Gender and Sexuality Center早稲田大学 ジェンダー・セクシュアリティ・センター(GSセンター)

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【開催報告】WASEDA ALLY WEEKS (2022/11/29-2022/12/9)

2022年11月28日〜12月9日にかけて、WASEDA ALLY WEEKS を開催しました!

早稲田キャンパスの大隈銅像前でポーズをとる、GSセンターのTシャツを着たワセダベア。

早稲田キャンパスの大隈銅像前でポーズをとる、GSセンターのTシャツを着たワセダベア

参加してくださった皆さま、応援してくださった皆さま本当にありがとうございました。 

開催準備期間からイベント終了までは学生スタッフや職員にとっても怒涛の毎日でありました。イベント開催から時間があいてしまいましたが、ここでは学生スタッフでWASEDA ALLY WEEKS共同リーダーのさおが、今これを読んでくださっている皆さまに向けてイベント報告をいたします❣️ 

WASEDA ALLY WEEKSで何をやったの?】 

WASEDA ALLY WEEKS は、 

  • アライ像を明確化し、早稲田に真のアライを増やす 

ことを目的として企画されました。 

真のアライってなんのこっちゃ?という方、そもそもアライって?という方、おられると思います。

アライの語源は「味方、仲間」や「同盟」を意味する英語の「ally」です。つまりLGBTQ+に関する文脈ではLGBTQ+の味方、仲間」ということになるのですが、私は 「LGBTQ+フレンドリーを謳っている企業、プライドウィークのときにレインボーグッズ売ってる企業はいっぱいあるけど実際の差別に抗議してくれる企業はどのくらいいるのかしらん」 「LGBTQ+に対してつらいよね😢かわいそう😢とだけ言う人はアライと呼べるの?」 という疑問をずっと持っていて、学スタと職員で話し合ったときも同じような意見が挙がりました。

そこで、今回GSセンターはアライを 

  • LGBTQ+コミュニティが声を上げたときに一緒に行動する人
  • 自らの特権を自覚し、その特権をLGBTQ+の公正のための運動にリソースとして活用する人 

と定義しました。 

性のあり方によって差別されるような社会を変えていくために、一緒に立ち向かってくれる人を増やしたい!というわけなのです。

キャンパスを歩くワセダベアと人々

「WASEDA PRIDE PARADES ありのままでしあワセダ」で所沢キャンパスを闊歩する人々

私自身アライを自称していますが、アライとして具体的にどういう行動をすればいいのか分からなくなったり、無意識に差別的な発言をしてしまって後悔することが昔も今もたくさんあります。WASEDA ALLY WEEKSでは、真のアライになるためのステップとして以下3つの力を伸ばせるような6つの企画を行いました。がんばった!

①Action(LGBTQ+の人たちのために行動できる力) 

トークセッション 「real voice」
WASEDA PRIDE PARADES ありのままでしあワセダ
English article

②Knowledge LGBTQ+を含む多様な性のあり方に関する正しい知識 

「私はAlly!」って言うために、一緒に立ち止まって考えようWS!
Rainbowing Waseda Project 

③Mind( LGBTQ+の人たちの気持ちに寄り添う力 

トークセッション「監督と研究者で考えるこれからの映画とLGBTQ +」
最強ALLY道場

各イベントの開催報告はハイパーリンクから飛べますので、そちらも是非ご覧くださいね⭐️

WASEDA PRIDE PARADESでキャンパスを闊歩する人々

「WASEDA PRIDE PARADES ありのままでしあワセダ」で早稲田キャンパスを闊歩する人々

 

WASEDA ALLY WEEKSやってみて…】 

一つ一つの企画が濃密でした。真のアライを目指す仲間に出会えたり、このGSセンターができる前から戦ってきた早稲田の先輩の話を聞けたり、クィア映画loverとして尊敬する研究者お二人と東海林監督の贅沢な対談が聞けたり……学生スタッフ、職員が力を合わせてなかなか良いイベントができたのではないかと思っています。(自画自賛)

今回、私さおの中では個人的テーマとして「早稲田におけるLGBTQ+コミュニティの可視化」をしたいという願望がありました。私は女性なのですが、友人と会うとよくこんなことを言われます。

