Institute of Comparative Law早稲田大学 比較法研究所

研究所プロジェクト

日本法の中の外国法

日本法は「混合法」と言われる。それは、日本の固有法と外国法とが混合して日本法が形成されているという意味であろう。この日本法を考察するに2つのアプローチがありうる。1つは、固有法としての日本法の探求であり、他は、日本法となった外国法の探求である。後者では、外国法は何らかの日本的修正を経て日本法として定着していると思われるが、その分析を外国法の視点からアプローチすることとなる。
比較法研究所は、科研費研究あるいは比研50周年記念研究を通じて、以上の2つのアプローチのうち、前者の日本法の探求に焦点を当て、研究成果を結実してきた。そこで、2011、2012年度は、日本法の考察を後者の切口から考え、これまでの研究成果を受け継ぎつつ、さらに深化させた新プロジェクト「日本法の中の外国法」を開催する。

プロジェクト講演会(全7回)

―事前申込は不要ですので、直接会場にお越しください。

【第1回】刑法
日時 2011年6月9日(木) 16:30-18:30
演題 外国法(学)の継受という観点から見た日本の刑法と刑法学
講師 井田 良 (慶應義塾大学大学院法務研究科 教授)
この講演では、まず日本の刑法(学)に与えた外国の刑法(学)の影響を確認した上で、それが日本の刑法(学)にいかなる特色をもたらしたかを明らかにしたい。とりわけ、日本が外国の刑法(学)から学んだものの本質的部分を解明することが1つの課題となる。同時に、日本に継受された法規定や法制度、法理論が日本に入ってきてどのような変容を遂げたのかも検討してみたい。もう 1つの重要な課題となるのは、今後における日本法(学)と外国法(学)の関係がどのようなものとなるのかを明らかにすることである。
コメンテーター 甲斐 克則 研究員(法学学術院 教授)・高橋 則夫 研究員(法学学術院 教授)
司会 田口 守一 研究員(法学学術院 教授・比較法研究所所長)
会場 早稲田キャンパス8号館3階大会議室
対象者 教職員・学生・一般
【第2回】憲法
日時 2011年7月11日(月) 16:30-18:30
演題 憲法のなかの「外国」
講師 石川 健治 (東京大学法学部 教授)
コメンテーター 蟻川 恒正・今関 源成 研究員(法学学術院 教授)
司会 今関 源成 研究員(法学学術院 教授)
会場 早稲田キャンパス 大隈小講堂
対象者 教職員・学生・一般
【第3回】民法Ⅰ(財産)
日時 2011年10月22日(土) 15:00-17:00
演題 財産概念について ―フランス法からの示唆
講師 横山 美夏 (京都大学大学院法学研究科 教授)
民法において、『財産』は、権利や物のように、個別具体的な財を指すこともあれば、責任財産のように、抽象的な財の総体を指すこともある。本講演では、まず、フランス法における資産(patrimoine)理論および財産(bien)概念を検討する。そのうえで、フランス法との比較を通じて、日本法における『財産』をめぐる諸概念とその現代的意義について考えてみたい。
コメンテーター 瀬川 信久 研究員(法学学術院 教授)
司会 山野目章夫 研究員(法学学術院 教授)
会場 早稲田キャンパス8号館3階大会議室
対象者 教職員・学生・一般
【第4回】商法
日時 2011年12月16日(金) 16:30-18:30
演題 ロエスレル法典 ─日本商法の源流
講師 高田 晴仁 (慶應義塾大学大学院法務研究科 教授)
明治17(1884)年にドイツ人国法学者ヘルマン・ロエスレルが起草した日本商法草案は、かれがいうごとく「文明諸国の最新最良の諸原則に拠る法典」──外国商法のモザイク──であって、明治32年の新商法典、昭和25年の商法改正を経て、なお現代の会社法に大きな影響をあたえている。本講演では、この日本商法の源流から現代に至るわが国商法の変遷を、母法である外国法の変遷と重ね合わせることによって、現代日本会社法に内在し、かつ日本的に変容した「日本会社法の中の外国法」に光をあててみたい。
コメンテーター 上村 達男 研究員(法学学術院 教授)
司会 尾崎 安央 研究員(法学学術院 教授)
会場 早稲田キャンパス8号館3階大会議室
対象者 教職員・学生・一般
【第5回】民法Ⅱ(身分)
日時 2012年1月21日(土) 15:30-17:30
演題 日本家族法 ―フランス法の視点から
講師 水野 紀子 (東北大学大学院法学研究科 教授)
20世紀半ばからフランス家族法は大規模な改正を経ており、その改正傾向は平等化と自由化といわれる。自由と平等という観点から形式的に眺めると、日本法は戦後改正で遙かに先んじていたように見える。しかし実質的平等という観点からみると、様相は異なる。フランス法では改正の前後を通じて、家庭内の弱者を守るために法が介入せねばならないという公序があり、日本法と異なっているのは、その公序の存在である。
コメンテーター 岩志和一郎 研究員(法学学術院 教授)
司会 棚村 政行 研究員(法学学術院 教授)
会場 早稲田キャンパス9号館5階第一会議室
対象者 教職員・学生・一般
【第6回】民事訴訟法
日時 2012年5月31日(木) 15:00-17:00
演題 わが国におけるオーストリア民事手続法の受容
講師 松村 和徳 研究員(法学学術院 教授)
わが国の民事訴訟法は、明治期にドイツ民事訴訟法を継受したものである。しかし、基本的に条文を翻訳した形での継受であり、わが国「固有の民事訴訟法」の構築が意識され、試みられたのは大正民事訴訟法改正であった。そこで、大きな影響を与えたのがオーストリア民事訴訟法であったとされる。本講演では、主にオーストリア法がいかにわが国民訴法に取り入れられ、その固有の法形成にどのような影響を及ぼしたかを明らかにする。
コメンテーター 加藤 哲夫 研究員(法学学術院 教授)
司会 勅使川原 和彦 研究員(法学学術院 教授)
会場 早稲田キャンパス8号館3階大会議室
対象者 教職員・学生・一般
【第7回】刑事訴訟法
日時 2012年6月28日(木) 16:30-18:30
演題 外国法の継受という観点から見た日本の刑事訴訟法と刑事手続
講師 川出 敏裕 (東京大学大学院法学政治学研究科 教授)
わが国の刑事訴訟法は、明治維新以後、現在に至るまで、外国法の大きな影響を受けてきたが、その意味合いは、時代とともに変化している。本講演は、Ⅰ.治罪法から大正刑事訴訟法までの時代、Ⅱ.戦後の新刑事訴訟法の時代、Ⅲ.現在 の3つの時期に分けて、外国法の継受という観点から見た場合に、それぞれの時期の刑事訴訟法とその運用が、どのような特色を持つのかを明らかにしようとするものである。
コメンテーター 寺崎 嘉博 研究員(法学学術院 教授)
司会 寺崎 嘉博 研究員(法学学術院 教授)
会場 早稲田キャンパス8号館3階大会議室
対象者 教職員・学生・一般

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