School of Sport Sciences早稲田大学 スポーツ科学部

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OGに聞く FIFAマスター日本人合格者2名はいずれもスポ科出身~その2

スポーツ科学部卒業生でア式蹴球部(サッカー・女子)出身の2人、辻 翔子氏と大滝麻未氏が2016年秋、FIFA(国際サッカー連盟)が運営する大学院「FIFAマスター」に進学した。元日本 代表主将・宮本恒靖氏が修了したことで日本のスポーツ界でも広く認知されるFIFAマスターに、日本人2名が同時入学するのは初めてのこと。「早稲田大学スポーツ科学部に身を置いた4年間があるからこそ」海外の大学院進学という決断ができたという2人に、進学先での抱負や将来のスポーツ界の展望などをインタビューした。[聞き手:江橋よしのり]

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FIFAマスターの入学式にて

左から三番目が辻 翔子(つじ・しょうこ)氏、右から三番目が大滝麻未(おおたき・あみ)氏

 

スポーツ科学部での学びが、未来を切り拓く手がかりに

——FIFAマスターへの進学にあたり、スポーツ科学部で学んだことはどのように役立っていると思いますか?

 早稲田大学で知識として身につけたことは、社会に出てやっと実感を伴った理解につながりました。今度は社会人経験を踏まえて学ぶことができるので、大学時代よりもいろいろなことを吸収できるのかなと期待しています。

大滝 私はプロ選手、翔子さんはジャーナリストという社会経験を経て、20代後半に「私はこれからこういうことがやりたい」という具体的なイメージができました。その夢を実現させるために「海外の大学院でさらに深く学ぶ」という行動に移れたのは、スポーツ科学部に身を置いた4年間があるからこそだと感じています。

 そうですね。何の手がかりもなければ、始められない。

大滝 スポーツ史やスポーツビジネスなど、スポーツ科学部の授業で学んだ知識が今後につながることはもちろんですが、それだけでなく、スポーツ界に関して相談したらとても魅力的な道を示してくれる先生方が多いのも、早稲田大学だからこそなのかなと思います。

IMG_7573-1  面白い先生方が多いですからね。私は石井先生のゼミでなかったら、FIFAマスターの存在さえ知らなかったと思います。また早稲田大学には全学オープン科目がたくさんあります。スポーツに限定されず、さまざまな学問を横断的に学べるのも、早稲田大学らしいと思います。

——スポーツ科学部は選択肢が広いですよね。リベラルアーツ的というか。

 本当にそうですよね。外部の方には、もしかしたら学生が毎日練習ばかりしている「アスリート養成所」のようにイメージされる方もいるかもしれません。でも実際のスポーツ科学部は、多様な学問に触れられる場所です。アデレードやオレゴンに1ヶ月程度滞在して学ぶプログラムもありますし、「スポーツ英語」という授業もあります。卒業後の進路も、プロ選手になる人もいれば、チームや競技団体の運営スタッフになる人、メーカーに就職する人もいるし、教員になる人もいます。スポーツ界への就職は狭き門ですが、卒業後いったん他の業界でキャリアを積んでから、転職してスポーツ界に入ってくる人も多いんですよね。

 ポジティブな変化を受け止めて

大滝 これからのスポーツ界は選手出身の人に偏らず、さまざまな得意分野を持った人たちによる多様な価値観に基づいて運営され、発展していくと思います。

 FIFAマスターの学生にも、弁護士や税理士など、スポーツ出身ではない人がたくさんいます。

大滝 スポーツ科学部も、「インターハイで何位だった」といった実績だけで学生の価値が決まるわけではありませんよね。

 「いろんな国の人と一緒に、目標に向かって仕事をしたいな」と思う人にとっても、スポーツという市場は魅力的だと思います。そういう人にどんどんスポーツ科学部に入ってきてほしいです。

 ——最後に、在校生、受験生に向けて伝えたいメッセージをいただけますでしょうか。

 私は早稲田大学の4年間で、ア式蹴球部(サッカー)でスポーツを「やる」という経験、他競技の友だちの試合を「見る」経験、それ以外に大学リーグを「運営する」経験、「スポーツジャーナリズム論」などの授業で「伝える」経験を積むことができました。IMG_7614-1
スポーツにはいろいろな関わり方があるということを実感しました。在校生や受験生のみなさんには、「卒業後の進路は、選手になる以外にも、たくさんの選択肢がある」ということを感じてもらいたいと思います。いっぱい可能性があるので、とにかく挑戦してほしいと思います。

大滝 いろんな人や授業に興味を持って、幅広く学んでほしいと思います。大学4年間で自分の可能性を探り、その中で「将来これをやってみたい」と思うものに出会えたら、将来をイメージしながらさらに深く勉強できるといいと思います。高校まで一生懸命スポーツに打ち込んできた人は、「自分にはこれしかない」「必ずこうならなくてはいけない」と強く思っている人が多いかもしれません。でも、大学でさまざまな知識や刺激を得ることによって、夢や目標が途中で変わる場合があります。それは悪いことではありません。変わっていいんです。早稲田大学で学ぶ4年間の間に、高校生のころには想像もつかなかった新しい自分に出会えたのなら、自分にとってポジティブな変化だと受け止めて、新しいことにチャレンジしてほしいと思います。

「OGに聞く FIFAマスター日本人合格者2名はいずれもスポ科出身~その1」

このインタービューの前編「OGに聞く FIFAマスター日本人合格者2名はいずれもスポ科出身~その1」はこちらからご覧いただけます。

【プロフィール】

辻 翔子(つじ・しょうこ)

国際基督教大学高校出身。2011年3月、早稲田大学スポーツ科学部 スポーツ文化学科卒。卒業後、マドリードの大学院に進み、新聞社「アス」のインターンシップを経て、バルセロナのコーディネート会社に就職。リーガエスパ ニョーラの現地取材や中継、日本のスポーツチームのスペイン遠征のコーディネートなどに携わる。

大滝麻未(おおたき・あみ)

神 奈川県立鎌倉高校出身。2012年3月、早稲田大学スポーツ科学部スポーツ医科学科卒。2012年1月、オリンピック・リヨン(仏)とプロ選手契約。同年 5月UEFA女子チャンピオンズリーグ決勝戦に出場し、優勝。浦和レッズレディース、ギャンガン(仏)を経て、2015年5月、現役引退。日本代表通算3 試合出場。

江橋よしのり(えばし・よしのり)

茨城県立土浦第一高校出身。1997年3月、早稲田大学商学部卒。執筆家、女 子 サッカー解説者、FIFA Women’s Player of the Year 投票メンバー。著書に『世界一のあきらめない心』(小学館)、『サッカーなら、どんな障がいも超えられる』(講談社)など。

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