日時 2019年5月15日(水)16:00-18:00
会場 早稲田大学早稲田キャンパス 8号館606、607教室
参加者数 15 名(うち学生 7 名)
2019年5月15日(水)に、早稲田キャンパスにて、比較法研究所主催の公開講演会「中国共産党党内法規制度の構築」が開催され、報告・質疑応答が行われました。
冒頭で、世話人の水島朝穂 氏(早稲田大学法学学術院教授)が挨拶し、中国共産党党内法規制度の構築に関する講演会の開催について、日本・ドイツの憲法・政党法に対する研究との関連、および日本への示唆を探るなどの問題関心を含む趣旨説明をしました。
本講演会では、祝捷(武漢大学法学院教授)・伍華軍(武漢大学法学院准教授)両先生はそれぞれ論理構成と制度設計の点から中国共産党党内法規の背景と最新の動向を紹介して検討しました。両先生の講演により、従来の「党治国家」から「法治国家」に転換するためには「党内法規」が重要な役割を果たしていることが分かりました。すなわち、8000万以上の党員を有する中国共産党が、中国という国と有機的に結合している以上、法治化・民主化などの改革の推進は、中国共産党自身の改革がなくては成り立たないことです。中国共産党の党内法規制度の構築は、まさにそのような改革の重要な一環であることが明らかにされました。
今回のご講演を通じて、中国の政治、法律ないし社会全体の最新の動きと発展の方向が明らかになりました。そして、中国共産党の党内法規の構築は、ドイツ・日本の国の政党制度・憲法改革のあり方等に関する研究にとっても、一つの比較対象となり、今後の比較法的な研究を展開する重要性が認識されました。
講演後、研究者・学生・市民を含む日中両国の参加者からの質問を受け、活発な交流ができました。