電動車両(EdVs)研究所【活動終了】
Research Institute of Electric-driven Vehicles
【終了】2008~2011年度
研究テーマ
プラグインハイブリッド自動車ならびに短航続距離頻繁充電型電気自動車に関する包括的研究
研究概要
近年,自動車にかかわる「環境・エネルギー問題」が大きな話題となっているが,当研究所では,代替自動車として期待されている「電動車両」に関する研究をすすめる。
電動車両は,環境調和性に優れたモビリティーである。具体的には,「温室効果ガス削減効果」,「エネルギーシフト効果」,「周囲環境負荷低減効果」,「乗車環境改善効果」が極めて高い。しかし,主に「バッテリ」とバッテリへの「充電」に大きな技術的課題を抱えており,なかなか大量普及出来ない状態となっている。当研究所では,現在唯一実用化された電動車両である「ハイブリッド自動車」の次の世代の電動車両として最も有望視されている「プラグインハイブリッド自動車」,「短航続距離頻繁充電型電気自動車」にターゲットをしぼり,それぞれ固有の課題を解決すると同時に,共通の「バッテリ・充電問題」に対処していく。その際のキーテクノロジーは,我々が独自に開発した「非接触急速誘導充電装置」である。
当研究所における研究活動は,「技術開発」から「性能評価」までを包括的に網羅した極めて独自性の高いものであり,今後の「環境調和型電動車両」の発展に大きく寄与するものと確信している。
研究報告
2010年度
研究報告 当研究所では,ヒトと地球にやさしい電動車両を対象とした研究を行っている。具体的には,近い将来実用化が見込まれる「プラグインハイブリッド自動車:PHEV」,「短距離走行高頻度充電型電気自動車」にターゲットをしぼり,種々の活動を進めている。本年度の成果を以下にまとめる。
?電動車両用非接触急速誘導充電装置の研究開発
電動車両への充電を短時間・安全・手間いらずで行うことの出来る非接触急速誘導充電装置を設計・製作し,性能を評価した。本年度は特に,非接触送電長の増大を目的とした検討を行い,送電長を車両の最低地上高と同一レベルとすることに成功した。
?PHEVの性能評価
プラグインハイブリッド自動車は,従来のハイブリッド自動車に外部充電電力による走行が加わることで,近距離走行において電気自動車と同等の環境調和性がもたらされる車両方式である。本年度は特に,搭載電池の容量劣化と内部抵抗劣化が車両性能に与える悪影響について明確化した。
?先進電動マイクロバスの公道実証試験と性能評価
当研究室のグループが開発した先進電動マイクロバスを用いた公道実証試験を企画・実行した。本年度は「本庄市」,「熊谷市」にて活動を行った。
2009年度
研究報告 当研究所では,ヒトと地球にやさしい電動車両を対象とした研究を行っている。具体的には,近い将来に実用化が見込まれている「プラグインハイブリッド自動車:PHEV」,「短距離走行高頻度充電型電気自動車」にターゲットをしぼり,種々の活動を進めている。本年度の成果を以下にまとめる。
?電動車両用非接触急速誘導充電装置の研究開発
電動車両への充電を短時間・安全・手間いらずで行うことの出来る非接触急速誘導充電(IPS: Inductive Power Supply)装置を設計・製作し,性能を評価した。本年度は特に,共振回路最適化理論の構築を行った。
?PHEVの性能評価
プラグインハイブリッド自動車(PHEV: Plug-in Hybrid Electric Vehicle)は,従来のハイブリッド自動車に外部充電電力による走行が加わることで,近距離走行においてBEVと同等の環境調和性がもたらされる車両方式である。本年度は特に,シリーズ・パラレル型PHEVを対象とした動力システムシミュレータの構築を行った。
?先進電動マイクロバスの公道実証試験と性能評価
当研究室のグループが開発した先進電動マイクロバスを用いた公道実証試験を企画・実行した。本年度は,「千葉県佐倉市」,「埼玉県本庄市」,「奈良県奈良市」,「大阪府中之島」にて活動を行った。
上記研究成果は,2010年1月20日開催の「第二回電動車両研究所・電力技術懇談会・モビリティー研究会共催講演会」にて報告された。
2008年度
研究報告 当研究所では,環境にやさしい電動車両を対象とした研究を行っている。具体的には,近い将来に実用化が見込まれている「プラグインハイブリッド自動車:PHEV」,「短航続距離頻繁充電型電気自動車」にターゲットをしぼり,種々の活動を進めている。本年度の成果を以下にまとめる。
?電動車両用非接触急速誘導充電装置の研究開発
電動車両への充電を安全・簡単・短時間で行える非接触急速誘
導充電装置を開発し,性能を評価した。本装置は特に送電部と
受電部の形状最適化により高効率小型軽量化,長エアギャップ
化を実現できたものである。本年度は軽自動車用の小型1kW
器,ならびに路面電車用大型150kW器の開発を行った。
?PHEVの性能評価
PHEVは,従来のハイブリッド自動車に外部充電電力による走行
が加わることで,近距離走行において電気自動車と同等の環境
調和性がもたらされる車両方式である。しかしながら,走行距離
に応じて環境性能が大きく変化するため,実走行条件による性能
評価を行ったうえで市場への導入の可否を決定する必要がある。
本年度は,PHEVの日本導入時の環境調和性について,ここでの
典型的な走行パターンや走行距離を考慮しつつ評価を行った。
?先進電動マイクロバスの公道実証試験と性能評価
当研究室のグループが開発した短航続距離頻繁充電型電動マイ
クロバスを用いて,一般市民に電動車両の優れた乗車環境改善
効果と周囲環境負荷低減効果を体験してもらうことを目的とした
公道実証試験を企画・実行した。本年度は「堺市」,「奈良市」,
「守山市」にて活動を行った。
所長
紙屋 雄史[かみや ゆうし](理工学術院教授)
メンバー
研究所員
紙屋 雄史(理工学術院教授)
大聖 泰弘(理工学術院教授)
吉田 徳久(理工学術院教授)
草鹿 仁(理工学術院教授)
横山 隆一(理工学術院特任教授)
連絡先
55号館S棟704号室
E-mail: [email protected]