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令和8年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 受賞コメント

このたび、早稲田大学の研究者6名が、科学技術分野で顕著な功績があったとして、「令和8年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰」を受賞しました。

日本の科学技術の発展等に寄与する可能性の高い独創的な研究又は開発を行った者を表彰する「科学技術賞 研究部門」では、237件の応募から47件(56名)が選ばれ、人間科学学術院の井上真教授、理工学術院の小澤徹教授、社会科学総合学術院の釜野さおり教授および商学学術院の清水洋教授が受賞しました。

また、萌芽的な研究、独創的視点に立った研究等、高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた40歳未満(出産・育児により研究に専念できない期間があった場合は、42歳未満)の若手研究者を対象とする「若手科学者賞」では、425名の応募者の中から101名が選ばれ、高等研究所の嶋川里澄准教授が受賞しました。

さらに、科学技術の発展や研究開発の成果創出に向けて、研究開発マネジメント活動を通じて研究開発の推進に寄与する活動を行い、顕著な功績があった者を対象とする「研究支援賞 研究開発マネジメント部門」では、13件の応募から4件(14名)が選ばれ、リサーチ・イノベーション・センターの森本行人准教授が受賞しました。

令和8年度科学技術分野の文部科学大臣表彰早稲田大学受賞者

左から、清水教授、井上教授、釜野教授、森本准教授、嶋川准教授

以下に、各受賞者のコメントを掲載いたします。

科学技術賞 研究部門

受賞業績:熱帯林保全と社会的公正の実現を目指した環境ガバナンス研究
人間科学学術院 井上 真 教授

受賞コメント
この度は、文部科学大臣表彰・科学技術賞(研究部門)をいただき誠に光栄です。まずは、推薦・評価に関わってくださった皆さまに深く感謝いたします。

私は大学卒業直後から熱帯林の消失・保全の問題、とりわけ先住民など森林地域で暮らす人びとの幸福や権利の確保という社会的課題に取り組んできました。現実の厳しさにもかかわらず40年以上にわたり研究意欲を維持できたのは、ボルネオ先住民の友人、国内外の学生や共同研究者、NGO活動の仲間、そして友人や家族の存在が心の支えになったからです。

本研究を通して、「コモンズ論」を深化・発展させ、ローカルとグローバルをつなぐ「協治論」(協働型ガバナンス論)へとスケールアップしました。また、先住民等の主体性や権利の保障といった社会的公正の実現に向け、気候変動政策と地域発展政策を統合するものとして森林政策を位置づけました。本研究成果がさらに多くの研究者や実践家に参照され、ひいては熱帯諸国の良い環境ガバナンスの実現に寄与できればこの上ない喜びです。

現在も科研費により世界14カ国19地域を対象とする共同研究を鋭意実施中です。引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 

受賞業績:非線型分散型方程式に対する修正エネルギー法の研究
理工学術院 小澤 徹 教授

受賞コメント
令和8年度科学技術分野の文部科学大臣表彰(研究部門)を受賞いたしました。誠に光栄に存じますとともに、過分な評価に恐縮しております。

この研究は、「非線型分散波の時間減衰評価に有効な擬共形エネルギーはその高階版も構成出来る筈である」と後期博士一年生の時に着想を得た40年前に始まったものです。約10年前からは有力な共同研究者も得て、現時点でも様々な方程式に関して取り組んでいます。その発想は、有効な不等式の導出の背後には本質を担う等式が在る筈だと云う視点に広がり、理論物理学の基礎方程式や基礎解析学の函数不等式の導出にも効果を発揮しつつあります。

今回の受賞は共同研究者や研究支援者、研究室の学生の協力が有って初めて実現したものであり、関係者に深くお礼申し上げます。今後とも学問の研鑽を通じて本学の発展に貢献して参りますので宜しくお願い申し上げます。

 

受賞業績:性的指向と性自認のあり方に関する人口学的研究
社会科学総合学術院 釜野 さおり 教授
(法政大学グローバル教養学部 平森大規助教との共同受賞)

受賞コメント
この度は、文部科学大臣表彰・科学技術賞(研究部門)をいただき、大変光栄に思います。共同受賞者の平森大規さん(法政大学)をはじめ、2024年に逝去された岩本健良さんを含むプロジェクトメンバー全員でいただいた賞であると考えております。ともに進めてきた皆様に、心より感謝いたします。