「で、どうですか?男関係の方は?」「彼氏できた?」

これらの質問をしてくる方は、私がレズビアンやバイセクシュアルかもしれない、Aro/Aceであるかもしれないということが全然頭にないんだと思います。最近は「その人のジェンダーやセクシュアリティによって差別されることはあってはならない」と聞けば、「それはそうだよね」と思う方のほうが多くなってきているのではないかなと(願いも込めて)思うのですが、自分の近くにはLGBTQ+はいない、自分といま喋っている人はLGBTQ+ではない、と”無意識的に”判断しているケースがほとんどなのではないかと感じるのです。

WASEDA PRIDE PARADES でキャンパスを闊歩する人々

「WASEDA PRIDE PARADES ありのままでしあワセダ」の西早稲田キャンパスでの一幕

そんな「異性愛者で当たり前」「シスジェンダー(生まれたときに割り当てられた性別と性自認が一致する人)で当たり前」「性愛者(恋愛的・性的に他者に惹かれる人)で当たり前」という人々のアンコンシャスバイアスをいつか変えられない限り、「どんな性のあり方でも公正に生きられる社会」はいつまでも訪れないのではないか?といつも心の中でモヤモヤしていました。

ですが今回この WASEDA ALLY WEEKS を開催して、”可視化”という目的を少しは達成することができたんじゃないかな、と微弱ではありますが達成感があります。特に、パレード企画「WASEDA PRIDE PARADES ありのままでしあワセダ」ではその”可視化”の効果が如実に目の前で現象として起こっていることに、私の中で言葉に形容し難い感情が沸き起こりました。

所沢キャンパスから始まって早稲田キャンパスでラストを迎えたパレード。回を重ねるごとに参加してくれる方が増えていって、最後の早稲田キャンパスでは100人を超える人が集まってくれました。精一杯の声を上げながらパレードを歩いているとき、大学構内を歩いている人々の突き刺すような視線は正直痛かったです。ただ、私たちは「今」「ここに」いるんだぞということをその人たちの目にしっかりと写せたと思います。終わった後、一緒に歩いた仲間たちたちが「楽しかった!」「よかった!」と言い合っている姿が印象に残っています。

今回WASEDA ALLY WEEKSを開催するにあたって、今までLGBTQ+コミュニティの先人たちが行ってきた運動をアライの名の下に簒奪しないことを心がけて来ました。このイベントには有難いことに好意的な感想がたくさん寄せられましたが、もちろん完璧でないところが多々あると思います。「どんな性のあり方でも公正に過ごせる」早稲田大学を目指すため、今後もこのWASEDA ALLY WEEKSを続けていきたいと思っているので、是非いろんなご意見をお寄せいただけると有難いです。皆様の声とともに、次のステップへ進んでいきたいです。これからもよろしくお願いいたします!

それでは最後に、以下にGSセンタースタッフの感想を掲載いたします。ご参加・ご協力くださった皆様、本当にありがとうございました。 

WASEDA PRIDE PARADESでキャンパスを闊歩する人々。ある人のプラカードには「ひとりじゃない」の文字。

「WASEDA PRIDE PARADES ありのままでしあワセダ」で早稲田キャンパスを歩く人々の列

【GSセンタースタッフの感想(50音順)】 

Akané Kousaka (she/her) 向坂あかね(専門職員)
The WASEDA ALLY WEEKS, like other ally weeks events in Japan, offer an opportunity for people who are eager to learn about, explore, and participate in various actions to support the LGBTQ+ community and promote the work the community and its allies have been pressing on. I honestly could not tell how important this kind of event was until I actually took part in its operation and witnessed the positive impacts the event had on the participants. I greatly appreciate the student staff members who chose to make it happen!

あき(学生スタッフ)
わたしは早稲田キャンパスとそれ以外のキャンパス学生のGSセンターへのアクセスの格差を問題視していました。その点から言うと、今回さまざまなイベントでオンライン参加があったり、早稲田キャンパス以外でもパレードを行えたことは非常に意義深いと考えています。また期間中、顔出しパネルや立て看板を銅像周りに設置したり、ポスターを貼るなど早稲田キャンパスで注目を集められたこともよかったです。同時にこれらの試行錯誤に対する批判も参加者や学生さん方からもらえたら嬉しいです。学生スタッフや職員の日々の積み重ねによってGSセンターやイベントが可能になっていることを評価した上で、それらのあり方や批判的に検討し続けることや、他キャンパスに(GSを乗り越える)新たなセンターやGSの分室を設置することを進めていきたいと思っています。

