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令和5年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 受賞コメント

令和5年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」において、本学から5名の研究者が受賞しました。
科学技術の発展等に寄与する可能性の高い独創的な研究又は発明を行った研究者を表彰する「科学技術賞(研究部門)」に理工学術院の 尾形哲也教授、柴田重信名誉教授、竹山春子教授、ゲスト・マーティン教授、萌芽的な研究・独創的視点に立った研究等高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた若手研究者を表彰する「若手科学者賞」に、理工学術院の水内良専任講師が選ばれました。
以下に、各受賞者のコメントを掲載いたします。

科学技術賞 研究部門

受賞業績:深層予測学習によるロボットのマルチタスク学習に関する研究
理工学術院 尾形 哲也 教授

受賞コメント
この度は、「深層予測学習によるロボットのマルチタスク学習に関する研究」に対し、文部科学大臣科学技術賞を受賞することができ、大変光栄に思っております。ロボットの知覚と身体運動の実時間予測を深層学習により実現することで、ロボットが複数のタスクを学習し、実世界での活動を自律的かつ効率的に行える方法論を追求しました。今回の研究成果は、ロボット工学の分野における新たな展望を切り拓くものであり、今後、産業応用、医療分野、災害対応など実社会の多様な分野への応用が期待できると考えています。受賞には、これまでに研究に関わってくれた多くの皆様の協力と支援がありました。改めて受賞に対して心からの感謝の意を表し、これからも一層の研究成果を追求していく覚悟をお伝えしたいと思います。ありがとうございました。。

受賞業績:時間栄養と時間運動の確立と健康科学への応用研究
理工学術院 柴田 重信 名誉教授

受賞コメント
この度は、栄誉ある科学技術賞 研究部門を頂戴し、大変光栄に存じております。この研究にかかわっていただいた皆様、特に研究室所属の大学院生スタッフ、さらに共同研究先の方々には大いに感謝しております。
本研究は、体内時計に支配される時間軸の健康科学を推進する一環として、食事や栄養素を摂るタイミングや運動のタイミングの重要性を学問的に明らかにしました。従来、健康維持には食物の内容、調理法、量についての要素が重要視されてきましたが、今回の発見により同じ食物でも朝食や夕食で効果が異なるなど摂取するタイミングも重要な要素であることが分かりました。運動も然りで、運動効果に対するタイミングの違いを明らかにしてきました。時間栄養学や時間運動学という新たな学問分野が開拓され、時間軸の健康科学の発展が期待されます。
引き続き、研究成果の社会実装に向け研究を続けており、今後ともご指導ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

受賞業績:シングルセル技術による環境有用微生物の深層解析研究
理工学術院 竹山 春子 教授

受賞コメント
科学技術賞を頂くことができて大変光栄に思います。研究を支えてくださった先生方、研究室のスタッフ・メンバーには深く感謝いたします。
先進理工学部生命医科学科創立とともに研究室を立ち上げ、今回受賞に至った環境微生物のシングルセル解析技術の開発研究をスタートしました。環境に存在する多くの難培養性微生物の利活用が目的でした。将来どのような場所でも解析ができる技術を目標として、ドロップレットを用いたシングルセルのハンドリング方法、さらにはゲノム解析と進みました。また、ラマン分光法と出会ったことで、既存の機器分析手法では不可能であったシングルセルレベルでの代謝産物同定を可能とする道が開かれました。微生物シングルセルオミックス解析技術が多くの研究に貢献できるよう、プラットホーム化を産官学連携で進めております。
新技術が新たな道を拓く、という信念で今後もさらなる発展に努めたいと思います。今後とも皆様のご支援よろしくお願いいたします。

受賞業績:tt*方程式および量子コホモロジーに関する一連の研究
理工学術院 ゲスト・マーティン 教授

受賞コメント
I am very honoured to receive the Science and Technology Award in the Research Category. It has been a great privilege for me to have worked as a professor in Japan for more than 20 years, and I deeply appreciate the kindness of my friends and colleagues here, which have made this possible. My research area is differential geometry, a subject which combines algebra and analysis with geometrical ideas. The problems we study are often related to theoretical physics – quantum theory, string theory, mirror symmetry, and so on. Building the mathematical foundations of this area in the 21st century is a huge task, and one that is truly international. Until the 19th century, mathematics was regarded as a subject for brilliant young men (mostly European). In the 21st century the subject is too broad for any one man; everyone is needed: young and old, men and women, black and white, from every country. I would like to express my sincere gratitude for the opportunities I have received to take part in this endeavour.

若手科学者賞

受賞業績:自己複製分子システムを用いた原始生命進化に関する研究
理工学術院 水内 良 専任講師

受賞コメント
この度は文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞し、誠に光栄に存じます。
これまでご指導やご助言賜った先生方、選考委員の皆様に心より感謝申し上げます。本研究では、生命の起源という自然科学の根源的な問いに挑戦しました。原始生命の痕跡は現存生命や化石には残っておらず、これまではその進化過程を推測するほかありませんでしたが、原始生命を模擬した分子のシステムを試験管内で構築し、それを実験室の中で進化させることで、原始生命にありえた進化の道筋を直接観察できるようになりました。このような基礎研究を高く評価していただいたことを心より嬉しく思っています。
私は本賞の受賞とともに、2023年4月に早稲田大学に着任し、新たに研究室を主宰しております。これからは研究室メンバーと共に生命の起源の謎に迫り、また研究成果を合成生物学における技術開発へと繋げていきたいと考えています。今後ともご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

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