Institute of Comparative Law早稲田大学 比較法研究所

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【開催報告】「組織犯罪に対する法的措置に関するドイツの発展状況について」(アルント・ジン氏オスナブリュック大学法学部教授)が開催されました

日 時:2019年3月16日(土) 16:30-18:00
会 場:早稲田キャンパス3号館404教室
講 師:アルント・ジン氏 オスナブリュック大学法学部教授
通訳・世話人 仲道 祐樹 研究所員、社会科学総合学術院教授(ドイツ語⇔日本語)
参加者:41人(うち学生11人)

ジン教授は、現在のドイツにおける組織犯罪研究の第一人者であり、„Organisierte Kriminalität 3.0“ (2016)などの著書がある。

今回の講演にあたっては、組織犯罪対策のドイツの現況についてのご報告をお願いしたところ、同書の内容をアップデートした、非常に力の入った原稿をご用意くださった。

報告は、有効な組織犯罪対策として採りうる2つの戦略、すなわち①組織自体の撲滅と、②資金源を絶ち、財産を剥奪することのそれぞれにつき、ドイツの近時の法改正の動向をご紹介いただくと共に、その有効性および妥当性についてのジン教授からの評価から構成されていた。

戦略①については、2017年までのドイツの状況が失敗と評価されるとともに、2017年に改正された129条についても、その意義は訴訟法の領域、特に秘密裏に行われる捜査を可能とするための実体法的評価の格上げにある点が指摘された。

戦略②についても、2017年の大改正を踏まえて、それが実際に執行される際の問題点(ヒューマンリソースの問題、予算の問題等)と、肯定的に評価される点(憲法上疑義のある立証責任の転換ではなく、立証負担が軽減されるような規定形式が採用されたこと、従来組織犯罪に典型的な犯罪であるにもかかわらず、没収対象から外れていた類型が取り込まれた点)が紹介された。

その後、ディスカッションでは、拡大没収と独立没収の憲法適合性の問題、組織犯罪捜査と人権保障の関係、ドイツ型の結社罪モデルと、英米法型の共謀罪モデルのメリット・デメリットについて活発な議論がなされた。

参考
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