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4月3日(木)に早稲田大学所沢キャンパスにて「2014年度 スポーツ科学学術院 入学式」を執り行いました。こちら

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Posted
Fri, 04 Apr 2014

2014年度 スポーツ科学学術院 入学式 式辞

スポーツ科学学術院 入学式

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 4月3日(木)に早稲田大学所沢キャンパスにて「2014年度 スポーツ科学学術院 入学式」を執り行いました。

 保護者の皆様や本学教職員が見守る中、新生活への期待に胸を膨らませた新入生が新たな門出を迎えました。

式辞 -スポーツ科学学術院長 友添 秀則-

 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。また本日、ご列席のご家族の皆様方におかれましては、ご入学を心からお慶び申し上げます。スポーツ科学学術院入学にあたりまして、教職員を代表して、心からお祝いを申し上げます。 早稲田大学では、学部と大学院、各学部の研究センターをまとめて、学術院と呼んでおりますが、諸君も今日からスポーツ科学学術院の重要なメンバーになりました。桜が満開の今日の日と入学の初心を心に刻んでおいてください。そして卒業式の日に、諸君がここ早稲田大学で、そして、このスポーツ科学部で、多くの人たちと出会い、多くの経験を重ね、いかに成長したかを必ず振り返ってください。 昨年はスポーツ科学部10周年の記念すべき年でした。昨年の11月には、多くの卒業生や関係の先生方が集まり、祝賀の記念式典が盛大に行われました。今年は11年目の春を迎えています。人間にたとえるなら、自我が芽生え、これから春秋に富んだ、まさに青春時代を迎えようとしているところかもしれません。 ただし、スポーツ科学部はその源流を含めると、実は長き伝統に支えられた学部でもあるのです。

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 昨年は2020年の東京オリンピック開催が決まった記念すべき年となりましたが、本学部は今から50年前、1964年に開催された東京オリンピックの年の4月に120名の定員で開校した教育学部体育学専修を母体にしています。その後、1987年には、この所沢の地にキャンパスを移して、人間科学部スポーツ科学科として発展して参りました。 この50年の歴史と伝統の中で、多くの各界で活躍する卒業生を輩出してきました。若い卒業生では、先のソチ五輪で活躍した渡部善斗さん、暁斗さん兄弟、ロンドン五輪で現役の早大学生で銅メダルを獲得した星奈津美さん、そのほかにも多くのトップアスリート達が君たちが座っているその席に座り、勉学に励んできました。 またスポーツ科学学術院は、現在では我が国はもちろん、世界的にも注目を集めるスポーツ科学研究の拠点になっています。トップアスリートだけではなく、多くの卒業生が研究者として、国内外の大学や研究所で活躍しています。加えて、このスポーツ科学部で学んだスポーツマインドを根幹にしながら、多くの卒業生がスポーツ関連産業や一般企業、あるいは公務員として、各界で社会に大きな貢献をしています。 今、私の目の前に座っている、スポーツ科学部の門をまさにくぐろうとしている諸君は、この伝統の意味を是非大切にして頂きたいと思います。 もちろん、歴史も伝統も、既に作られた過去のものです。スポーツ科学部の、あるいはスポーツ科学学術院の伝統は、今日から諸君が新たに創っていくものであることも、強く心に刻んでください。

 先ほどもお話しした、2020年の東京オリンピックの大会コンセプトは「Discover Tomorrow」、「未来(あした)をつかもう」です。これになぞっていえば、君たちの、これまでの努力や頑張りをバネに、さらに未来に向かって自分の進むべき道を、渾身の力を振り絞って、ここスポーツ科学部でつかんでほしいと、私たちは心から願っています。もちろんそれは、スポーツ活動だけを意味しているのではありません。君たちの明日への成長を願うからこそ、スポーツ科学部では君たちの勉学に対する姿勢も厳しく問い、時には厳しく指導していきます。 私たちは、これから諸君をどんな時でも、どのような場でも応援し、激励していきます。そして今日から諸君の新しい旅がここ早稲田大学で始まります。胸にトゲ刺すことが多くあったり、失恋したり、ときには絶望の淵にさまよう日もあるでしょう。また、毎日の練習に嫌気がさして逃げ出したくなったり、勉強や研究に希望の光が見えず、自分が何者かがわからなくなったりすることもあるでしょう。だが、それもこれも君たちが人間として成長していく力強い糧となるものです。

 社会に目を転じれば、諸君を待っている道は、光に照らされた明るい道だけという訳ではありません。東北に起こった大震災とそれに続く原発事故は、多くの貴い命を奪い、故郷も奪いました。今なお、故郷に帰れぬ人たちが多くいることを思うと、胸が痛みます。そして、この出来事は、人間の生き方や人生の価値を改めて私たちに問いかけています。 他方で、今、こうしている間にも、クリミア半島や世界のさまざまな地での人々の争いは絶えません。日本でも、特定秘密保護法が公布され、国会では集団的自衛権行使に関する議論が行われています。戦後70年を迎えようとする今、憲法9条を核とした日本の安全保障政策も大きく変わる可能性を感じる毎日です。 一層進展する少子高齢社会は、若い君たちに、これから一層の負担を強いていくことが予想されます。このような時だからこそ、君たちにこの早稲田の地で、懸命に学問に打ち込み、そしてスポーツに打ち込んで欲しいのです。その渾身の努力は必ずや君たちを大きく成長させてくれるものと思います。

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 さて、スポーツは社会のうつし絵とも鏡であるともいわれます。私たちが堕落すればスポーツも堕落します。私たちがスポーツを大切な文化として守り育てれば、スポーツは多くの恩恵を私たちに与えてくれます。 昨年来、部活指導者の体罰やナショナルチームのコーチの暴力問題を皮切りに、スポーツ団体の補助金の不正受給などが明らかになりました。今、スポーツは社会から信頼をなくしかけています。スポーツが好きで学びたいと思ってきた人はもちろん、はからずも、第一志望でなく、スポーツに興味がないと思っている人も、これからの学生生活で、スポーツをプレイしたり見たりするだけではなく、スポーツとは何であるかということを一生懸命考えてみてください。 私は、スポーツの研究を仕事にして30年あまりが経ちました。だからこそ、スポーツを考えるということは、社会を考えることでもあり、君たち自身を考えることでもあり、君たちの人生を考えることでもあると確信を持っていえると思います。 どうか、これから始まるここでの生活と青春の中で、多くの楽しいこと、苦しいこと、人の役に立つこと、そして思いっきり笑ったり、泣いたり、怒ったりしながら、君たち自身の道を築いてください。その中で得られる、何物にも代え難い経験や友人や恩師は、君たちの一生の宝になります。 今日は、本当に入学おめでとう。スポーツ科学部は、君たちを大歓迎します。そして、これからの健闘と奮闘を心から祈ります。

早稲田大学スポーツ科学学術院 学術院長(学部長) 友添秀則

2014年4月3日 君たちの新しい旅の始まりの日に

2014.04.04 update