※本稿は2022年度に取材し、取材当時の情報を掲載しています。
韓国出身。早稲田大学文化構想学部を卒業後、2013年に当研究科修士課程に入学。日本語のみならず、日本語で生きる人たちに対する理解も深めたいと博士課程へ進学し、「ことばの多様性」をテーマに博士論文を執筆。学位取得後、立教大学日本語教育センターの教員として、主に留学生への日本語教育に従事している。
中学時代を日本で過ごしたことから日本語に興味を持ち、韓国の高校を卒業後、早稲田大学に留学しました。社会学を専攻する傍ら、全学共通副専攻の制度を利用し、日研が提供する日本語教育学関連の科目も受講。日本語教育学が日本語についてだけではなく、「日本語で生きる人たち」についての学びでもあることに魅力を感じ、日研への進学を決めました。
修士修了後、「日本語教育学とは何か」をより深く探究したいと考えて博士後期課程への進学を選びました。私が行っている研究が日本語教育全般において、さらには日本社会においてどのような意味を持つのかを常に考えるようになったことは、博士課程に進んでからの変化です。博士論文では、言語学習の普遍的課題である「ことばの多様性」をテーマに据え、日本語学習者の観点から検討を行い、その結果を踏まえ具体的な学習のあり方を模索しました。
日研で積み重ねた研究や実践の経験を通して、日本語教育の役割を自分なりの言語観と教育観に基づいて考える力が鍛えられたと感じます。その力は、大学教員として日本語教育に従事する今、日々直面する課題への向き合い方から、業務を遂行する際の意識にまで、幅広く活かされています。