「高精度変位計測装置の実証」を目的とした大気球実験を実施
宇宙探査ロボティクス研究所(宮下 朋之所長、理工学術院教授)などが開発に携わった、高精度変位計測装置の実証を目的とした実験(B21-08)が、2021年7月9日(金)午前3時33分に国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)にて行われました。
実験は宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所が提供する大気球による飛翔機会を利用し、早稲田大学、東京都立大学、防衛大学校、大阪府立大学の研究者が参画しました。実験代表者として、石村康生教授(早稲田大学 総合機械工学科)が従事し複数の教員及び学生により実験を実施しました。
設計・製作・試験・実施の全般にわたりまして、宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所および参画大学および研究者の協力に謝意を示します。各種の機器の製作については、理工学術院・工作実験室の皆様の協力を頂き感謝いたします。
実証実験に関して詳しくは、
・石村 康生、河野 太郎、田中 宏明、小木曽 望、宮下 朋之、土居 明広、福家 英之、田村 誠、鳥阪 綾子、山崎 真穂、小幡 奏天、安田 優也、
“高精度変位計測装置の実証計画について 2020 年度、” 大気球シンポジウム 2020.
・石村 康生、河野 太郎、鳥阪 綾子、宮下 朋之、土居 明広、山崎 真穂、安田 優也、田中 宏明、小木曽 望、中尾 達郎、田村 誠、水村 好貴、福家 英之、小幡 奏天、山本 晃也、
“高精度変位計測装置の実証実験について -2021年度-,” 宇宙科学技術連合講演会2021.
をご参照ください。
高精度変位計測装置とは
メートル規模の計測対象構造物と計測機器をワンパッケージ化したものです。
この変位計測システムは,従来の変位計に比べて作動距離が長いため構造体に直接取り付けることが可能なほか,シンプルなシステム構成によって高信頼性,低コスト化が期待され,多様な実験への用途拡大が可能となります。
本実験では,大気球の飛翔環境下で計測対象構造物の変形を熱膨張によって人為的に発生させ,その変位をレーザ変位計でマイクロメートルオーダーの精度で計測することで,変位計測システムの機能実証を目指しました。
当日の作業
- 飛行機から撮影した大樹航空宇宙実験場
- 実験装置のフライト前の試験の様子
- 装置を搭載した大気球放球前
- フライトコネクタ部分
- ゴンドラの回収作業
今後の予定
今後は宇宙空間での試験等を計画しており、将来的には宇宙空間での利用技術として確立することを目指しています。