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News through 2023

2023年度までのニュース

教員インタビュー:川上 泰雄 教授

身体運動の仕組みを解き明かし、競技力向上や健康増進に役立てる

計測機器を用いて身体の動きを詳細に可視化

私の研究室ではバイオメカニクスや運動生理学の視点から、身体運動のメカニズムに迫る研究を進めています。MRI法や超音波法などの計測技術が発達した現在では、運動しているときの骨格筋のはたらきを詳細に解析したり、筋肉内部の構造を観察したりすることも可能になっています。こうした技術を駆使して身体のかたちとはたらきとの相関性を探り、トレーニングや成長・加齢などによって生じる変化やそのメカニズムを解明することを目指しています。さらにその成果を、アスリートのパフォーマンス向上や障害予防・リハビリテーション、高齢者の健康増進、子どもの健全発育などに広く役立てたいと考えています。

産官との連携や領域横断的な研究にも注力

企業や自治体と連携した研究プロジェクトにも力を入れています。一例として、子どもや中高齢者の健康増進を目指した体操を西東京市と共に開発し、普及活動と効果検証を実施。参加者の筋力や筋パワーの向上効果を確認しました。スポーツ用品メーカーと共同で、パフォーマンス向上や障害予防につながるシューズやウエアの開発にも携わっています。また、私が所長を務める学内組織のヒューマンパフォーマンス研究所では、スポーツ科学領域と理工学領域の教員を中心に、学内外の研究者や企業が一緒になって、スポーツ選手の競技力向上とその成果の一般社会への応用を目指した研究を進めています。
こうした領域横断的な取り組みや、産官と連携した研究が活発に行われているのも早稲田らしい特色であり、学生にとっても学内外に挑戦の機会が広がります。国内随一の国際性と多様性を誇る早稲田の環境は、留学生もなじみやすく、さまざまな国籍の学生と切磋琢磨し、日本企業や自治体ともつながりを持ちながら研究を進めることができます。早稲田ならではのこうした貴重な機会をぜひ積極的に活用してほしいと思います。

対象を観察し理解する力が重要に

スポーツ科学の各分野を網羅する実績豊富な教員が在籍していることや、研究設備の充実度において、本研究科は海外の大学院にも引けをとらないと自負しています。キャンパス内にはMRI装置をはじめとする先端的な機器もそろっています。ただし、これらの機器はあくまで対象を知るための手段に過ぎず、日頃から学生には「人間を見る目」を磨く大切さを伝えています。対象者の体つきや動きを自分の目で観察し、対話を通して相手の人となりを感じ取り、その人の特徴、例えば筋量や筋力、持久力などを見抜けるようになってほしい。それができて初めて、数ある機器や方法の中からどれを使って何を計測すべきかを適切に判断することが可能になります。
「人間を見る目」を鍛えることは、困っている人の、困っているポイントを正しく見抜く力にもつながります。相手に寄り添い、困りごとに対してエビデンスに基づくアドバイスを行い、解決に導く人材へと成長していけることも、身体運動科学の分野で研究に取り組む醍醐味だと思います。


プロフィール
専門はバイオメカニクス、運動生理学。東京大学教育学研究科博士後期課程修了。博士(教育学)。東京大学助教授、早稲田大学助教授を経て2005年より現職。2017年よりヒューマンパフォーマンス研究所所長、2020年より本学総合研究機構長、2021年より本学理事を務める。

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