独立行政法人日本学術振興会の「第19回 日本学術振興会賞」に理工学術院の花田信子 専任講師が選ばれ、2月7日に秋篠宮皇嗣同妃両殿下ご臨席のもと、日本学士院にて授賞式が行われました。
同賞は、学術の発展、ひいては未来を拓く「知」の創出に貢献する次世代の若手研究者のリーダーと期待される25名が受賞しました。式後の懇談では、秋篠宮皇嗣同妃両殿下が受賞者一人ひとりと日頃の研究活動などについて、和やかにお話されました。

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花田信子 専任講師 受賞コメント
この度は、第19回日本学術振興会賞を頂き、大変光栄に存じます。これまで研究を進めていく上でお世話になった先生方、先輩、後輩、同僚研究者の皆様、研究室のメンバーに厚く御礼を申し上げます。今年度は3年ぶりに受賞者が一堂に会した授賞式が開催され、大変光栄であり貴重な経験ができました。本研究は、水素エネルギー活用のための水素の貯蔵・輸送技術の開発であり、特に軽元素を用いた高容量水素貯蔵材料に着目してきました。材料としての課題を解決するために、反応速度解析と構造解析の両方を丁寧に行うことで物質としての機能を十分に引き出すことができました。また、液体系の水素貯蔵媒体としてのアンモニアに着目して電気化学的な手法での水素取り出しなどの新しい研究にも挑戦してきました。早稲田大では材料の基礎的な研究に加えて、応用的展開として水素貯蔵システムやプロセスの研究を進めています。今回の受賞を励みに、基礎と応用の両方を見据えた水素貯蔵・輸送に関する研究を推進するとともに、面白い機能を持つ材料や新たなものを組み合わせたシステムやプロセスを産みだせるように、より一層研究に邁進する所存です。