早稲田大学比較法研究所では、創立50周年記念事業の一環として、Bプロジェクト「21世紀の訴訟および訴訟法の構造変化と展望」を発足させました。近年のわが国社会の変化と一連の司法改革により、21世紀を迎えたわが国の訴訟には構造的な変化が生じています。
この共同研究は、こうした激動する今日の司法または紛争解決システムの実務的な状況を理論的に把握し、これらを訴訟法の歴史=比較法学的な分析などを駆使して新たな地平へと定位させるための、比較・総合的な研究を行おうとするものです。当面、法務研究科の実務家教員とご専門の研究者を中心として、現在の問題状況の認識を共有し、課題を抽出するための講演会を開催し、その後は具体的課題に取り組んでいく予定でおります。今後も月1回のペースで連続講演会を開催する予定です。
種目 |
Bプロジェクト2008年度講演会 |
日時 |
2008年5月29日(木)18:00~20:00 |
演題 |
21世紀型訴訟に対する企業法実務家からの所感 |
講師 |
武井 一浩 (早稲田大学大学院法務研究科客員教授・弁護士):櫻庭 信之 (弁護士) |
コメンテータ |
上柳 敏郎(研究員、早稲田大学大学院法務研究科客員教授) |
会場 |
早稲田大学早稲田キャンパス8号館3階大会議室 |
概要 |
最近10年間に提起されたいくつかの企業関連の裁判において、訴訟当事者を代理する立場で直面した訴訟対応の問題と、今後への提言などを述べる。 |
種目 |
Bプロジェクト2008年度講演会 |
日時 |
2008年4月11日(金)18:00~20:00 |
演題 |
民事裁判における訴訟構造の変化と21世紀における手続変革の展望 |
講師 |
園尾 隆司(静岡地方裁判所長) |
コメンテータ |
伊藤 眞(研究員、早稲田大学大学院法務研究科客員教授) |
会場 |
早稲田大学早稲田キャンパス8号館3階大会議室 |
概要 |
明治期にドイツ法を手本として構築された民事訴訟法の訴訟構造が、その後どう定着し、どう変更されたかを概観した上、倒産手続の変革に関与した経験と対比しつつ、21世紀の民事訴訟手続変革の方向性について、考えるところ、感じるところを述べたい。 |
種目 |
Bプロジェクト2007年度講演会 |
日時 |
2007年6月28日(木)18:00-20:00 |
演題 |
勝つべき者が勝つ民事裁判を目指して―これからの法曹に求められるもの |
講師 |
佐藤歳二(元研究員、桐蔭横浜大学法科大学院客員教授、弁護士) |
コメンテータ |
小島延夫(研究員、早稲田大学大学院法務研究科客員教授) |
会場 |
西早稲田キャンパス26号館地下大隈タワー多目的講義室 |
概要 |
社会経済情勢の動きを反映する民事裁判は、これまで高度経済成長期、バブル経済崩壊期及び不良債権処理期を節目に大きく変容してきた。近時は、国民の要請に応えて「より迅速な裁判」へと進んでいるが、反面、「適正な裁判」が忘れられがちである。これからも「勝つべき者が勝つ民事裁判を目指して法曹は何をすべきかを考える。 |
種目 |
Bプロジェクト2007年度講演会 |
日時 |
2007年5月16日(水)18:00-20:00 |
演題 |
裁判員との評議を通してみた公判審理の在り方 |
講師 |
川上拓一(研究員、早稲田大学大学院法務研究科教授) |
コメンテータ |
佐藤博史(研究員、早稲田大学大学院法務研究科客員教授) |
会場 |
西早稲田キャンパス26号館地下大隈タワー多目的講義室 |
概要 |
裁判員裁判の実施が2年後に迫り,また,現在,国会では犯罪被害者の刑事裁判への参加及び刑事手続の成果を利用した損害回復等犯罪被害者の権利利益の保護を図るための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案が審議されている。こうした新しい制度の下における公判審理の在り方について問題点を探る。 |
種目 |
Bプロジェクト2007年度講演会 |
日時 |
2007年4月18日(水)18:00-20:00 |
演題 |
紛争処理ニーズの多様化と訴訟の応答性 |
講師 |
和田仁孝(研究員、早稲田大学大学院法務研究科教授) |
コメンテータ |
上柳敏郎(研究員、早稲田大学大学院法務研究科客員教授) |
会場 |
西早稲田キャンパス27号館地下2階小野記念講堂 |
概要 |
社会構造の変容に伴って、人々が訴訟制度に求めるニーズや意識のありかたにも変化が生じてきている。ADRも含め、紛争処理システムの機能性の観点から、今後の司法のあり方を考える。 |
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