Center for Data Science早稲田大学 データ科学総合研究教育センター

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「データサイエンス活用の最前線 ~ISIDのビジネス事例と産学連携・研究助成の解説~」開催

2019年10月11日、データ科学総合研究教育センター主催の第8回シンポジウム「データサイエンス活用の最前線 ~ISIDのビジネス事例と産学連携・研究助成の解説~」を開催しました。株式会社電通国際情報サービス(以下、「ISID」)とデータ科学総合研究教育センターは、2019年10月に研究教育活動を積極的に連携して推進するために包括協定を締結しました。この協定に基づき、今回シンポジウムを開催する運びとなりました。

開会では、まずISID Xイノベーション本部 本部長補佐 兼ビジネスインキュベーション部長の幸坂知樹氏が挨拶を述べました。主な内容は次のとおりです。
ISIDは1975年に電通とGeneral Electric Company (GE) とのジョイントベンチャーとして設立されました。創立以来社名が変わっていないことが特徴の1つでありますが、業務内容は時代の変化とともに、例えばインターネットの普及やハードディスクの開発・更新により大きく変化してきました。昨今のAIの時代をますます推進させるために、外部の学術機関、特に海外の機関とも連携しベンチャー企業を設立するに至っています。今般、データ科学総合研究教育センターと協定を締結し、研究助成金という形で支援をさせていただくことになりました。この研究助成金での成果やアイディアを1年後に皆さんとぜひ共有したいと思います。

続いて、本学研究推進部長の合田亘人教授が挨拶を述べました。主な内容は次のとおりです。
データ科学総合研究教育センターは2017年12月設立されましたが、設立当初より、本学においてデータ科学の研究教育をどのようにやっていくのかを考えてきました。データ科学の研究において、企業との連携・サポートは必要不可欠なものであると考えています。データビジネスの分野に着眼すると本学の人文社会系がメインにも思われますが、理工系も含めて全学をあげて連携しながら、このシンポジウムをきっかけに将来的な共同研究につながっていくと良いと思っています。本日のシンポジウムを通して自身が気づいていない視点からデータ科学をみること、視野の広がりをもっていただいて、データ科学をどう発展させるのか考えていきたいです。

司会進行は、本学データ科学総合研究教育センターの野村亮教授が務めました。

ISID 幸坂本部長

本学 合田研究推進部長

データ科学総合研究教育センター 野村教授

 

開会挨拶後、ISIDのビジネス事例について3つの講演が行われました。

まずコミュニケーションIT事業部の大久保知成氏より、「デジタルマーケティング領域におけるソーシャルメディアデータの活用」と題し講演がありました。主な内容は次のとおりです。
デジタルマーケティングとはデジタルテクノロジーを使い、データにもとづいたシステムに則ったマーケティングのことであり、具体的には市場調査の上に戦略を立て、無数のツールから企業に合ったものを策定してマーケティングを構築しています。ISIDではNetBaseというソフトを使いデジタルマーケティングを行います。NetBaseとは、ツイッターやインスタグラム等のSNSの解析・分析を簡単にできるツールであり、スピードも速く精度も高レベルなツールです。NetBaseを用いた成功例として、ブランドの他社との比較・評価の事例や、事業の拡大性につながった事例、元々は顧客ではないと思っていた層にアプローチできた事例があります。

次に、AIテクノロジー部の小川雄太郎氏より、「BERTとinfluenceを用いたテキストデータの説明性技術の開発」と題し講演がありました。
この講演では、BERTとは自然言語処理のディープラーニングモデルであり、influence とは訓練データ1つを抜いてモデルを学習させ、説明したいテストデータを推論した際、推論結果が最も変化する訓練データのことであると説明がありました。また、このBERTとinfluenceを組み合わせたテキストデータの技術を用いた具体例について、一見難しい内容を非常に分かりやすい言葉で対象テストデータの具体的文章を用いて説明されました。今後のビジネスへの展望も語られ、これらの技術を用いた将来の展望は大きく、今後の余地も大きいことからますますの発展が見込まれます。

次にAIテクノロジー部の深谷勇次氏より、「ISID 最近のビジネス現場におけるAIの活用事例と困りごと」と題し講演がありました。
この講演では、顧客企業の現場で感じた困りごととして、AI利用のアイディアが思い付かないこと、逆にアイディアはあるがデータが不足していることがあること、AIが分かる人材が不足していること等が述べられ、その解決策も紹介されました。さらに、データを価値に変えるためには課題設定や目的の明確化、対応するデータ準備が重要であると説明がありました。AIの活用事例として、「PoC」(Proof of Concept):概念検証(トライアル)を通じて検証していくが重要であること、ビジネスにAIを活用するための3つの観点(ビジネス観点、ユーザー観点、テクノロジー観点)をどのようにつなげるかが重要であることが述べられました。