がっきー(学生スタッフ)
6月に学生スタッフとなり、このようなGSセンターが一丸となって取り組む大規模のイベントに関われたことを嬉しく思います。企画の段階やイベントの中で多くの人と話し合い、「ALLY」について深く考えることができ、自分の学びにも繋がるイベントとなりました。また、早稲田大学の中にこんなにも「ALLY」がいるんだという嬉しさを感じられると同時に、多くの人に「ALLY」の存在を知ってもらえる機会となったと思います。

今回のイベントを通して、GSセンターでできることを精一杯頑張りたいと改めて強く思いました。 WASEDA ALLY WEEKSを経て、さらに未来に続いていくような活動をこれからも行っていきたいと思います!

カナ(学生スタッフ)
イベントを通じて、私たちが2022年にWASEDA ALLY WEEKSをこのように行えたことは、先輩たちが今より困難な状況にあっても、早稲田大学で行動し、積み重ねてきたことの結果であると強く思いました。これからもGSセンターの活動を通じ、性のあり方に関わらず、安心・安全にキャンパスで過ごせるよう頑張っていきたいです。そして、その動きが将来まで続いていくことを願っています!

神林(専任職員)
WASEDA ALLY WEEKSの企画が産声をあげたのが今年の5月。初めて尽くしで思うようにいかず、妥協したこともたくさんありました。それでも、この道の先に望む未来があることを信じて、走り抜けた半年間でした。「アライとは何か?」この問いに答えが出ることは永遠にないのかもしれない。それでも、今できることをやる。この一歩が道となって、未来に続いていくことを願います。

けい(学生スタッフ、WASEDA ALLY WEEKS共同リーダー)
「ALLYとはLGBTQ+やその関連コミュニティを積極的に支援する存在である」って最初に聞いた時、なんともぼやけた言葉だなと思いました(笑)。ただ、私たちに与えられたこの大切な「ぼやけた使命」をどうやったら具体的に実践できるのか参加者の方々と考え続けた2週間は非常にエキサイティングでした。私が私でいることに、「あんたって最高✰!」と示してくれる、そしてしんどい時には寄り添って、声を挙げて怒ってくれるALLYがもっともっと増えてほしい。ALLYを探す必要がないくらいALLYで早稲田が溢れかえるその日まで、GSセンターの活動は続いていきます!(そしてその後も!)

白戸(専任職員)
GSセンターが一丸となって作り上げたWASEDA ALLY WEEKS。さまざまなキャンパスで、いくつものイベントを実施できたことは大きな意味を持つはずです。ALLYの存在を強く感じる2週間が終わりましたが、性のあり方によらず誰もが過ごしやすい早稲田を実現すべく、これからもGSセンターの一員として、精一杯活動し続けていこうと強く感じました。

ともひろ(学生スタッフ)
WASEDA ALLY WEEKSを通して、学内でALLYの存在を可視化できたのではないでしょうか。準備の途中でさまざまな壁に直面しながらも無事にイベントを終えることができたのは、他の学生スタッフや職員をはじめに多くの支えがあったからです。先人たちがつないできたバトンを受け継ぎ、大きな一歩を踏み出した瞬間を経験できたことを誇りに思います。誰もが「ありのままでしあワセダ」と言えるように、これからも尽力していきます。

中川(専任職員)
私は兼務職員の立場であまり協力できませんでしたが、いくつかのイベントに参加させていただいて学生スタッフの皆さんの力は本当にすごいと思いました!様々な立場の学生がたくさん参加してくれたのは、学生スタッフの視点と実行力があってこそ。少し残念なのはSDC以外の教職員の参加が私が思ったより少なかったことです。ALLY WEEKSの趣旨に賛同するは教職員は少なくないはずですし、中川が参加したイベントの内容は教職員にとっても有益なものなのではないかと思います。

はーちゃん(学生スタッフ)
学生スタッフとなって3年ほどたちますが、職員や学生スタッフがこれほどまでに一丸となって一つのイベントを作り上げた経験はありませんでした。準備が大変な部分もありましたが、より多くの人に「ALLYはここにいる!」という声を届けられたという点で達成感をかみしめています。これを2週間だけの出来事に終わらせずに、今後もGSセンターから「ALLYはここにいる!」というメッセージを発信し続けていきたいです。

