このたび、早稲田大学政治経済学術院の山本鉄平教授が、独立行政法人日本学術振興会の「第22回(令和7(2025)年度)日本学術振興会賞」の受賞者として決定しました。
今回は、学術研究機関及び学協会から推薦された331名の候補者、および前回からの候補者(注) 165名を加えた計496名について、日本の学術研究の将来のリーダーと期待される25名の受賞者が選考され、そのうち、本学からは山本鉄平教授が受賞者として選ばれました。
(注) 本賞の推薦書は2年間有効であるため、前年度の被推薦者から受賞者を除き、当該年度の4月1日時点で年齢要件を満たす者について、審査対象者となります。
受賞者について
- 受賞者氏名:山本 鉄平(やまもと てっぺい)
- 所属機関 :早稲田大学 政治経済学術院
- 推薦機関 :早稲田大学
選定業績
実証政治学のための計量分析手法および実験手法の開発とその応用
選定理由
山本鉄平氏の研究は、政治学とその周辺分野における計量分析や実験手法の開発と応用に代表される。現在、広く利用されている統計的因果推論では、平均的効果の推定のみが重視され、なぜその効果が生じるのかという仕組みの解明には、必ずしも十分な関心が払われてこなかった。山本氏は、共同研究者とともに、この課題に取り組み、因果効果の裏側にある構造を明らかにするための理論的枠組みと推定方法を提示し、それらを政治現象や政治行動の分析に応用してきた。特に、山本氏らが開発した因果推論とコンジョイント実験を組み合わせた手法は、たとえば候補者の政策や属性が得票率に与える影響を高精度で分析することを可能にしたものであり、現在では実験政治学における主要な分析方法として広く利用されている。このような卓越した業績に加え、山本氏が海外で指導した学生達も研究者として活躍しており、山本氏の研究と教育が国際的に大きな影響力を確立していることが知られる。山本氏には、今後も分野を牽引する卓越した研究者として、その国際的インパクトをさらに広げていくことを強く期待したい。
※日本学術振興機構第22回(令和7(2025)年度)日本学術振興会賞受賞者略歴及び授賞理由からの引用です。
日本学術振興賞について
日本学術振興会賞は、創造性に富み優れた研究能力を有する若手研究者を見い出し、早い段階から顕彰することで、その研究意欲を高め、研究の発展を支援することにより、我が国の学術研究の水準を世界のトップレベルにおいて発展させることを目的としています。
選考は、各分野を代表する我が国のトップレベルの学術研究者により構成される審査会で厳正な審査が行われ、受賞者を決定しました。
受賞対象者は、人文学、社会科学及び自然科学の全分野において、原則(※)45歳未満で博士又は博士と同等以上の学術研究能力を有する者のうち、論文等の研究業績により学術上特に優れた成果をあげている研究者としています。
受賞者には、賞状、賞牌及び副賞として研究奨励金110万円を授与します。また、日本学士院の協力を得て、日本学術振興会賞受賞者のうち6名以内に日本学士院学術奨励賞が併せて授与されます。
(注) 大学等研究機関の長が当該機関に雇用されている候補者を推薦する場合であって、人事記録等により候補者の出産・育児による休業等(休暇、休職、離職を含む)の期間を推薦者が確認できる場合は、47歳未満とします。
※日本学術振興会Webページからの引用です。







