Research Organization for Nano & Life Innovation早稲田大学 ナノ・ライフ創新研究機構

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河川水中のDNAウイルスゲノムの多様性を1粒子ゲノム解析によって明らかにする

“Large-scale single-virus genomics uncovers hidden diversity of river water viruses and diversified gene profiles”
The ISME Journal, Volume 18, Issue 1, January 2024, wrae124,

https://doi.org/10.1093/ismejo/wrae124

ナノ・ライフ創新研究機構・招聘研究員 西川 洋平

西川洋平1,2, 我妻竜太1,3, 塚田祐子3, Lin Chia-ling 3, 千々岩樹佳2, 細川正人1,2,3,4, 竹山春子1,2,3,4
 1産総研・早大 CBBD-OIL, 2早大・ナノライフ創新研, 3早大院・先進理工, 4早大・生命動態研)

キーワード:1粒子ゲノム解析, DNAウイルス, マイクロフルイディクス, 全ゲノム増幅,
河川水

*成果のポイント

biosensor

  • マイクロメートルサイズの微小液滴を反応場として活用することにより、高精度なDNAウイルスのゲノム情報を、1粒子レベルの解像度、かつ大規模に取得することを可能とした(Fig. 1)。
  • 合計1431個のウイルス配列を獲得し、これらの5%が種レベルで新規の配列であり、従来のメタゲノムを用いた手法では取得が難しい配列であることを明らかにした(Fig. 2)。
  • 同一ウイルス種内の比較ゲノム解析により、宿主への感染成立に重要な役割を果たすメチルトランスフェラーゼ(MTase)のサブタイプの保有プロファイルがウイルス粒子毎に異なることを明らかにした(Fig. 3)。これにより、同一種のウイルスが宿主細菌の内部防御機構に対して、多様な適応戦略を取っている可能性が示唆された。

  • 高精度かつ大規模なDNAウイルスのゲノム解析手法を開発することにより、環境サンプルから未知ウイルスの配列情報を多数獲得した。また、これらの比較解析により、ウイルスゲノムの株レベルの配列多様性を明らかにした。

*研究助成

本研究は日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(S)(17H06158), 基盤研究(B)(21H01733), 若手研究(23K13612)、国立研究開発法人 科学技術振興機構 JST-ACT-X(JPMJAX20BE)の支援によって実施された。

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