本研究では、国内では十分に整備されていなかった性的指向および性自認に関する統計に着目し、社会調査におけるモデル設問の考案や全国無作為抽出調査の実施を通じて、性的マイノリティとそうでない人々との社会的格差や意識の差異を数量的に明らかにしました。

また、本研究は住民の皆様が調査にご回答くださったことにより成り立っております。調査の実施および回答にご協力くださったすべての方々に、深く御礼申し上げます。

扱うテーマの性質上、今後も多くの課題に直面すると考えておりますが、本受賞を励みに、性的マイノリティの生きやすさの向上につながる研究を継続してまいります。引き続きご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

 

受賞業績:ジェネラル・パーパス・テクノロジーのイノベーション研究
商学学術院 清水 洋 教授

受賞コメント
この度は、文部科学大臣表彰の科学技術分野、研究部門をいただき、光栄です。これまで研究を支えてくれた多くの方々に深く感謝を申し上げます。

蒸気機関や人工知能のように、広範な分野で使われ、経済の生産性を上げ、社会を大きく変えるのがジェネラル・パーパス・テクノロジーです。この研究ではジェネラル・パーパス・テクノロジーが、いかに生まれ、波及し、企業や経済に影響を与えるかを実証的に分析しています。また、国の科学技術への投資や企業からのスピンアウトがこのような技術の生成や波及にどのような影響があるのかを分析し、政府の政策立案にも役立てられるようにしています。

まだまだ分からないことが多い領域であり、研究を進める余地がたくさんあることは研究者としては嬉しいことです。今後とも研究を進めていきますので、よろしくお願いいたします。

 

若手科学者賞

受賞業績:宇宙最盛期の原始銀河団で形成される赤色銀河の観測的研究
高等研究所 嶋川 里澄 准教授

受賞コメント
この度は、文部科学大臣表彰・若手科学者賞という栄誉ある賞をいただき、大変光栄に存じます。
本研究を支えて下さった共同研究者の方々、ならびに研究に専念できる環境を整えて下さっている事務局を含む大学関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。

私はこれまで、すばる望遠鏡やジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡などを用いた天体観測を通じて、「宇宙の古代都市」と呼ばれる原始銀河団における銀河の形成と進化の解明に取り組んできました。密集した銀河がお互いにどのように影響し合い、姿を変えてきたのか。微かな光から多様な進化の歴史を読み解く過程は、常に新たな問いとの対話であり、その探求を評価いただけたことは大きな励みとなります。

また、今回は図らずも兄弟での同時受賞となりました。専門分野は全く異なりますが、幼少期より互いに刺激し合い、切磋琢磨してきた弟と共にこの節目を迎えられたことは非常に感慨深く、新たな活力を得る機会となりました。今後も、本学における宇宙研究のさらなる発展と、真理の探究に邁進して参ります。

 

研究支援賞 研究開発マネジメント部門

受賞業績:日本の人社系研究マネジメントを担う人材育成への貢献
リサーチ・イノベーション・センター 森本 行人 准教授
(京都大学総合研究推進本部 稲石奈津子URA(上席)、大阪大学社会技術共創研究センター 川人よし恵特任准教授との共同受賞)

受賞コメント
この度は、文部科学大臣表彰 研究支援賞(研究開発マネジメント部門)という大変名誉ある賞を賜り、誠に光栄に存じます。まずは、推薦・評価に関わってくださった皆様、ならびに日頃よりご指導・ご協力を賜っている研究者、URA、事務職員の皆様に心より御礼申し上げます。

2014年に人文・社会科学系URAネットワークを立ち上げて以来、10年以上にわたり、複数の機関が連携する研究推進の基盤づくりと、職種や組織を問わないオープンな議論の場づくりを進めてきました。また、研究の価値をわかりやすく社会に伝え、異なる分野や組織との対話を通じて、新たな研究の創出につなげることを大切にしてきました。

本受賞は、こうした実践を支えてくださった多くの関係者との協働の成果であり、個人のものではなくコミュニティ全体の成果であると受け止めております。今後も、人文・社会科学の持つ力を社会へと接続させ、日本の研究力向上に貢献できるよう、一層精進してまいります。

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