日韓共同シンポジウム「2022年の韓国国際私法改正と先端科学技術」
主 催:早稲田大学比較法研究所
共 催:早稲田大学法学部
日 時:2023年9月23日(土)13時30分~18時30分
場 所:早稲田キャンパス8号館606・607教室
世話人:種村佑介(早稲田大学法学部教授、早稲田大学比較法研究所研究所員)
参加者:21名(うち学生4名)
比較法研究所主催の本シンポジウムは、2022年度の韓国次世代コンテンツ財産学会主催の国際学術大会「Recent Development in Unfair Competition Law」(2022年9月、韓国・仁川国立大学校で開催)においても話題に挙がった同年の韓国国際私法改正の内容に関する理解を深めるとともに、メタバース環境や生成AI、スマートプロダクトといった先端科学技術がもたらしうる国境を越えた場面での問題に改正法がどのように対応しているかについて、多様なバックグラウンドを持つ研究者・実務家らと議論を交わして日本の国際私法への示唆を得ることを目的に企画されました。
本シンポジウムでは、メタバースやAI、スマートプロダクトのような新しい技術を法律上いかに把握し、さらにそれらを韓国の新しい国際私法の中でどのように位置づけるか、また、情報通信関連の裁判例にも一定の蓄積がある同国の新たな動向について、報告や討論を通じて議論を深め、日韓両国間の異同を明らかにすることができたように思われます。
2022年の韓国国際私法改正の主眼は、国際裁判管轄立法を中心とする国際民事訴訟法の分野にありました。そのためシンポジウムでは、とりわけ国際的訴訟競合や不便宜法廷に関する米国法との対比や、知的財産分野の属地主義をいかに取扱うかにも議論が及んだのが印象的でした。今後も東アジアの視点の構築を目指して日韓で共同研究を進めていくことで一致し、シンポジウムを閉じました。
本シンポジウムの研究成果の一部は、『比研オンライン・フォーラム』に掲載することを予定しています。なお、本シンポジウムは2022-2025年度科学研究費補助金 基盤研究(C)「東アジア共同体における知的財産の保護:アメリカ、EUおよび国際動向との比較」JSPS KAKENHI Grant Number 22K01177(研究代表者・種村佑介、比較法研究所員)の研究成果の一部です。