ISID 大久保氏

ISID 小川氏

ISID 深谷氏

 

次に、AIテクノロジー部の小川雄太郎氏より、「研究助成金の募集:公募の説明と想い」と題し講演がありました。主な内容は次のとおりです。
今回行う研究助成金は、ISIDでも初めての試みです。若手研究者にとって研究費獲得が困難であること、手続きや報告書が煩雑であることを鑑み、ハード面でもソフト面でも使いやすい研究助成金を実現させたいです。その結果、ユニークな研究成果が生まれればその後に共同研究契約を結びビジネスに繋げたいと考えています。研究者が研究を進めるにおいて、社会にどう役立つかという視点は大事ですが、一概に社会のためではなく、ただただ自分の内なる「知的好奇心」に駆動されて研究に没頭して欲しいと思っております。今般の研究助成では、ビジネス応用的観点だけでなくこのような視点も大事にしたいと考えています。

会場の様子

 

次に、本学データ科学総合研究教育センター教務主任・社会科学総合学術院の須子統太准教授より、「専門家とのコラボレーションによるデータ科学応用研究事例」と題し講演がありました。
この講演ではデータ科学の応用研究として、第一に、珠算競技への応用に関する研究成果についての発表がありました。珠算競技におけるトレーニング法として、機械学習を利用した手法や成果について紹介されました。第二に、ナノスケールデバイス設計の効率化についての共同研究成果の発表がありました。次世代デバイスシミュレータを機械学習に置き換え、これにより生成されたデータを用いて予測モデルができたことの説明がありました。さらに、研究を行う上で大切なこととして、専門家の知見が重要であること、専門家が直感的に感じていることを大事にすること、対象領域に興味を持つこと、一人ではできないというお互いの歩み寄りが重要であることが述べられました。

次に、本学データ科学総合研究教育センターの小林学教授より、「産学連携スマートスタジアムプロジェクト」と題し講演がありました。
この講演では、産学連携の事例としてスマートスタジアムプロジェクトが紹介されました。このプロジェクトではISIDやデータ科学総合研究教育センター等4つの組織が連携し、ラグビー観戦アプリの開発のための実証実験を行っています。また、アプリ開発のプロセスの紹介では、有志の学生やプロジェクトメンバーでワークショップを行ってペルソナ(商品やサービスを利用する最も典型的なユーザー像)を設定し、そのペルソナにとってどのようなアプリが良いかを何度も検討したことが説明されました。このアプリによりデータを自動取得する方法を検討し、産学連携を進める上でwin-winの関係が重要であることが述べられました。

最後に、閉会にあたって本学データ科学総合研究教育センター所長・理工学術院の松嶋敏泰教授より、ISIDおよびその講演者へ御礼が述べられました。さらに、本センターでのデータ科学の研究教育が、研究者自身の専門性があった上でのデータ科学であってほしいということ、自身の専門性にデータ科学の知識をプラスする形で進めてほしいということが述べられました。さらに、学内外との連携・マッチングは決して簡単ではないが、本日のようなシンポジウムや、本学での教員の専門分野や研究成果の情報を公開することが大切であること、研究助成金も新しい試みで大変有り難いことであり、今後のデータ科学研究の発展のためにも今後ともぜひ連携していきたいという思いが述べられました。

会場には本シンポジウムの成功を祝す来場者からの拍手が響き渡り、盛会に幕を閉じました。

データ科学総合研究教育センター 須子教務主任

データ科学総合研究教育センター 小林教授

データ科学総合研究教育センター 松嶋所長

 

シンポジウム概要

( チラシはこちら

 

プログラム

15:00 開会挨拶 ISID Xイノベーション本部 本部長補佐 兼ビジネスインキュベーション部長 幸坂知樹氏、本学研究推進部長 合田亘人教授
15:10 「デジタルマーケティング領域におけるソーシャルメディアデータの活用」 ISID コミュニケーションIT事業部 大久保知成氏
15:30 「BERTとinfluenceを用いたテキストデータの説明性技術の開発」 ISID AIテクノロジー部 小川雄太郎氏
15:50 「ISID 最近のビジネス現場におけるAIの活用事例と困りごと」 ISID AIテクノロジー部 深谷勇次氏
16:10 休憩
16:20 「公募の説明と想い」 ISID AIテクノロジー部 小川雄太郎氏
16:40 「専門家とのコラボレーションによるデータ科学応用研究事例」 本学データ科学総合研究教育センター教務主任、社会科学総合学術院 須子統太准教授
17:00 「産学連携スマートスタジアムプロジェクト」 本学データ科学総合研究教育センター 小林学教授
17:20 閉会挨拶 本学データ科学総合研究教育センター所長、理工学術院 松嶋敏泰教授

 

主催・お問い合わせ先

早稲田大学データ科学総合研究教育センター事務所
TEL:03-3204-9164
Email:[email protected]

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