお申し込みください。
※対面参加の申し込みは締め切りました。
ジェフリー・アングルス|Jeffrey Angles
1971年に米国中西部オハイオ州生まれ、現在ミシガン州カラマズー市在住。二十世紀前半の作家、江戸川乱歩と折口信夫をはじめ、現代詩人の伊藤比呂美と高橋睦郎まで、近現代日本文学の英訳は多数ある。多田智満子の英訳詩集により、日米友好基金の日本文学翻訳賞もアメリカ詩人アカデミーのランドン翻訳賞も受賞、折口信夫の『死者の書』の英訳により、スカグリオネ文学翻訳賞と三好翻訳賞をダブル受賞。2016年の日本語詩集『わたしの日付変更線』により、読売文学賞を受賞。その他の著書に、モダニズム文学における少年愛の研究書『Writing the Love of Boys』と三・一一以降の震災詩の研究兼英訳アンソロジー『These Things Here and Now: Poetic Responses to the March 11, 2011 Disasters』がある。2022〜2023年の最新英訳本の中に、伊藤比呂美著『The Thorn Puller』(とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起)、高橋睦郎著『Only Yesterday』(つい昨日のこと)、香山滋著『Godzilla & Godzilla Raids Again』(ゴジラとゴジラの逆襲)がある。
詳細は以下のチラシをご参照ください。