Comprehensive Research Organization早稲田大学 総合研究機構

その他

クレジットビジネス研究所【第Ⅱ期】
Institute for Research on Credit Business

【終了】2015~2020年度

研究テーマ

クレジットビジネスにまつわる諸問題の学際的かつ国際比較の視点からの調査・研究

分野:社会システム

研究概要

個人または家計は、さまざまな金融リスクや将来のライフイベントを考慮しながら、クレジットを利用している。本研究所では、クレジットビジネスにまつわる諸問題を、クレジットの利用者と提供者の双方の側から、学際的かつ国際比較の視点から調査・研究する。
本研究所は2005年10月の発足以来、それまでに数多くの研究がなされていた企業金融を扱うコーポレート・ファイナンスではなくて、個人(消費者)を対象とするパーソナル・ファイナンスに関して学術的な研究活動を行ってきたが、この5年間にクレジットビジネスをめぐる環境は大きく変貌した。市場の縮小、既存プレーヤーの市場からの退出、違法業者、法改正が経済や利用者に及ぼす影響、ITやソーシャルメデイアの発達による新たな商品・サービス・チャネルの開発、信用情報の保護と利用、多重債務者問題、金融教育、カウンセリング、セーフティネットの充実など、解明すべき問題が山積みされている。クレジットと他の分野との融合も進み、消費者のクレジットに対する関心も多様化している。
本研究所では、こうした経済、社会の変化に対応して、一層活発な研究活動を行いたいと考えている。具体的には、上で掲げたようなクレジットにまつわる諸問題を理論的かつ実践的に解決するために、経済、産業、経営、消費者、諸外国の事情といった側面から国際的・学際的に調査・研究を行う。

研究報告

【2018年度】
(1)2018年6月、信用アクセス・包摂法が米国下院を通過した。これは、公正信用報告法を修正し、家賃や電気・ガス・水道代、電話代などの支払い情報、すなわちポジティブなオルタナティブ・データの信用情報機関への報告を明確化するものである。オルタナティブ・データの有用性についての先行研究をレビューした。(2)デジタルフットプリントとは、インターネットを使用しているときに残すすべての痕跡である。最近、このデジタルフットプリントを用いて、借り手の債務不履行率を予測する研究がいくつか行われており、それらの研究をレビューした。(3)オンライン上で友だちに恵まれた人は、消費者ローンでも、友だちが借り手の信用力を示すシグナルとしての役割を果たしていることから、ローンが認められる確率が高く、金利も低く借りられ、債務不履行率も低いることが最近の研究で示されている。それらの研究をレビューした。(4)中国でのAIを用いた与信業務の展開は、日本とは比較ならないぐらい進んでいる。中国のフィンテック業界をリードするアリババグループによるビッグデータの活用と多様な金融ビジネスの展開について事例研究を行った。

【2017年度】
(1)2016年5月のレンディングクラブの創設者の解任以来、プロスパー、オンデックなどのオンラインレンダーのビジネスモデルに疑問符がついている。他方、銀行がオンライン貸付を積極的に推進したり、ゴールドマンサックスのMarcusのようにウォルストリートからも参入が始まっている。米国におけるオンラインレンダーの最近の動向をサーベイした。(2)金融サービス業界ではデジタル化が進み、フィンテック企業の市場参入も始まっている。この進化するエコシステムの中で金融サービス会社はどこで、どのように競争したら、競争優位を獲得して、経済価値を創出できるのか。金融サービス会社によるフィンテックの活用戦略として3つのビジネスモデルを検討した。(3)契約内容の開示変更(例えば、ミニマムペイメントだけでなく、3年で完済するための毎月の返済額)がクレジットカード利用者の返済行動に及ぼす影響に関する先行研究をレビューした。(4)韓国の貸付金融業に対する上限金利は、2014年4月に34.9%に引き下げられた後、2016年3月3日に27.9%に引き下げられた。また、金融監督院検査対象になっている貸付金融業者は貸付情報を2016年8月から貯蓄銀行やイータネット銀行と共有することになる。上限金利の引下げと貸付情報の共有が貸付金融市場に及ぼす影響を検討した。

【2016年度】
(1)2016年5月のレンディングクラブの創設者の解任以来、プロスパー、オンデックなどのオンラインレンダーのビジネスモデルに疑問符がついている。他方、銀行がオンライン貸付を積極的に推進したり、ゴールドマンサックスのMarcusのようにウォルストリートからも参入が始まっている。米国におけるオンラインレンダーの最近の動向をサーベイした。(2)金融サービス業界ではデジタル化が進み、フィンテック企業の市場参入も始まっている。この進化するエコシステムの中で金融サービス会社はどこで、どのように競争したら、競争優位を獲得して、経済価値を創出できるのか。金融サービス会社によるフィンテックの活用戦略として3つのビジネスモデルを検討した。(3)契約内容の開示変更(例えば、ミニマムペイメントだけでなく、3年で完済するための毎月の返済額)がクレジットカード利用者の返済行動に及ぼす影響に関する先行研究をレビューした。(4)韓国の貸付金融業に対する上限金利は、2014年4月に34.9%に引き下げられた後、2016年3月3日に27.9%に引き下げられた。また、金融監督院検査対象になっている貸付金融業者は貸付情報を2016年8月から貯蓄銀行やイータネット銀行と共有することになる。上限金利の引下げと貸付情報の共有が貸付金融市場に及ぼす影響を検討した。

所長

坂野 友昭[さかの ともあき](商学学術院教授)

メンバー

【顧問】
江夏 健一(早稲田大学名誉教授)

【研究所員】
坂野 友昭(商学学術院教授)
矢後 和彦(商学学術院教授)
島岡 未来子(政治経済学術院教授(任期付))
村瀬 俊朗(商学学術院准教授)
山野井 順一(商学学術院准教授)

【招聘研究員】
井上 葉子(日本大学商学部准教授)
上田 勇
大澤 和人(大阪経済法科大学法学部准教授)
桑名 義晴(桜美林大学名誉教授、千葉商科大学大学院客員教授)
上妻 博明(ハリウッド大学院大学教授)
宗 健(大東建託株式会社賃貸未来研究所所長)
堂下 浩(東京情報大学総合情報学部教授)
樋口 大輔(東京情報大学総合情報学部准教授)
藤原 七重(千葉商科大学商経学部教授)
舟橋 哲(立正大学法学部教授)
李 立栄(京都先端科学大学経済経営学部経営学科准教授)

連絡先

[email protected]

WEBサイト

http://www.waseda.jp/prj-ircfs/

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