2016年~2019年まで4年にわたって開催されたエッセクスサマースクール@早稲田(ESS@WASEDA)に代わり、コロナ禍で開催されるオンラインサマースクール参加への支援を開始した昨年は14名、今年度は計7名が35時間の集中コースを受講しました。SGU実証政治経済学拠点では、その参加費を補助し、本学の大学院生の教育を支援しています。
学生はそれぞれの課題解決へ真摯に取り組み、2週間(35時間)の集中コースを通し、今後の研究及び論文への手がかりとなる成果と手応えを感じました。
受講レポート

商学研究科2年 宮嵜健太
大学院商学研究科 2年 宮嵜 健太
研究テーマ :日本における議員報酬額の変更が選挙・議会活動に与える影響の分析
参加コース:2K: Causal Inference and Experiments in the Social Sciences
私は7月26日から8月6日にかけての2週間、エセックスサマースクールの2Kのコースに参加させていただきました。
このコースでは、主にフィールド実験を活用した政策・処置の因果効果の推定の方法が扱われました。一口にフィールド実験といっても、様々な種類・方法があり、35時間というまとまった時間の中で、それらの特徴の違いや、実際に実験を行う際の注意点、データが得られた後の計算・コーディングの方法などについて、包括的に学ぶことができ、非常に良い機会になりました。また、私自身が早稲田において既に学んでいた「Potential Outcomes」という考え方・表記方法を用いてコースが進んでいったために、これまでに学んだ観察データにおける因果推論の知識と繋げながら実験について学ぶことができ、自分自身の因果推論の知識を拡げる良い機会にもなったと思います。
私の現在の研究に関しては、実験の活用が難しいテーマを取り扱っており、このコースで学んだ内容を直接的に活かすことは難しいと言えます。その一方で、このコースで学んだ因果推論そのものについての考え方やRを用いたコーディングの方法については、今後の分析デザイン・手法の更なる検討や推定・アウトプットの作成の場面で大いに活かすことができると思われます。
また、今後への課題として、英語力が挙げられると思います。講義内のグループディスカッションの時間や発言を求められた場面において、英語力が足りず、発言者の意図を十分にくみ取れなかったり、自分の意見を満足に伝えられなかったりということが複数回ありました。今後、英語力の中でも話す・聞くというスキルを鍛えていき、国際的な場面で十分にコミュニケーションをとれる人間になっていきたいという思いがより強まった2週間でした。
感想
オンラインではありますが、様々な国籍・バックグラウンドを持つ方々と議論をしながら、自分の専門分野について新たな知見を得ることができた今夏の経験は、非常に貴重なものであったと思います。私のESS参加に対してご支援を頂いたSGU実証政治経済学拠点の担当者の皆様に、深く感謝を申し上げます。来年以降も、多くの学生がこうした貴重な経験ができるように、ご支援を続けていただければ幸いです。
その他参加者の受講レポートはこちらから
昨年度受講レポート:エセックスサマースクール in SSDA 2020 – 14名の早稲田学生がオンライン受講 – スーパーグローバル大学創成支援「Waseda Ocean 構想」
受講後アンケート
受講終了後に参加者にアンケート調査を行いました。
昨年同様、授業内容及び講師の評価は高く、学生の自己評価も総じて高い結果となりました。多くの学生がこのコースに参加できるよう、引き続き支援をしていきたいと考えます。