古堂(専門職員)
撮影係だったわたしから見て、早稲田キャンパスでのパレードに100人近い方が参加された様子は圧巻でした。トークセッション「real voice」の中で伺った話では、2000年代半ばに早稲田大学で開催されたプライドパレードの参加者はわずか4名だったそうです。そうした歴史があって、いまがある。そして、この2週間もまた、未来に続く歴史の1ページになったのではと感じました。

みきさん(スチューデントダイバーシティーセンター課長)
学内キャンパスにおける温度差もありますが、全メインキャンパスで展開できたWASEDA ALLY WEEKSは歴史的なポイントです。GSセンターの新しい利用者やイベント参加者が増え、その活動が学内・学外において、より一層、理解されていくことを期待します。また、全キャンパスに学生だけでなく、教職員にも我々GSセンターを支えてくれる存在を知りえたイベントでもあり、可視化の重要性も再確認しました。

山さん(専任職員)
GSセンターが仕掛けたイベントでは今回のALLY WEEKSが過去最高に目立ったのではないかと推察する。学スタの労務管理をする身としては大幅な予算超過である点は今後の検討課題ではあるが、皆の頑張りにあっぱれ。最高の2週間であったと思う。企画段階からけん引していた職員のKさんが体調を崩した誤算はあったものの、スタッフ一同の頑張りで無事に全イベントを成功させることができた。あらためて学スタの力が発揮され、頼もしく思った。当事者、ALLY、ゲスト、スタッフが輝いた貴重な2週間に立ち会えたことを嬉しく思う。次年度も頑張ろう!

リョウ(学生スタッフ、WASEDA ALLY WEEKS共同リーダー)
私にとって、Allyとしてアクションを起こすことは、時にたくさんのエネルギーをつかうことです。調子のいい時、いまいちの時、色々ありますが、それでも、できるときにできるだけのアクションを起こすことが、間違いなく周囲に、そして社会に、影響を及ぼすのだということを、今回改めて実感しました。これから大学を出て、新しい場所で生きていくときにも、この経験を何度も思い出したいです。

ルー(学生スタッフ)
来日本留学以后,我参加了许多LGBTQ活动,在这个过程中我总是忍不住的去思考,在日本的我能为中国的性少数朋友们做些什么。因为新冠的原因,一直到今年夏天,我在早大校内都没有碰到多少留学生。在日本的性少数社群的朋友们一起共事,确实也让我感到充实且有意义。但无法和出身相同的同伴们建立联系,携手共进一事,也一直让我感到遗憾与难过。但在这次的AllyWeeks期间,来自各个国家的留学生参加了我们主办的各种活动,其中也不乏和我出身相同的朋友。我头一次意识到,在身边原来有这么多的同伴,这让我深受鼓舞。从今往后,我也会和在日本相识的同伴们携手共进,继续努力,让更多人听到酷儿的声音!

日本に来て様々なLGBTQ+の活動に参加してから、「日本にいる私は母国のクィアの人たちに何ができるのか」と思ってきました。コロナが続いてきたせいで今年の夏まで入国制限も厳しく、早稲田キャンパスで留学生をあまり見かけませんでした。日本のコミュニティの皆さんと一緒に活動していくのがとても有意義なことだと思いますが、母国にルーツを持っている・母国出身の仲間と連帯できない残念で寂しい気持ちはずっと自分の中にあります。しかし今回のAllyWeeksでは、様々な国からやってきた留学生の方が参加してくださって、その中で自分と同じ国出身の方もいます。「こんなに仲間がいるんだ、私が知らなかっただけだ」と改めて思いました。これからも、母国で形にできて口に出せなかった言いたいことを、日本で知り合った大勢の仲間たちと一緒に発信していきます!

WASAEDA PRIDE PARADESでの集合写真

「WASEDA PRIDE PARADES ありのままでしあワセダ」の戸山キャンパスでの集合写真

GSセンターは、早稲田大学のLGBTQ+(性的マイノリティなど)学生や、ジェンダー・セクシュアリティに関心のある全ての人(アライ含む)の居場所であり、誰もが自由に利用できるセーファースペース兼リソースセンターです。

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