Institute of Comparative Law早稲田大学 比較法研究所

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【開催報告】日中共同シンポジウム2018 「学術交流25周年記念 過去25年間にみる日本法・中国法の変化と特色」が開催されました。

日中共同シンポジウム2018
「学術交流25周年記念 過去25年間にみる日本法・中国法の変化と特色」

日 時  2018年7月21日(土)9:00~19:00
場 所  早稲田大学8号館3階大会議室
主 催  中国社会科学院法学研究所・早稲田大学比較法研究所

本シンポジウムは、2018年7月21日(土)に、早稲田大学早稲田キャンパス8号館3階会議室において開催された。当日は全て逐次通訳で行われ、パネリストに加えて、早稲田大学教員及び大学院生、中国社会科学院の研究員など、数多くの参加者があり盛会であった。以下は、その概要である。

開会の辞(9:00~9:30司会:中村民雄教授)
中村民雄教授(早稲田大学比較法研究所所長)と陳甦研究員(中国社会科学院法学研究所所長)よりそれぞれ開会の挨拶があった。

中村所長

陳所長

 

 

 

 

 

 

午前の部(9:30~12:40 司会:中村民雄教授(早稲田大学比較法研究所所長)

第一部「公法セッション」
日中1本ずつの報告(各40分)と、ディスカッション(20分)が行われた。

川岸教授

報告1 川岸令和教授「過去25年間にみる日本の公法の変化と特色」
川岸教授は、日本の公法の分野では、過去25年間において、制度の大改革と違憲審査の若干の活性化が見られ、法科大学院の設置及び司法試験改革で、憲法および行政法が必修化され、最高裁の判例に重きを置く教育が浸透してきたことを指摘した。

翟研究員

報告2 翟国強研究員「中国における監察委員会制度―回顧と展望」
翟研究員は、中国監察体制の発展と改革の経緯を紹介し、監察委員会の憲法的位置づけと監督、調査及び処置という三つの基本的な職責について指摘をし、最後に監察委員会制度の将来についての自らの展望を述べた。

 

第二部「刑法セッション」
日中1本ずつの報告(各40分)と、ディスカッション(20分)が行われた。

田口名誉教授

報告1 田口守一名誉教授「日本刑事法の変化と特色に関する比較法的検討-比較法研究所における日中学術交流25周年を契機として」
田口名誉教授は、1990年代に入って、刑事法の世界では立法の時代が到来し、外国法或いは国際関係から多くの影響を受けたことを指摘した。そして、刑事法における日中交流の歴史について述べ、比較法研究の必要性を強調した。

劉研究員

報告2 劉仁文研究員「中日刑事法交流:回顧と展望」
劉研究員は、清朝末以降の中国と日本の刑法学の関係を振り返り、現代における日本と中国の刑事法学の学術交流の状況を紹介したうえで、比較法研究により日本から得た刑法理論を中国に採り入れる際は、中国の実態との整合性について検討するとともに、判例研究に基づく刑法理論の構築等により、刑法理論を生活・実務に結び付ける必要があると指摘した。

午後の部(14:00~18:50 司会:黒沼悦郎教授(早稲田大学比較法研究所幹事))
第三部「私法セッション」
「民法」:日中1本ずつの報告(各40分)とディスカッション(20分)が行われた。

白石教授

報告1 白石大教授「日本民法の25年」
白石教授は、日本の私法、とりわけ民法が長らくドイツ法とフランス法の影響を強く受けてきたこと、今回の債権法改正でもこの両国の法津を参考にしたことを指摘し、国際物品売買契約に関する国連条約(CISG)が日中を含む世界諸国に影響を与えたことにより世界規模での法の統一が進展すると述べた。

朱研究員

報告2 朱広新研究員「社会の変化と民法の進展-25年にわたる中国における民法の変遷及びその特色」
朱研究員は、市場経済の確立・深化と民法の発展・改善、他国又は国際的法律が中国民法の発展に対する影響、中国民法の基本的特徴という三つの視点に基づき報告した。

 

「商法」:日本側の報告に対して中国側がコメントする形で進められた。

黒沼教授

報告 黒沼悦郎教授「日本における最近25年間の企業法制の展開」
黒沼教授は、会社法制と金融商品取引法制という2つの部分に分けて報告をした。会社法制では、1993年改正、1997年~2000年改正、2001・2002年改正、2005年改正、2014年改正、およびソフト・ローについて述べた。

陳研究員

コメント 陳甦研究員
黒沼悦郎教授の報告に対し、陳甦研究員は、中国における会社法の改正の時期が日本の法改正の時期と一致していることを指摘した。

 

 

「家族法」:中国側の報告に対して日本側がコメントする形で進められた。

報告 薛寧蘭研究員「社会の変遷と法律の改革:二十五年以来の中国婚姻家庭法」

薛研究員(左)と白石教授(右)

薛研究員は、中国の婚姻家族法における法制度の発展について、制度化、体系化及び法典化という3つの特色を提起し、法改革に関して原則の充実、制度の整備、制度上の空白の補填を指摘し、今後の立法上のチャレンジについて民法典との関係及び新たな社会問題に関連する内容を発表した。
コメント 白石教授
薛寧蘭研究員の報告に対して、白石大教授は、①家庭内暴力問題に関する法整備,②夫婦財産契約の取り扱い,③生殖補助医療技術への対処,の3点についてコメントし、①は日中ともに同時期に立法対応がなされた課題,②は中国の立法対応が日本にとって参考となる課題,③は日中ともに現在進行形で抱えている課題であることを指摘した。

 

謝研究員

「労働法」:中国側の報告に対して日本側がコメントする形で進められた。
報告 謝増毅研究員「中国労働法の発展及びその特徴-比較法的観点から」
謝研究員は、中国労働法の発展及びその特徴について、1994年労働法の制定と施行、「労働契約法」の制定と施行、「労働契約法」の修正に関する近時の議論について中国労働法の状況を紹介し、日本・ドイツと比較しながら中国の労働法体系の特徴を述べた。

コメント 石田眞名誉教授

石田名誉教授

謝増毅研究員の報告に対して、石田眞名誉教授は、日本における<労働法と労働市場の関係>に関して、消極主義もしくは市場原理主義、積極主義もしくは制度主義という二つの対立する議論があり、中国の労働法政策は積極主義もしくは制度主義の考え方に近く、中国と日本・ドイツとでは、労働法と民法との関係が異なることを指摘した。

 

閉会の辞(18:50~19:00 司会:中村民雄教授)
楜澤能生教授(早稲田大学法学学術院長)より、日中は25年間の交流を経て、中国の法学研究が日本の法学研究を模倣する段階からそれぞれが独立して発展する段階に入ったことで、日中両国の法学における交流も新たな時代を迎えたが、日中両国は将来にわたり、互いに協力してアジア・リージョン法の構築のために努力すべきであるとの挨拶があった。

陳所長(左)と楜澤法学学術院長(右)

陳甦研究員(中国社会科学院法学研究所所長)より、この25年間の交流は我々の業績だけでなく、我々の先輩方の努力の成果でもある。交流をさらに発展させ、25年後、50年後の成果を楽しみにしたいとの挨拶があった。
最後に、記念品の交換と記念撮影を行い、19時過ぎに全ての日程が無事終了した。

 

 

参考
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