※本稿は2022年度に取材し、取材当時の情報を掲載しています。
「日本語教育実践(16)」では、海外の日本語教育現場とつながり、言語政策の理論から、授業のデザインや運営などのノウハウまでを学びました。ボスニア、タイ、アルゼンチン、ベトナムなど世界中の教育者や学習者と交流する実践です。
この実践を通して、日本語を専攻する私のように「キャリアのため」の日本語教育もあれば、「アイデンティティを保つため」、「教養のため」の日本語教育もあることを知り、日本語教育の多様性を実感しました。さらに、「四技能をバランスよく学ばなければならない」という言語学習観から、「話す」「聞く」など部分的能力を積極的に評価するCEFRの考え方について学び、言語学習観を捉え直す機会となりました。中国の日本語学習者という自らの「デフォルト」の文脈から出て、より広い視野で日本語教育の全体像を把握する実践だと感じています。